医療 里山資本主義

スタッフと院長のやりとり備忘録 - 感染症専門医と政治的判断が相性が良さそうで、非常に悪い理由の個人的考察 –

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<スタッフと院長のやりとり備忘録>

スタッフ:


♪ポッドキャスト 診察室 延長戦 -相武台脳神経外科- 現代日本社会はフィクションである!?「里山資本主義」 藻谷浩介さん 第1回
【2015年6月4日 現代日本社会はフィクションである「里山資本主義」藻谷浩介氏第1回 チャンネルSを視聴して】

何のために稼ぐのかという目標を蔑ろにして本来なら手段である稼ぐ事自体が目標になってしまっているという現状について指摘があった続きとして、何のために命を助けるのかという視点が果たして医療従事者にあるだろうかという投げかけがありました。

人の命を救うことは最優先事項だという空気感が当たり前のようにあるようですし、そう考えて行動の判断をすることは思考的には楽な気がします。

社会にとって有益な人物と無益さらには悪益な人物を目の前にしてどちらか一方を優先しなければならない状況にあれば、何のために命を助けるのかという視点に向き合うことを余儀なくされそうです。

スウェーデンでは確か80歳(歳はあやふやですが)までの患者なら丁寧に治療するけれど、それを過ぎると基本的には治療せず見守るだけの体制にするようです。

社会に対する貢献度や治療に要する手間暇を天秤にかける基準にしているわけですが、国民はそういうものだと受け入れているし幸福度も高いと評価されているのですから注目に値します。

何のために命を助けるのかという命題に向き合う姿勢は 医療従事者だけでなく皆が持つことが大切なようです。

回答:
脳神経外科の研修医時代、アメリカの教科書に書いてあったのですが、神経外科医の役割は、植物人間をなるべくつくらないということも一つの役割と書かれてありました。

脳卒中であれ、頭部外傷であれ、なんとしてでも命を助けたいと、どんな状況でも頑張って手術すると、植物人間は増えます。

「手術しても、植物状態の可能性が高い、それでも手術を希望されますか?」という問いを家族が緊急事態のときに、家族に問うのは、非常に残酷です。

ただ、やはり現実はいわなくてはいけない。手術しないという選択をご家族がされて、一晩中、小さな男の子がお父さんのそばで泣いていた状況は、とてもいたたまれないものでした。

その点、感染症医は、担当の患者さんを持つことが少なく、病院の医師からの感染症対策の相談の仕事をすることがおおくて、ある意味、悪い細菌、ウィルスを コントロールして、さらに医療コストを削減するという  目標が、はっきりしていてなんのためにという目標が具体的で、わかりやすく、その意味ではあまり思考を使わなくてもよい領域なのかもしれません。

そのため、さらに抽象度が高い「なんのための医療か」ということになると、そこはいままで全く考えたことがないため、存在すら理解できない場合がおおく、ということはつまり、政治的な判断と非常に相性わるい 専門家が多い医療の領域かもしれません。

相武台脳神経外科
頭痛、めまい、耳鳴り、海老名、厚木、新百合ヶ丘

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