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channelS第一回 さかもとはるゆきさん3

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《 坂 》 コミュニケーションと思ったのも、僕は太極拳をやっていたからだと思うんですけれど。ゆっくり動くじゃないですか?そうすると、思ってもいない動きを体は勝手にするんですね。

《 加 》 なぜですか?

《 坂 》 そうですね。例えば、止まってやる気功というのをやりましたけど、自分ではこの形をやっているつもりだけど、鏡で見ると全然違っていたりとかしますよね。止まっている形でさえ。で、動いてみると、ひどいもんですよ。こっちの手が、右手、左手、右足、左足、バラバラの動きをしますから。そうするとですね、こっちに意識していれば、こっちは何をやっているか分からないんですよ。で、足の方を気にすると、こっちの方が留守になって。とんでもない事になっているんです。だから、思っている事と、言っている事と、やっている事って全部違うんですよ。言行一致とかって言うのは…

《 加 》 思っている事と、言っている事と、やっている事が全部違うんですね。

《 坂 》 言行一致とか言いますけれど、難しいじゃないですか。

《 加 》 はい、確かに。

《 坂 》 でも、考えている事をさらにそれに一致させようと思うと、全然ぐしゃぐしゃですよ。で、自分の体でそれを感じるのと、指導をし始めるとそれはもう、相手の生徒さんを見るとですね、本当にしっちゃかめっちゃかなんですね。右手肩の前ですよ、左手膝の横ですよと言っても、こっちが直るとこっちがこう。こっちを押すとこっちも出てくるみたいな。で、本人はやっていると思っているんです。で、ある程度体に意識を向けていかないと、右手がここにあるよって事さえ、分からないんですね。

《 加 》 そうですね。

《 坂 》 それだけ、自分のこう一番大事なパートナーなのに、本当にこう使い方知らないんですよ。使い方を知れば、本当にこれは素晴らしい存在ですよね。

《 加 》 そうですよね。それって別に難しい事ではなくて、ちょっとした事なんですけれど、そのちょっとした事に気が付いている人って凄く少ないですよね。

《 坂 》 少ないですね。

《 加 》 それって、結構面白いですよね。面白いってちょっと語弊があるんですけれど。本当にちょっとした事で体が変わるのに、そういう事に気付いている人って凄く少ないなっていう印象を受けますね。

《 坂 》 本当に少ないですね。僕が興味を持ったのは経営者さん。あんなにシャープで、色々な事を気にして、特にビジネスの事に対しては何にも見落とさない様にしている方々は、自分の体の事になると全然意識していないんですね。

《 加 》 結構、面白いと思っていて。そこに楽しい所が凄く発掘できるんじゃないかなと思うんですけれど。

《 坂 》 そこに気付いて頂くと、全然そのビジネス自体も変わってくるし、プライベートなあり方も変わってくるし。非情に面白いですね。

《 加 》 私が診療させて頂いて、意外に普通に生活されていて、皆さんが困っているというか悩まれていると言うのが、夜にぐっすり眠れない。実際、お仕事が忙しくて睡眠時間が短かったり。あるいは、夜勤とかバランスが狂ったりしているという例もあるのですが、普通のリズムでも、夜に眠れないとか。ちょっと満足感が得られないって方が、意外と多いなと思っていますけれど。坂本先生の場合、睡眠に関しての本を書いていらしたので、その太極拳と外れるんですが、睡眠に関してももしよろしかったら一言、ご指導頂けたらと思います。

《 坂 》 睡眠はですね、実は太極拳と関りがあってですね。まずですね、一般的に例えば、夜の10時から2時の間にちゃんと睡眠を取ったほうが良いとか。その時間は、寝なさいとか。日中、ちゃんと日に当たるとか。そういう一般的な事はもちろんなんですけれども。なかなかその、先程の経営者さんの話で言うと、睡眠時間自体を長くしろとかこの時間にしろとか、難しいんですよね。じゃあ、現実的にやるにはどうしたら良いかっていう時に、姿勢をまず考えたんです。

 太極拳で言うとですね、姿勢というのは状態が真っすぐが理想的なんですね。で、腰から下はクッションになっているという形で、背骨を真っすぐだって言うのが圧倒的な考えなんですけれど。西洋的な考え方だと、背骨はS字なんですよね。まったく違うんですけれど。で、これが、寝ている状態でも実はそうで。普通は、良くベッドのコマーシャルなんかで、S字の背骨にちゃんと当たるって言っていますけれど、僕は一番、緊張が取れた状態は、背骨が真っすぐな状態だと思っているんですよ。

