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人間は「生き物」である。食育アドバイザー大塚貢先生 第2回

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《 加 》 こんにちは。相武台脳神経科外科の加藤貴弘です。今回は、ちゃんねる S のゲストに、診療所まで、大塚貢先生にお越し頂いて、お話を頂きます。

 長野とかは蕎麦とかがあて、健康に良い食材がいっぱいありそうなイメージはあるのですけれど。

《 大 》 しかし、それがどんどん色々な面で、いわゆるファーストフード的な輸入食材を中心にしたものに変わってきているのですね。

《 加 》 長野でも?

《 大 》 どうしてそういう風になってきているのかと言うと、やはり長野県の物を食べなくなってきたのですね。だから、農地の荒廃率は、長野県は鹿児島に次いで二番目です。結局、どんどんどんどん手っ取り早いファーストフード的な物やコンビニ弁当的な物を食べる様な事が多くなってきて。結局、長野県で作った物がそんなに食べなくなってきている。はっきりと、農地の荒廃率に出てきていますね。

《 加 》 農地がだいぶ余っているのですか?余っているというか、荒れてしまっているのですか?

《 大 》 荒れてきてしまっているのですね。

《 加 》 もったいないですね。

《 大 》 荒廃率では、鹿児島に次いで全国二位です。まぁ、このままでいったら、結局、日本の物を食べなくなってきている。そして、農地が荒れていく大きな原因にもなってきている。

《 加 》 先日、ロシアに行ったのですけれど、ロシアの男性の平均寿命って60代なんですよ。ロシアの大人の方って、自分が長寿になりたいという意識が凄く強くて、そこで注目されているのが日本食なんですよね。ロシアの人たちの中で、日本食って凄く尊敬されていて、海外では日本食というのは見直されているのですけれど。現実、日本に入ってくるとあまりその大切さというのを、きちんと意識されていない部分があるのですかね。

《 大 》 そうですね。先生がおっしゃった様に、昨年ね、日本の和食がユネスコの無形文化遺産にね、登録されたのですよね。だから、実際問題として日本の和食という物がね、今、どれだけ日本の家庭でね、実践しているか、食べているのか。もうほとんどの家庭がね、食べなくなってしまっているじゃないですか。

 というのはね、一番はっきりでてきているのは、和食の中心は米ですよね。米の消費量が1961年には、一人当たり117キロ一年に消費してたのです。ところが現在は、もう59キロですね。半分以下になってしまっていると。そして、じゃあ、何が増えてきているのかというと、畜産物はですね、1960年の時には、大体3.9パーセント。ところが現在は、15.8パーセントですね。約4倍近くに増えてきてしまっていると。肉類ですよね、肉類が。

 それから、脂の消費が、1960年の頃は4.6パーセントだったのです。今は13.6パーセントになってきてしまっている。これも、3.5倍くらいに増えてきてしまっているのですよね。この結果が、いわゆる糖尿上になる。あるいは、心臓疾患になり。コレステロール、高脂血症ですね。それから、脳の脳血栓。脳梗塞になっていく。結局、和食がほとんど洋食化されてきている。そこが一番、今の高校生の40パーセント以上の生活習慣病予備軍になってきてしまっている、大きな原因では無いですかね。

 去年の10月に厚生労働省から、発表になったのですがね。65歳以上で認知症になっている方、462万人ですね。462万人。で、予備軍が400万人だって。もう凄い数で、認知症になってきているのですよね。それで、その原因がなぜあるかというと、その厚生労働省の発表では、一つは糖尿病ですね。それから、高脂血症、高コレステロール。そして、高血圧。いわゆる成人病ですね。成人病から認知症になっていくと。

 もう一つはさっきお話しした様に、癌ですよね。日本人の二人に一人が癌になっていますと。そのうち、三人に一人が癌で死んでいますと、出ていますね。成人病ですよね。こんなにしかし癌になって、こんなに癌になって死んでいるのかと思うのですがね。しかし、これは国の調査での発表だからね。かなり、角度は高いと思う。だから、こういう様な癌になる可能性も非常に高いですね、今の若い人達。

 
 今、この中学生や高校生がこんな状態になってきている。今、親がね、もっと自分の子どもに対して本当に責任を持っていかなければ。やがて、この親達が年金生活になった時に、自分の子どもが成人病になる確率が非常に高いと。その面倒を、年金生活に入った親達がみなければならなくなってくるのですよね。それを、今の親達は、自分が食べたい物を食べる。子どもにも食べたい物を食べさせる。そういう生活をしていた結果の悲劇は、やがて自分にも降りかかってくるのですよね。それから、さっき言ったように、自分も癌になる。あるいは、自分も認知症になっていく。その可能性が非常に、この統計から見てもはっきり言えると思うのですよね。

《 加 》 何か大切な物と大切じゃ無い物というのが、わからなくなってきてしまっている所があったりとかして。

《 大 》 そうなのですよね。

《 加 》 うちに来て頂いている患者さん、小さい子どもさんが多いのですよ。小学生の低学年とか、片頭痛で来られているのですけれど。良くお話を聞くと、勉強が出来なくて自分が辛い思いをしたから、子どもには勉強をきちんと教えて塾も行かせて、色々な習い事もさせてという事で、小学校一、二年生から、6時間も勉強をさせていると。で、とうの子供は、頭が痛い、頭が痛いともだいていて、毎日毎日。

 でも、そのお母さんともお話をしたのですけれど、基本的に子供さんって、健康で元気に育てば、やはり後から勉強をしたら何でもなれるわけであって。ちょっと小学校の時に勉強をして頭が良くなっても、中学に入ってから、それこそ非行に走ってしまったり。体調を崩して非行になってしまったり入院してしまったりしたら、何にもならないですから。目先の事では無くて、もっと何が大切かというのをある程度捉えてほしいのですけれど。人間って、ちゃんと生き物だという事を忘れてしまっている所がある様な気がするのですよね。

