《照》 こういった樹状細胞も色々な作り方があって、従来の作り方と比べて、我々の所ではさらに、ちょっと違う作り方をすることで、情報をですね。目印を殺し合う T リンパ球にあげる、そういった効率がもっともっと良くなるような、そういった工夫をしています。なるべく、同じ樹状細胞療法と言っても、中に使っている細胞がですね。質とか、使い方は常に工夫をしていく必要があるのかなと思います。
《加》 それではその、免疫治療といっても、その受けに行くクリニックによって質が違うということですか?
《照》 はい。NK細胞療法と言っても、そのクリニックではNK細胞を、どんな風に準備しているのかということによって、同じ名前が付いていても効果が全然違ったりしますし。
《加》 NK細胞の方も違うんですか?この樹状細胞じゃなくて。
《照》 NK細胞も違うし、樹状細胞も違うし。そういった意味で、評価も非常に難しくなっているところがまたあります。患者さんには、どれがどうなのかわからないし。我々も我々が培養して自分たちで作っているもの以外の細胞については、同じ名前で治療されていても、どれくらい同じなのか違うのか分からないと。そこは非常に大きな問題点です。
《加》 それは、評価が難しいところですか?
《照》 難しいです。我々自身が従来のやり方で培養したものと、新しく変えたもので培養したものとでせいぜい比較することはできますが。実際には、それぞれの現場で違うクリニックや違う加工施設で準備している細胞が、どれくらいの能力があるのかという様なことは、正直わからないというのは現状です。それは、ご指摘の通り非常に大きな問題です。
《加》 また、その中で先生のところでされている中では、やっぱり自信を持ってされているという。
《照》 あくまでも、ですからここで、事件例として出すようなものについては、自分たちで準備したもので自分たちの患者さんが使った時には、これくらい効いているねという話で。ですから将来、色んな方法がまた出てくれば、我々自身もまたそういった方法を取り得なくてはいけないことが出てくるかもしれませんが、現時点では、取り入れられることはすべて取り入れた形で、一番良い物を患者さんに提供しようということで、気にしながらやっているということです。
《加》 患者さんが何かそれを選ぶ時に、指標というのはあるんですか?
《照》 我々自信が無いので、だからまぁ、治療実績がやはり良い実績が出ているところを信頼をしてということかなと思います。その実績というのも、ちゃんとピアレビュー誌にね、きちっと論文をだして。それでという様な事で、測る必要があるかもしれないし。それだけで測れるかという問題もあるかもしれません。そういう論文に、良いのだけ選択してしまうような、そういった私事的な操作がされていないかとか。いろんな問題はあると思うので、ある程度、ここの先生なら大丈夫だろうということで、選ぶしかないのかなという風に思います。
《加》 たぶんうちでもしさせて頂くとすると、その先生の所にこう血液をお願いさせて頂いてというのがあるんですが、先生のクリニックからその他のクリニックって何件か受け持たれているのですか?
《照》 たくさんやっています。ですから、同じ方法でやっている先生方では、データは共有できるかなという風に思いますし。そういう事を、共有するための研究会を作って、それでデータの集積に同じ細胞を使った医療機関のデータ集積という様なことを行うように、今は進めてます。
《加》 先生のところで培養されたクリニックというのは、例えば、一般の人からもわかれば行きやすいですね。少なくてもその区別は付きやすいですね。
《照》 あまりそういった宣伝をきちっとしてないので。そういう意味では、どこがどうなってるのかっていうことで、まだ十分にね、風通しよく情報が出ていないということは色々あるかなと思います。もう少し、そういった細胞でもやっている全てのクリニックと加工施設が情報交換し合うような、そういう場というのがやはり必要なのかなという風に思います。
《加》 なんかその、玉石混交だし高額になるので、その風当たりが強くなったり、なんかうさんくさいなという所もあるので。そういった、ある程度、信頼が出来ると言うか、そういう色分けが患者さん側から見れるとやりやすいですね。
《照》 そういうのは確かに、ご指摘の通りかと思うので、心がけています。で、こういった療法をやる時には、成分採血という方法で、日赤とかで成分献血というのがありますけれども。血液の中の一部の成分だけ、血小板とかですね。そういうものだけ提供することができるのと同じ様に、これはその同じ機械です。プログラムが違うカセットをはめて、違うディスポーザブルのキットをはめて、