 実際に、そのサロンの方に施術に来られる方も、全部緊張が取れるんですね。背中がぴったりベットにつくんですね。膝も腰も首も浮かずに、本当にぴったりにくっつくんです。だら~んとくっつきます。で、その状態が一番、精神的にも緊張が取れた状態なんです。じゃあ、その状態を逆に言うと、その状態を作ってあげれば、睡眠というのは深く取れるんですね。で、これは寝姿勢なんですけれども、寝姿勢ってストレス度の度合いを表しているんですね。

《 加 》 寝姿勢がストレスの度合いを表しているんですね。

《 坂 》 一番緊張が取れた状態というのが、ヨガでいう死体のポーズというのがあるんですけれど。仰向けに寝て、こういう風になった。大の字ではないんですけれどね。手の平を上に向いて、肩も楽になって。つま先もちょっと開く。これが一番、緊張が取れた状態。で、緊張が段々高まってくると、こうなってきます。スルメをあぶったみたいにこう。肩が緊張するのでこうなってきますね。で、段々とこうなってきます。そうすると、辛くなるので、横向きになります。さらに緊張が高まると、うつ伏せになります。で、これはもう、動物として当たり前な事なんですね。普通の動物ってこう、寝る時ってうつ伏せですよね?ライオンでさえ、うつ伏せですよね。

《 加 》 そう言われてみると、そうですね。

《 坂 》 ですよね。で、ライオンは一応、食物連鎖の頂点で強いはずだけれど、でも、うつ伏せですよね。で、シマウマとか食べられる側はもう、立ったまま寝ますよね。ですから、うつ伏せになっている状態というのは、一番緊張度が高いんです。生命の危険を感じている状態と言っても良いんですね。

《 加 》 なるほど。僕いつもうつ伏せですね。

《 坂 》 そうなんですよ。生命の危険は無いんですけれどね。

《 加 》 生命の危険は無いんですけれど。

《 坂 》 それくらいストレスを受けているという事ですよね。で、段々とストレスが取れてくると、横向きになって仰向けになってくるんですけれども。ですので、寝姿勢をまずお聞きして、じゃあ、どういう状態になってまずは寝ているか聞いて。その状態で、より楽に眠れるにはどうしたら良いかという指導をするのが、僕の睡眠の基本的な指導法になります。

 もう単純で、例えば、仰向けでしたら、仰向けで寝られる方もこうなっている場合とかね、膝が浮いているとか。色々な所がこうベッドから浮いている所がありますね。で、そこにサポートを入れてあげると、自分でこう持ち上げている部分をサポートするクッションが、そこを肩代わりしてくれると、緊張が取れるんですね。それだけで、だいぶ全然違います。ほとんどの方、仰向けで寝てらっしゃって、でも全然、寝起きが悪いとかっていう方は、そのサポートをするだけでほとんど変わります。翌日、全然違いますね。

《 加 》 それは枕であったり、膝だったり腰だったりするわけですか?

《 坂 》 そうですね。で、そういうことで言うと、さっき背骨が真っすぐっていう話をしましたけれど、枕というのは先生されていますか?

《 加 》 僕は、もちろんしています。

《 坂 》 なんでしているんですか?

《 加 》 あった方が、30年間ずっとしていましたし。あった方が、眠れるような気がします。

《 坂 》 なるほど、なるほど。うつ伏せで枕ってどういう風にしています?

《 加 》 うつ伏せの時は、枕は薄いんですけれど、普通に横向きですかね。

《 坂 》 たぶん、この辺にちょっと入れられていたりしません?

《 加 》 そうですね。首の下とか、はい。

《 坂 》 なぜかと言うと、何にもなくてこううつ伏せになっていると辛いので、そこに自然と枕を自分でやっているんですね。仰向けでもそうなんですけれど、例えば、立っている姿勢で猫背の方は、寝ていてもこうですよね?なので、その部分をサポートするのに枕が必要ですけれど、立っている時に真っすぐな方は、寝ている時に枕をすると、かえって苦しいんですよ。でも、たいていの方は、枕が合わないと考えるんです。

《 加 》 必要ないんですか?

《 坂 》本当は必要ない方もいますね。枕ありきで考えるから、この枕じゃダメ、材質が違うんだろうとか。高い枕はいっぱいありますから。

《 加 》 枕で悩まれている方って多いんですよね?

《 坂 》多いですよ。それだけでね、一つ外来が出来ているくらいですから。

《 加 》 そうですよね。

《 坂 》たいていの方は、その姿勢を見てあげて、まず枕よりも、大体そういう方は腰が辛かったり膝が浮いていたりするので、その膝のサポートをしてあげると、首の緊張が抜けるんですね。そうすると、枕も半分くらいの薄さになります。さらにもっと、緊張を取ると、もっといらなくなるんですね。で、背骨が真っ直ぐになる状態を作ってあげると。

《 加 》 その緊張というのは、日々の太極拳とかトリガー・アプローチでやっていくという?

