《 加 》 この北野さんのほとんどの部分は、その新聞とかその情報源ですけれど、ある程度、そういったつてがあるのだと思うのですが。凄い読んでいてドキドキしたというか面白かったのは、昔、プーチンの側近の方、ザンテフさんという方がいたじゃないですか。あの方とお仕事をされた時に、小泉さんがこちらに来られて、パイプラインのルートをナホトカルート、ロシアとしてほとんど中国のルートに決めていたみたいって書かれていたのですけれども、ナホトカルートの方に検討しても良いような事を言ったのですかね。
その陰で、調整されていたのは北野さん達のメンバーだという事がメルマガに書かれていて。面白いなというのがあったのですが。今後、ロシアと日本政府が進まないのは、お互いが何を考えているのかがわからないわけで。裏でそういった繋がりがあって、情報収集が出来たら。もしかしたら進んで行けたかもしれないですけれど。何というか、ちょっとザンテフさんが体調を崩されたのですか、そこからストップしてしまった。
《 北 》 それはどういう話かと言うと、小泉さんの頃に、東シベリアから極東ナホトカにパイプラインを作ろうという話があって。もう出来てしまったのですけれど。ロシアはこうありますよね。ほとんどが今、ヨーロッパに行っているわけですよねでもその、ヨーロッパはうるさいと。EUを拡大したりNATOを拡大したりして、ちょっとロシアと仲が悪くなったりする事もあるので。
結局、これからどうしたいのかといったら、アジアの方にこう引いて、東シベリアからこう引いて、日本とか韓国とか中国とか、東南アジアとか。もっとアメリカとか、出したいなという。
《 加 》 増やしたいという?
《 北 》 そういう事ですね。それで、東シベリアからパイプラインを極東ナホトカに引いて、そこからタンカーで、日本に出す、韓国に出す、中国に出す、とするのか。中国に引いて、中国市場だけにするのか。で、ロシアは、顧客が一国だけになってしまうと、価格の主導権が取れないので。出来ればナホトカまで引いて、ここからタンカーでだしたいなという話だったわけですよ。ところが、なぜか日本では、もう中国と決めたよみたいな話になっていて。そうじゃないのだと。本当は、日本で行きたいのだという話になって。
その時に、そのザンチェフさんと私ともう一人日本人の、のちにそのIMTという投資コンサル会社を作ったパートナーと。で、日本側の何というのですかね。まぁ、政界に凄くコネがある社長さんがいて、その一つのチームみたいになっていて。ぜひとも、ナホトカにやりましょうよという話になっていたわけですよ。
なぜ、ダメになったのか。要するに、日本とロシアの信頼関係が十分に築けなかったという事だと思うのですけれど。最終的には、ザンチェフさんが亡くなってしまったので。それからですね、日本とロシアの関係がなくなった。
《 加 》 逆になんでザンチェフさんは、北野さんの方を向いてくれたのかなというか、日本の方に向いてくれていたのかなというのは、凄く僕としては思うのですけれど。
《 北 》 それは、ザンチェフさんが日本担当だったと思うのですね。要するに、公式ルートと非公式ルートがあって。要するに、公式ルートというのは、本音は話せないので、基本的に。非公式ルートもやっぱりあるわけですよ。非公式ルートで、色々と根回しをする人たちのことを、フィクサーというのですけれども。
私が、ザンチェフさんと知り合った経緯は、日本にもそういうフィクサーみたいな人たちがいて、大物フィクサーみたいな人がいて。で、ザンチェフさんと日露関係を良くしなければいけないよねという話で、仲良くしていたらしいのですね。何からしようかという話をした時に、合弁会社を作ろうよという話になったらしくて。
合弁会社を作るのは良いのですけれど、日本の要するに、大物フィクサーは日本にいるじゃないですか。ザンチェフさんはモスクワにいるので、意思の疎通が上手く取れないという事で。間に、モスクワに日本人の何かが、協力者みたいな人がいたら良いよねという事で。で、選ばれたのは、別に私では無かったんですね。
《 加 》 そうなんですか。
《 北 》 まず、立場を考えると、駐在員とかって、大体モスクワに住んでいると、学生か駐在員かどちらかなので。駐在員は、ある会社から派遣をされているので、もちろんそんな事は出来ない。自由な立場の人ってあまりいないわけですよね。
投資コンサル会社を作った友達が、まずその日本のフィクサーの方から声をかけられて、ザンチェフさんに紹介をされたんですね。で、その後に、ようは友達だったので、面白そうな話があるから北野さんも一緒にやろうよという事で、私も入ったのですよね。
《 加 》 そこで、僕が残念だなと思うのは、2005年にザンチェフさんがちょっと体調を崩された後に、それから頓挫してしまったわけですよね。それが続いていたら、面白い事になったなぁというのはありますけれど。その日本担当の裏ルートの方というのは、ザンチェフさんの次には選ばれなかったのですか?
