《 加 》 相武台脳神経科外科の加藤貴弘です。今日は、チャンネルSに、デフレの正体と里山資本主義を書かれた、藻谷浩介さんをお招きしてお話を伺います。当院では、健康を考えていくうえで、まずは体の声を聴き続けましょうという根本的な事に関して、お話しさせて頂いていますけれども。
藻谷さんご自身は、社会に対して元々、私たちはどういった社会を作った方が良いのかという根本的な事に対してのお話を、この2冊の本でさせて頂いているので。結局、社会に対しても体に対しても、言いたいことは一緒なのだという事を、今回のお話しで皆さんにお伝え出来ればなと思います。今日はおそらく、非常に面白いお話しが聞けると思いますので、どうぞ、よろしくお願い致します。
《 藻 》 己の本当のかけがえの無さが。要するに例えば、日本国が自然体で他国との比較にこだわらず、自然体で日本社会に満ちてたり。その上で外国と、自然体で認め合いたいという欲求に、実は日本人の多くはなっているのに。かたや意地を張って、優越しなければだめだと。日本は世界の国に負けているとかの議論をしては、また取り戻すとか騒いでいる。時代遅れで外れているじゃないかと、皆分かっているはずなのですね。
《 加 》 だいぶ、熟してきましたねでも。
《 藻 》 そうでしょう。
《 加 》 木が熟してきてこうなるという。
《 藻 》 そうでしょう。バカじゃないかと普通、分かっていると思うのだけれど。分からない人が、話を元に戻したがって。挙句の果てには、ネットの一部は個我確率で終わっているわけですよ。俺は日本だぞ。他国なんてどうだって良いのだと。ただただ、壁に向かって主張するみたいな。全然、わけがわからないです。要するに、ゴミ屋敷で引きこもるおじさんみたいな事を、言い出しているわけですよ。
そんな事を言わなくたって、自然体で交わって。ちゃんと良い所を、あの人凄いよねと。世界にまたとない社会で素晴らしいと言われているのだから。素直に理解しろよと思いますね。理解しない。理解しないのですよ。
現実にはねしかし、だから、去年ですね。史上最高に、一昨年ですね。日本に来た外国人で一番多かったのが、韓国の人なのですね。去年はたぶん、中国が一番多くなりましたけれど。要するに、国同士がなんか喧嘩とか、許さんとか言っていても、現実では、韓国人や中国人の人が大量に日本に来て、楽しんで帰っているわけですよ。まさに、自然体で言うと、認められてしまっているのですよ。人は面白いからくるのでね。
《 加 》 だから韓国人は、僕も小・中・高と同じクラスに、やはりそういう韓国系の方がいましたけれど。普通に仲良かったですし、いたって普通に良い方でしたね。
《 藻 》 全然、普通ですよね。僕は山口県生まれですがね、韓国系の人なんて、そこら辺に死ぬ程いるのでね。ごく普通に一緒に暮らしているので。というか、山口県人なんて、明治の維新の影響で、皆目が尖っていましてね。皆韓国系なのですよね顔はね、何にしても。そんな、人種的に言うと悪いんだけれど、人種的にはほとんど同じですよね、DNAは。日本人と韓国人と中国人は。
《 加 》 同じだからなんか、いがみ合いみたいになっているのか。
《 藻 》 大筋でいうと。完全に同族で、マレーシア人やインド人とは全然違いますよ。もう激しく同族で言うと。そうですね、まさにセルビア人とボスニア人と、クロアチア人は何が違うのですかみたいな話に、かなり近いですね。かなり近いのだけれど、かつ宗教対立は無いしね。文化的にもかなり統一基盤だし。言うても、その似てるんですけれども。
それともなく、その辺の人達が形では無く、自然でお互いを認め合ってね。韓流が好きな人は韓流が好きだし。日本文化が好きな人は好きという、かなり良い線を行っていたのにね。これまたぶち壊して、お互いに反目し合う世界を取り戻すぞみたいなね。意味が分からない方向に行っているやつがいるわけですよ。
かつ、自然体で認め合っていると、金銭的には日本が儲かるという大変都合が良い状況になっていて。自然体でいっても、彼らが遊びに来て、死ぬ程お金を使ってくれるわけで。日本製品もそうだけれど、韓国製品や中国製品が売れる程、日本の部品が売れるのでね。儲かる仕組みになっているのですね。金銭的にはですよ。別にそうじゃなくても、仲良くしていた方が良いのですけれどね。