この場合には、リンパ球と単球だけを集める。そういう成分採血というのができますので。それで、リンパ球と単球だけを集めて、単球からは樹状細胞。リンパ球からはNK細胞をということで。こういう形で、数回ぶんの治療ができる細胞をいっぺんに集めてしまうという風なことは可能です。こういう形で集めてあげると、何かの治療にこれから入る、その前に集めとくことも出来ますし。それから元々、単球って血液の中で含まれている数が少ないので、樹状細胞の治療をしてあげようと十分な量の樹状細胞を投与して治療してあげようとすると、どうしてもこの成分採血で十分量の単球を集めてあげるいう風なことも必要になってきますので。そういった十分な治療を心がける為にも、成分採血なども取り入れたりしてるということです。
こういったクリニックで、もしくは病院ででも良いですけれども、免疫細胞を使った治療を行うという時には、現在は法律がきちっとあって。その法律に基づいて、治療が行われている形になっています。それは、再生医療等安全性確保法という法律がですね、制定されていて。それによって、まずはそういった細胞を使った治療をしたいお医者さんは、提供計画書と言うですね。どんな細胞で、どんな病気に細胞を使った治療をしたいんですか、という風な詳しいその中身についての書類を作って、それを特定認定再生医療等委員会という風なそういう委員会ですね。審査を受けて、それでその委員会は国から一応承認を受けている委員会みたいです。それがいくつもあるみたいですけれども。そこで審査を受けた上で、そこで承認を得られたら、それを厚生労働省が各地方に持っている厚生局というところに、その書類を申請して。で、問題がなければ厚生局の方でそれを受領をして、それを持って初めて患者さんに対しての治療ができるようになると。
そういった書類を作る時には、どういったところでそういった細胞を準備するんですかという風なことも、ちゃんと書き込まなければいけませんから。 そういった加工施設というのがあって、そういうのは病院の中に作っている所もありますが、病院の他にきちんと標準化して作りましょうという時には、国の方から、PMDAという機関がありますけれども、チェックや調査に来て、そういったものを一応作っても良いですよと言う様なですね。施設番号が厚生労働省の方から調査の後支給されて、そういった許可を受けたところで、細胞を確保してNK細胞を作ったり樹状細胞を作ったりと言う様なことを、医療機関から指示を受けて行うと言うことで、治療を進めていくという。
こういった法律に基づいた対応がされていて、一年に一回どういった内容でしたかという報告を、厚生労働省に定期的に報告もあげると。この細胞を使った治療というのは、そのリスクに合わせて3段階に分類されていて 、今大きな話題のIPS とか。それから、遺伝子を改変した細胞とかですね。それから、他人の細胞とか。そういうのは第一種という風なことで。厚生労働省の方の委員会含めて、比較的安全性についてはまだまだ未知の部分が大きいということで、非常に厳しい。詳しいレビューが行われますし。我々もやっていますけれど、間葉系幹細胞という身体の中にある幹細胞。自分自身の幹細胞、ステムセルをですね、増やして、それで身体の中に何らかの病気に対して、通常に戻してあげるということは二種。
それから、免疫細胞については、もう30年近くもずっと医療の世界で行われてきたという風なことで、安全性については大きな問題はないだろうという事で三種という風なカテゴリーで。リスクに合わせた三つのクラスがあって、免疫細胞は安全性は高いだろという事で1番な三種というところに分類されて審査を受けた上で治療に使われてるいうことで。こういった事が背景としてありますので、この法律というのは非常に画期的な法律で、日本ではこういった法律に基づいて細胞医療というのをやれるようになったんですが、海外だとそういった法律がない為に、細胞を使った治療を薬としてしかやらないということで、お薬のレベルまで認められた細胞治療というのがなかなかないので。周りの国を見渡しても、なかなかその法律に則った形で治療を行うことができていないのが現状で。そういった意味では、日本が一番、この細胞療法については、法律に基づいてあるという風なことを先頭を切ってやっていると。この法律は非常に画期的なものだったので、大事に使っていかないといけないなという風に思っています。
《加》 凄いですね。ある意味、日本でしかできないような治療という感じですか。
《照》 そうですね。そういうことがあるので、今海外からこういった細胞治療を受ける為に、たくさん患者さんがいらっしゃるようになってきています。癌抗原をこのヒートショックプロテインが良い形でホールドして、そして、樹状細胞に良い形で食べ込まれるような形になるみたいです。
相武台脳神経外科
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