《 北 》 いやいやいや、エックス氏っているのですよ。エックス氏ってメルマガにもたまに出てくる。その人は、日本担当というよりももっとグローバルな、もっとザンチェフさんより上の人で。その人が要するに、ザンチェフさんの跡を引き継いだという感じだったのですけれど。やはり小泉さんは、アメリカ一辺倒で行きましょうという事で、中国とロシアとの関係はあまり重視しない方向だったと思うのですよね。
やはり決定的だったのは、完璧にイラク戦争を支持する意向を示して、それで、結果的にロシアと中国は反イラク戦争だったので、仲が悪くなってしまったというか。そこからずっと、このロシアは日本を重視しないのが続いて。特に、メドヴェージェフの北方領土を二回訪問した事で、もう日本人が怒ってしまって。で、メドヴェージェフ自身があまり日本に関心の無い男で。それで、要するに2004年とか5年とかからずっとこう、プーチンが大統領に返り咲くまで、8年とか9年とかずっと日本との関係は良くなかったんです。だからもうロシア自体が。
《 加 》 あまりこう日本にそんない意識が無かったのですかね?もともと。
《 北 》 無かったです。
《 加 》 プーチンさんになってから、そういった傾向があったのですか?
《 北 》 やっぱりそれは何かというと、2008年のリーマンショックとそれに続く危機で。アメリカがもうダメになってしまったんじゃないの?って思った。もちろんそれは、ロシアが中国と組んで、意図的にやった事ではあるのですけれど。そうすると、ロシアって基本的に二つ敵がいるわけですよ、大きな敵が。
一つは要するに、アメリカですよね。で、もう一つは中国。で、アメリカと中国どっちが悪いのという風に考えた時に、アメリカの方が悪い。グリジアでも革命をするし、ウクライナでも革命をするし、キリギスでも革命をするし。ロシアのテリトリーにもう土足で入り込んでくるから。それを、何とかしないといけないから。まず中国と組んで、アメリカを叩くわけです。そうすると、アメリカがぐわぁ~と沈んでくると、今度は、中国がぐわぁ~っと上がってくると。
ロシアは、要するにリアリズムの視点からすると、アメリカと引っ付いて中国を叩きたいわけですよ。だけど、アメリカはロシアとひっつきたくない。むしろ、国務省とか財務省とかは中国と仲が良いので、こっちが引っ付いてしまい、今度はロシアが叩かれてしまうという風になってしまって。
今回のウクライナの件でも、要するにロシア側が何を見ているのかというと、ロシア叩きをしている。クリミア半島がこうあるのですけれど、ウクライナがあってこちらはロシアですけれど。ここは、黒海艦隊というのがあってですね。ロシアの重要な軍事拠点なのですけれど。で、そのウクライナの新政権は、この超重要な軍事拠点から黒海艦隊を追い出して、ここに米軍とか奈東軍を入れちゃおうと思っているわけですよ。そうするともう、ロシアの要するにすぐ近くまで、奈東軍が来てしまうので、こんな事は許せるかという事でプーチンが激怒して、クリミアも強引に編入してしまったわけですけれども。
そういう動きを見てもプーチンは、アメリカと一時期は組もうと重ったのですけれども。やはり無理だなという風に、最近思ったと思うのですよ。だから、組みたかったとは思うのですよ。でも、やはりアメリカは、未だにちょっと冷戦時代のメンタリティーから抜け出していなくて、なかなか組ませてもらえない。
《 加 》 そこの仲介役は、日本がある意味期待させた部分があった?