兎に角、物凄く恵まれた状況になっているという事がわからない人が、勝手に数字も確認せずに切望して騒ぐ。里山資本主義にも書いてある通り、日本は別に、マネー資本主義の世界でも、全然儲かっているのです。全く壊れていない。日本がダメダメ論がおかしいと。それでも、ダメダメだと言い続けて。
《 加 》 その頭が奴隷化した方々が叫んで頂けるおかげで、この本が相当売れたので。
《 藻 》 ある意味、カウンターパンチなのだけれど。でもね、本当にカウンター原理ですよね。つまり、非常に多くの経済学者からは、無視された。デフレの正体を無視出来なくて。もうけちょんけちょんにけなされて。経済学の世界では、これを言うだけであいつは経済が分かっていないとまでレッテルを貼られる所まで来てしまった。
《 加 》 ただ、やはり現地というか、地道に生きている方は、この本の意味が必ずわかりますよね。
《 藻 》 経済界でこれを否定している人は、実際にはほとんどいないですね。実際には、人口減少の影響は受けるのですね。里山資本主義もそうで、読めばですよ。読めば、そりゃ書いてある事は何にも、もう変な事は書いていないのですけれど。経済学的に、間違ったことは全く何にも書いていないのですけれど。
それどころか、経済学的に言っても日本は全然オーケーで。ましてや、リスクヘッジ的に里山資本主義で、水・食料・燃料がある程度、自給出来るシステムを保険としてちゃんと持っておけば、もう尚のこと強いので。もう精神病も治ってね。もっと自信が出ますよね。はっきり言って誰も否定出来ないことを書いているのですよ。ただね、結果的にはどうなったかと言うと、江戸時代に戻ると言うのか。そんな本を読むなと言って、いきなり読みもせずに否定をする。
《 加 》 それは意味が分かっていないのですよね。
《 藻 》 色々と批判をするブログというのに、自給自足に戻れるわけがないじゃないかと。で、実は、この本の始めの一行目に、何も田舎暮らしをしなさいというのではない。何もブータンになれというのではないと。いきなり、一行目に書いてあるのだけれど。まず、これを読まないという。
そうではなくて別に、お金を使って都会で生きていても良いけれど。保険を買うように、1パーセントでも良いから、物々交換や自給自足をちょっとでも良いから、取り入れる意識を持つ。それすら出来なくても、ちょっとでも良いからお金に換算されない絆を誰かと繋ぐだけで、変わりますよ?ということを、実例でも書いてあるだけなのです。
でも、これが劇的に無視されて。今日、この後もね、都内で講演をするのですけれど。里山資本主義というのは、江戸時代に戻るという事なのでしょうか。著者に聞いてみましょうという講演会の様で。いや、読めよと。どうでも良いから。1ページを最初に読んだら違うと書いてあるのだから、今更俺の方から説明しなければいけないのかと思うのだけれど。これどう思います?里山資本主義と書いてあった瞬間に、江戸時代に戻ると思える人って凄いですよね。
《 加 》 ただ、そういった人はそういった人で良いと思うのですよ、僕自身は。良いと思うというか、そういう風に反対する意見は良いと思うのですけれど。明治維新とかって確か社会開拓100人とかって言われるじゃないですか。100人の方が、結構その武力も含めて転覆させたのですけれど。今の人はやはりその、何か武力的にクーデターを起こすとか、日本ではありえないわけで。社会でもありえないわけで。凄く、大変な環境になっているので。
やはり、今の時代の革命って、やはり上からでは無くて、下から染み入るような革命って、実は変わっちゃっていたみたいな。で、政治家の人だけ、何か変な事を言っていて。実は、ポロリと。かさぶたみたいにポロリと落ちる。
《 藻 》 かさぶたみたいにポロリと落ちる。そういうこと。
《 加 》 そういう感じで良いのかなと思う。
《 藻 》 あの実はね、革命って常にそうなのです。ところが、革命はそうではない革命はね、逆にね、革命の方がかさぶたで落ちるのですよ。例えば、本質は変わらないとかですね。例えば、中国共産革命が典型なのですけれどね。中国史上初めてね、何というか。王朝が交代してはといいうのを示して、民主側が主権になるべきと言って作ったはずが、いつの間にか、王朝と同じことになってしまうというね。要するに、作り続ける革命というのは、誰もかさぶたとして革命が落ちてしまうのですね。だけれども、本当に展化する時というのは、下が変わって上が変わるのですね。かさぶたの様にポロリと落ちますよね。
