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第1回 頭痛医療の盲点

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 私は相武台脳神経外科の加藤貴弘と言います。今回は、これだけは知っておきたい頭痛のことということで、第1日目になりますね。私が最初に、頭痛診療を言ったメールセミナーで取り上げた大きな理由の一つはこちらですね。日本の頭痛診療に関して、大きな盲点、医療者側にしても受ける患者さん側にしても大きな盲点があるとすごく感じているからです。それと盲点に関して、詳しくお伝えします。

 これはファイザーさんから頂いたスライドなんですが、まず従来と言っても、今もこういった頭痛診療されている方や場所が多いとは思うんですが、まずその医学が発達していく上で、まずその医療者と言うか、医学を携わている人たちの最大の関心事項は、病院にいらっしゃる患者さんの命を助けるって事でした。で、頭痛で患者さんがいらして、僕らはまず何考えるかって言うと、怖い頭痛じゃないんじゃないかどうかということをすごく強く感じます。怖い頭痛だったら命に関わりますので、再度頭痛と言っていらした場合は、すごく緊張感をもって対応させて頂いてるんですが、それで今までの頭痛診療っていうのはですね、こうやって書いてますように、この二次性頭痛って言うのですね、命に関わる頭痛。
例えば、脳出血からくる頭痛や脳腫瘍からくる頭痛。あるいは髄膜炎とかばい菌が入って、ばい菌ウィルスが入って感染症からくる頭痛などの、頭痛かどうか、そうじゃないかどうかということを見つけることの違いに集中してですね。ようするに、怖いものじゃない頭痛に対しての治療にあまり目が向いてなかった面が、傾向があったわけです。

 ただこれからは、今現在そういったことが言っていられない事態になってきました。IT化が進むにつれて,パソコンに携わるお仕事の人はかなりストレスフルな社会で色々体にかかってくるストレス、たえものが悪かったり空気が悪かったりしますので、そこで自律神経の変調ということが出てきますので、そういった意味で後偏頭痛って言う患者さんや偏頭痛を患っている患者さんというのが爆発的に今増えている状況で、それが日本の経済に与える影響というのが無視できなくなってきています。

 それ以前にもですね、患者さんご自身の生活レベルを改善させていく、快適に過ごすという意味でも、これからの医療やその診療所の役割としては、きちんとこう言った片頭痛に代表するような一時性、命に関わらないような頭痛に対してもきちんと対応していくことが重要であると考えて、今回メールセミナーを作らせていただきました。

 今までの頭痛診療の流れを、このスライドで少し書いているんですが、まず片頭痛発作があった場合受診します。で、先ほど言いましたように、怖い二次性頭痛かどうかというのをまず私たちは調べようとするんですね。何を使って調べるのかと言うと、具体的には CT MRI。 ほとんどの場合 MRI ですけども、そういった機械を使って怖いものじゃないかということをまずは見極めさせていただいて、もし怖いものであったらすぐ専門的治療や専門病院に搬送するような体制をとっております。で、受診して救急外来でその怖い頭痛じゃないって言うのを、MRI CT で指定された場合ですね、途端に今までの利用者、医療従事者の傾向として、緊張感が一気に抜けてしまって、怖い頭痛じゃない、命に関わる頭痛じゃないんだということで、患者さんに鎮痛薬だけ持ってもらってですね、治療する必要ありませんよってもしかしたら言うかもしれないですけど、そこで、持って帰ってもらって、ただあまり帰ってその鎮痛薬飲んでもたいして効かないと、そういう風なことを繰り返しているうちにだんだん病院に対して不信感っていうか、あまり頼ろうという気持ちになれずに、市販薬で済まそうという人がかなり多くなってきている。それで新たにできている問題が、薬物の乱用性の頭痛って問題も新たに出てきてますので、そういった点に関してもまたおいおい話しをさせて頂こうかなと思っております。

 ここでポイントなんですけど、もう本当に病院行っても治んないんじゃないかと思ってる人が今の頭痛患者さんの大半だと思うんですが、もうすでに56年も前なんですけども、国際頭痛学会っていうのが京都で開かれました。2005年、そこで宣言されていることをこのサイトで出しているんですが、一番目の文章をきちんと読んで頂きたいんですが、日本国民に対して頭痛が治療可能でかつ治療しなければいけない、治療が必要な病気であるということを認識を確立しなければいけないっていうことを宣言してます。

 まずは、頭痛が治療可能な病気だっていう事を皆さんよくご理解頂いて、しかもほっておくといろんな脳卒中であるとか、胃潰瘍であるとか胃がんであるとか、いろんな弊害が出てくることがありますので、逆に直さなきゃいけない病気だってことも強くこのセミナーを通して言いたいなと思います。で、ここで皆さんにお願いしたいんですけども、まず目を閉じてですね、想像してください。おそらく偏頭痛で苦しんでる方っていうのは、かなりお若い方が多いんじゃないかなと。若い30代40代とか、お仕事働き盛りの方が多いんじゃないかなと思いますけども、今は医学が進歩してますんで、平均寿命はかなり伸びてきています。ですので、これから何十年とまだ人生があります。そのすごく長い人生の中、今の頭痛。さらにどんどん悪くなっていく頭痛。これがずっと続くような人生がいいのか。定期的に苦しむ、頭痛に苦しむ人生がいいのか。あるいは、これから何十年と続く人生を、頭痛が解放されて快適で自分がやりたいことに集中できる人生が良いのか。今、目を閉じてしっかりと想像していただきたいなと思います。

 もう一度言いますけども、頭痛は治療しなければいけなくて、治療可能な病気でありますので、是非治療し克服するための一歩っというかですね、一つ足を踏み出していただきたいなと思います。今日は、第1日目頭痛に関してのスタートラインとして、今現状頭痛治療がどういった形になってるのかっていうのを伝えさせていただきました。じゃあ、明日以降頭痛診療で大切なことから順次お伝えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。今日はどうもありがとうございました 。

相武台脳神経外科
頭痛、めまい、耳鳴り、海老名、厚木、新百合ヶ丘

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