《 北 》 だから、世界三大戦略家と言われるルトワックさんはですね、自滅する中国という本の中で、ロシアの同行で、結局、中国包囲網が上手くいくのかが決まる。ところが、アメリカとロシアというのは、人権問題とか政自体が独裁だとか、色々と問題があるので。直では繋がれられないだろうと。
じゃあ、どうやって繋ぐことが出来るかというと、日本を間に挟んで、ロシアとアメリカは繋がる事が出来るのだという、過大な願いを日本に持っていたわけですよ。未だにもっているのか分からないですけれど。それが上手くいけば、ここにアメリカがあって。ロシアがあって、日本があって。ここに中国がありますよね。で、中国は尖閣を狙っていると。で、例えばここにインドがあって。そうなるとこういう風に、包囲網が形成されて。中国は尖閣なんて責められないわけですよ。
私たちは、正直に言ってしまうと、2003年とかもうそのくらいの時から、今のような状態になるというのは、大体見えていて。じゃ、どうしたら良いのかという話をした時に。中国というのは、ここにロシアがあるじゃないですか。中東からやはり石油を入れているわけですよね。中東というのは、イランとかイラクとかは反米ですけれど。基本的に、サウジとかカタールとか、あの辺の要するに参入国は、民衆は反米ですけれどトップは親米ですよね。だから、アメリカは、イランさえ何とかすればここを押さえてしまう事が出来るわけで。
もしアメリカと中国に何か会った時に、ここの原因の流れはストップさせる事が出来る。基本的には、出来るわけですよね。もう一つは、南シナ海。ここにも凄い資源がある。で、東シナ海にも資源があると言われている。そこに尖閣があると。だから、ロシアと仲良くしたい。で、中央アジアの国々とも仲良くしたい。そして、南シナ海の資源も全部取ってしまいたい。東シナ海も全部取ってしまいたい。という理由ではあるのですけれど、中東を抑える時に、ロシアからの原油。あるいは、中央アジアからの原油。ガスの流れをカットしてしまえば、中国は要するに、ABCD包囲網で封鎖されて、あの時の状態で戦えなくなるわけですよね。
もう一つ、最近はちょっと違いますけれど。中国って最新兵器を、ロシアから輸入しているわけですよね。だから、武器とシリアル。この流れが、中国のパワーを支えているので。ロシアと中国を分断させてしまえば、中国ってもう恐くないわけですよね。私たちは、10年とかその前からそういう事がわかっていたので、東シベリアパイプラインというのをナホトカに出してしまえば、要するに中露分断が一個になるのではないかという事を考えていたわけですよね。だけど、上手くいかなかった。要は上手くいかなくて、結局、中国とロシアは2005年くらいから、凄い仲が良くなってしまって。
2008年に、アメリカがはっきりと衰退したので、ロシアは今度はバランスを取ろうと思って、アメリカとの関係を改善しようと思ったのですけれども、どうもアメリカにはその気が無いという事で。再びまた中国とロシアが仲良くなっていると。そういう事ですよね。まぁ、なかなか上手くいかないものですね。
《 加 》 そうですね。じゃ、多極化にはなかなかなっていない、難しいところがあるのですかね。
《 北 》 もっと先まで見てしまうと、アメリカはこのまま恐らく、オバマを見ると本当にもうダメだと、アメリカはもうダメだなという風に、多くの人は思ったと思うのですけれども。アメリカの影響力は徐々に下がっていく。じゃ、中国の天下になるとか、中国が覇権国家になるという展望を見ると、どの本にも書いてあると思うのですけれども、中国のライフサイクルというのは、2020年で今もすでに予想通りというか。賃金の上昇率が凄くてですね、中国で生産しても割りが合わないという事で、バングラデシュに行ったり、インドネシアに行ったり、ベトナムに行ったりインドに行ったりして、どんどんどんどん企業が逃げていますよね。このまま行くと、2018年から2020年くらいには、もう上手くいっても低成長時代。下手すれば共産党の一党独裁体制というのが、崩壊するような事件が起こるのではないかと、私は思っています。
《 加 》 北野さん、メルマガでも書いてあったのですけれども、覇権国家になるというか、世界を引っ張っていくのに、国力とプラスしてストーリー性というか理念というのを。それが、心から思っていなかったとしても、民衆を引き寄せるストーリー。
例えば、アメリカだと民主主義だし、スペインだったらマルクスの話であると思うのですけれども。そういったストーリー性が、今の中国には無いので。基本的にはやはり、覇権国家を取る程では無いというのを、5年前くらいから騒いでおっしゃってたいのですが。僕ら日本人が、例えばストーリーを作らせていくというか、理念を立ち上げていく部分というのが、ちょっと将来的に出来るのかなという所はあるのですが。何か日本人が、世界を引っ張ってくれるような理念を持った国では、今はちょうど無くなってきていると思うのですけれど。日本人が新たな価値観みたいなのを提言できる可能性って何かありますか?
《 北 》 欧米に洗脳されている人って、日本は特殊なのが、悪いからアメリカを見習いましょうって話になるのですけれども。でも、世界の人が日本に来たら、日本の方が絶対に良いって言いますよね。
相武台脳神経外科
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