あと、ガリレオとコペルニクスで言ったら、天動説ね。良くある事で、いつ世の中に浸透したのかというと、地動説の学者が死んだ時。地動説が天動説に変わったのは、結局、天動説を産む学者が死んだ時に変わっているのですね。100年くらいで切り替わってしまうのですね。だから、経済学もそうで、今までのその、慢性した経済学みたいなのを勉強して、人口を計算に一切入れていない人達が、少量跋扈しているし。彼らが学校で今再生産されているのだけれど。申し訳無いのだけれど、正しい事を言っている方が勝つのですね。それは、いつ変わるのかというと、世代交代の時に変わってくるのです。
まさに、里山資本主義もそうで。これはその、日本国がいくらマネーマネーだと経済競争といっても、根底が変わっていなかったんだという事を説明していて、上についたかさぶたが落ちますよということを言っているのですね。このしなやかな日本列島の作り方もそうなんですね。色々なテーマについて、マネー資本的にはこう解釈して、勝手に表面的な事を言っているけれど。内実まで見たら、実はこっちの方が本論で、行くぞっという事を非常に具体的に調べているのですけれどもこの本は。
《 加 》 藻谷さんが、何か反対されればされる程。かさぶたの中の傷は、ちゃんとキレイに治っていっていますので。
《 藻 》 ありがとうございます。それで、やはり世の中自体が、日本というたまたま非常に恵まれた社会に、生まれ育った人には義務がありましてね。その、どういう義務かというと、要するに、金持ちに生まれたボンボンと同じなのですよ。だから、頼むから、金持ちに生まれたボンボンなら、自分が不覚にも不幸だ不幸だと、周り中を巻き込むのは辞めてよと。まず、恵まれている自覚を持ちなさいと。
《 加 》 そうですよね。
《 藻 》 ふざけんなよと。本当に苦しい人から見たら、ふざけるなとしか言いようが無いのですよね。だから、中国にたまたま生まれた人は、13億の人がね。何も悪いことをしたわけではないのに、PM2.5に苦しんでいるわけで。たまたまそういう事をしなくても生きていける、日本で産まれて。別に何が偉いわけでは無いですよ。先祖は、郊外克服したあなたの先祖は偉かったのですけれど。それを、ちゃんと感謝をして生きなさいと。まずは、感謝をしろと。
他人に対して優越しているのでは無くて、たまたま場所が良かっただけだと。さらに言うと、全員に水があると。水自給が出来る列島に偶然生まれていると。これは、偶然に火山が火山列島で、標高が高いもので、そこに季節風が偶然当たるから周りが寒流なもんで、偶然硬水が多いという。極めて偶然のなせる技なのですね。
そういった偶然がなせる技の時に、今たまたまいる事に感謝をして下さいと。水が無いほとんどの地域の人達に比べたらね。で、感謝をしたら、逆に水が無くて苦しんでいる人達の地域の為にも、何か役に立つ事をしようと思えよと。自分一人の事ばかり考えていないでと。
結果的に、そうやって世界の役に立つ色々な物を作って売っていると、自分が儲かってしまうわけですよ。他人に喜ばれながらも、自分も儲かるという。極めて無謀な状況にある事に感謝をしなさいと。感謝と共に、恩返しをして生きなさいよと。日本でまっとうにたまたま立てるだけの経済力がある人達は、そういう事を感謝しろと。
《 加 》 やはり、使命があるわけですよね。
《 藻 》 それは何というか、最低限のお返しとして。そうですよ。で、世界中がやがて日本みたいになっていくと。つまり、うまくいって、水や食料がある程度自給出来て、世界中が日本みたいに少子化してね。人間も逆に貴重化してね。ある程度、環境的にサスティナブルになってくるのですよ。で、そう言ってしまうと、凄く狭くなってきますから。狭くなっていくと、その中に、付き合って喧嘩した人も、ある程度一緒の中でやっていくしか無くなってしまうのですよね。
そういう状況に陥っていく時に、感謝しながら活力があって、ある程度競争しつつも殺し合いをしない社会を作らないといけない。そのモデルって日本なのですよ。だから、そういう物をやはり、先んじて進んでいるのだという事を、日本人は理解をして。そうするとね、暇なので色々な病理は発生するのですよ。返って、心を病む人が増えたりね。暇だから、色々な騒動を作ってみたり。色々な問題が起きるのですよ。