《 坂 》一番早いのは、睡眠を変えること、睡眠の質を上げる事です。

《 加 》 あ、もうそれで、緊張が取れてくるということですね。

《 坂 》その方の今、その状態の中での最高の寝方をして頂ければ、結局、寝ている間に代謝も高まりますし、細胞の修復も行われるし。もっと大事なのは、脳の情報収集も整理も行われますよね。

《 加 》 じゃあ、今の状態で眠る方法を変えるだけで、改善されていくという。

《 坂 》まずはそこからですね。

《 加 》 そうやってスタートで?

《 坂 》スタートです。そこは、経営者さんにはそういう風にやっていかないと、毎週太極拳の練習をして下さいと言っても無理ですので。

《 加 》 時間が無いですよね。

《 坂 》まず、毎日必ず寝ますからね。短い時間といっても、4、5時間だとしても寝ますので、そのクオリティーをどう変えるかが非常に大事です。

《 加 》 凄く現実的ですね。

《 坂 》現実的ですね。後はもっと言うとですね、その方に合った寝具、寝室環境も本当はそうなんですけれど。寝具を選ぶだけで、それと同じ状態が作れるんです。どれだけ、その自分に合わない寝具で寝ているか。好みだけで選んじゃうとか、ベットメーカーさんなんかも、どのベッドマットが先生に良いかとかってわからないですね。でも、寝て頂くと、その方にぴったりな風に寝て頂くと、全然寝姿勢が変わるんです。さき言ったこの、一番リラックスした状態になるんですけれど。それを見る目があれば、ご自身で選べるんですけれど、たいていの方は無いので。

《 加 》 そういったお話しを本の中でされているんですね。

《 坂 》そうですね。

《 加 》 じゃあ、ちょっと勉強させて頂きますね。

《 坂 》まずは、健康にしてもそうですし、お体の事に意識を向けるのも、寝る時間をそれに当てるというのが一番効率的なんですね。

《 加 》 そうですよね。普段は、凄く忙しく働かれているので、寝ている時間からスタートですね、なるほど。じゃ、そこから変えていける、質も良くなれば好循環に持っていけるという事ですね。

《 坂 》そうです。ベッドの中に入った時に、ちょっと自分の姿勢を確かめて、今日はちょっとこの辺が緊張しているから、ここにサポートをしようと思うと、これは体とのコミュニケーションですよね。

《 加 》 ちょっと言わせて頂くと、CT スキャンといったイメージがありますね。

《 坂 》こう体を見ていくというのはそうですし。睡眠に一番必要なのって、日中のオンモードからオフモードに切り替える事なんですよ。

《 加 》 日中のオンモードからオフモードに。

《 坂 》で、たいていの場合、今の生活だと、テレビを見たりだとかパソコン作業をやって寝ますよね?頭の中はオンのままで、結局睡眠の質も悪くなってしまう。ですから、それをオフにするのに例えば、お風呂に入りましょうとか、リラックスして運動しましょうと言っても出来ないですよね。ただ、寝床に入ってから、ちょっと楽に寝るにはどうしたら良いかって工夫する事で、自然にね、オフモードに切り替わる。尚且つ、睡眠の寝方の質が変わってくるので、翌朝も全然変わってくると。

《 加 》 ちょっとその寝る前の意識、オフに持っていくという意識ですね。

《 坂 》そうですね。

《 加 》 そういうことを、まずは手始めにしていくと。

《 坂 》そうですね。そうすると、自分の体が何を言っているのか段々聞ける様になっていきますので。

《 加 》 体が何を言っているのか聞けるようになるんですね。

《 坂 》なります。今日は、右肩が緊張しているとか、そういうのに段々と気付くようになると、じゃあ、その日中に何があったかって思い出すんですね。そうすると、必ずその肩を緊張させる状況があるんです。例えば、あの人と話したからこうなったとかね。他の状況ではこっちに力が入るとか、段々わかってきますね。シグナルいっぱい出してくれていますから、そういうのは自然に分かるようになると、日中でそのストレスも受けなくなる。

《 加 》 それは体の、相対し方が分かるんですね。

《 坂 》分かるんですね。

《 加 》 なるほど。今日は、坂本はるゆきさんに、太極拳の全般的な事と、坂本先生の今の活動と、最後に、睡眠に関して興味深いお話しを聞かせて頂きました。どうも、ありがとうございました。

《 坂 》ありがとうございました。

相武台脳神経外科
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