《 加 》 目的を失ってしまったら、わからなくなってしまいますよね。病んでしまう人はいますよね。
《 藻 》 病理が起きるのだけれど、その病理は病理として、ある程度に克服しつつ、最低限に病理を抑えて、その生理的なものが勝つようにね。病理をいかに抑え込める様な、社会を作る実験をですね、日本は任されているので。日本がダメだなら、世界はこの後、発展するにはどうしたら良いのと。発展した末が、日本みたいに崩壊して皆が死にましたというと、やる気無くなってしまうので。ある程度、発展して落ち着いた、定常的な社会にこう持ち込めるよというね、資源も足りないなかで。その目標原理を、世界に提示するのが日本の役割。
逆に、際限なく経済成長を続けるのが世界の目的ですというと、地球環境壊れる。誰が考えたって分かるのですよ。際限なく経済成長して、際限なくお金を稼ぐことが目的だと言うと、そうしたら、明らかに地球はぶっ壊れるのですよ。
それで言うと、勝てた人間は良いけれど、負けた人は死んでいくのですね。そういう事ではなくて。一人ひとりがかけがえのない自分を、それなりに追求出来て。それなりに反映の元に生きていける社会というのを、どう作れるのかという事を日本は目指しているから。
悪いが、アメリカみたいに全員が経済成長を求めて、バブルで崩壊して一から出直しを繰り返して。そういう社会とは違う、定常的に活力のある社会を作るという対抗原理をね、僕らは持たなくてはいけない。
《 加 》 もっと知性的になりたいですね。奴隷の思考回路から。
《 藻 》 奴隷の思考回路を辞めなければいけない。たまたまですね、私が出した本をこう並べて読んで頂くと、そういうわけで同じ事をずっと繰り返して書いていますと。たまたま、今やっているアベノミクスで流行っている金融化がいかにわけのわからない妄想でね。それそんな事しなくても大丈夫ですよというのがこれですし。全ての原点がこれに、ニッポンの地域力なんですけれどもね。とてもこれは、一番読みづらい本だと思うのです。書くのに一番時間がかかりましたし。
《 加 》 でも、分かれていたので。結構、読みやすかったですけれど。
《 藻 》 連載ですからね。これは今からもう、ざっくり10年程前に書いた本なのだけれど。実は、この時に書いていた事は、未だに全く書き直す必要が無いのですね。
《 加 》 この本とこの本、書いている事は、伝わってくるものが全然同じでした。
《 藻 》 ありがとうございます。現状はここからまず一歩も出ていない。これはちなみに、本当にあまり読まれていないのですけれども。読んで下さって、ありがとうございます。こうやって並べて頂いて嬉しいです。もう僕は本はほとんど書かないので。日々、講演をしていて。年間、600回くらい講演に出演しているのですけれど。今後、またポツポツト書きますけれどね。
それを読んで頂くと分かるのは、私が言っている事は正しい。私が言っている事が偉いのでは無くて、何のことはない。この本を読んだ人が多くが思うのが、あ、私がやっていた事は間違っていなかった。と、思うはずなのです。推理小説の一番凄いのは、あぁ、自分が犯人だったと思わせるのが一番凄いと昔から言われていますけれど。私の本というか書いている事というのは、読んだ人が、あぁ、自分がやっていた事は決して間違っていなかった。もうちょっとこっちの方向に行って楽しむぞ、頑張るぞと思って頂けるはずなのです。
《 加 》 認めてもらえる本ですね。
《 藻 》 そうです。要は認めているはずです。そうだったと。
《 加 》 本物を求めてもらえるのですね。
《 藻 》 もっとこっちに行くぞと、思うはずです。一人でも多くの人が、興味を持って頂けたらありがたいと思います。今日は、本当にありがとうございました。
《 加 》 ありがとうございました。遠い所を。いかがだったでしょうか。今日は、藻谷浩介さんをお招きしてお話を伺ったのですが、非常に貴重なお話を頂きました。皆様の何かお役に立てればと思います。どうぞ、宜しくお願い致します。
相武台脳神経外科
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