《 大 》 いや、そうですよね。

《 加 》 人間の感覚って僕自身、普段の生活でどんどん感覚がにぶってくると思うのですね。自然で生活をしていなくて、こういう都会で暮らしているとにぶってくると思うのですけれど。例えばその、普段の生活の中で添加物が多い商品だったり、健康に悪い食品だったりというのを毎日食べていると、それが美味しいという風に自分に刷り込まれてしまうと、本当は体自身はそれを欲していないのに、それが美味しいという感覚になっていってしまうので、それが恐いですね。

 本当に何というか、ある程度健康な状態の感覚というのは、自然に食べたい物が健康に良い物になっていくはずなのですけれど。今、食べたいものがちょっとそういうジャンクフードになってしまっているというのが、やはり感覚が落ちて病んでしまっているのが、悪い方向にずっと行ってしまっているというのは思いますね。感覚が良ければ、食べたい物が健康に良い物なのですよ。実際、色々な問題があるのですけれど、ただ単純にちょっと勘違いしているだけなのになぁというのは凄くある。ただ単に人間って普通に生き物だから、きちんと地に足を着けて生きれば、ほとんどの問題が無くなるのになっていうのはありますけれどね。

《 大 》 いや、その通りだと思うのです。私が取り組んできた事から言ってもね、言えると思います。話は変わりますが、私は荒れた学校へのね、着任が多かったのですよね。荒れた学校への赴任で、その原因がほとんど、先生たちの授業に問題があるという事で、思っていたのですよね。で、私は平成4年に1200人弱の学校へ赴任したのです。まぁ、荒れておりました。県でも一番大規校の一つですからね。中央廊下で初めての光景が、バイクですね。

《 加 》 中学生ですか?バイク?

《 大 》 中学生です。それで、キュッキュッとやるからね、タイヤ痕が廊下についているのですよね、焼ついてね。まぁ、赴任してみてみっともないですよね。バイクのタイヤ痕が廊下についているなんてね、中央廊下に。まぁ、これを何とか落とそうと思って、金ベラやシンナーを使ってやるのですが、落ちないですよね。それで、タバコは無数に落ちている。非行犯罪は毎日の様に起きる。

 そして、不登校はね、60人から。まぁ、変化していますが70人くらいいるのですよね。その対応で先生達も疲れてしまって、5、6人くらいは不登校の先生達もいますね。不登校の先生がでれば、その代わりは来ないのですよね。だから、他の先生がその不登校の先生の授業を持たなければならない。他の先生も疲れてしまう。だから、悪循環なのですよね。

《 加 》 悪循環に入っているのですね。

《 大 》 それでね、何とかこれをしなければと思って、私は赴任するとすぐ、全員の先生の授業を観る。やはりね、素晴らしい授業をやってくれている先生も大勢います。ところが中には、教科書を片手に端から読ませて難しい所もあれば、説明しているだけの先生もいますよね。それで、私は先生達にね、わかる、出来る、兎に角楽しい授業をやってくれと。まぁ、分からないやらない先生に対してはもう、80人程教職はいましたからね。名前を挙げて、授業の具体論をあげて、こんな授業をやっていて良いのかと。改善改革を訴えたと。それで、やはり心ある先生が大勢いますからね、私が観てもね、吸い込まれる様な授業になってきた。 

《 加 》 それは、赴任されてから何年くらい、どれくらいの時間ですか?

《 大 》 もう、半年くらいからですね。

《 加 》 半年でそんなに。

《 大 》 やはり変わってきたのですよね。タバコは少なくなってきた。こういう姿勢の子どもがこういう風になってきた。で、授業は教室から抜け出す子が少なくなってきた。非行も減ってきた。不登校も減ってきた。やはり、はっきり見えてきたのですね。

 ところが、私からみれば、これだけ先生達が努力して、これだけの素晴らしい授業を全員の先生達がやってくれるようになったと。でもまだ、非行が起こる。不登校がまだかなりいる。キレる。学習に無気力な子がまだいる。これは、先生達の責任では無いのではないのかと。私は初めから先生達のね、授業に問題があるという風にみていたのですが。もうこれだけ、80人くらいいる先生達がね、これだけ本気になってやって。私がみても凄く素晴らしい授業になってきていると。でも、その結果がね、まだまだ問題があると。分からなかったですよね。どこに問題があるのか。

 陸上競技大会とか水泳大会とか。その時に見たのが、コンビニ弁当を食べている子、カップラーメンを食べている子ね。それから、菓子パンを食べている子。そして、菓子パンを食べている子は、ジュースを飲んでいるのですよね。それで、パックを見せてもらうと、オレンジジュースなどは、果汁が1パーセントか3パーセントで、ほとんどがオレンジの香料。だいだ色の香料ですね。それから、オレンジの着色料。それから、合成甘味料。合成保存料もね。そういう物が入っている。みんな化学薬品ですよね。君、これを毎日飲んでいるの?って聞いたら、毎日の様に飲んでいると言う。いやぁ。これじゃ無いのかなと思ったのですね。

 そして、その子の名前を記録しておいて、職員会にかけたの。ほとんどの子がキレる、いじめる、学習に無気力。非行犯罪を起こす。不登校気味。何かに該当する子が多いですね。いやぁ、これは食だなと。まだ平成4年の頃だから、食なんてね、考える事では無いのです。兎に角、美味しくてカロリーがあれば、もう何でも良かったのです。

 それで、食の調査をしたのですよ。朝、食べる時間ね。休みの日はお昼に何を食べるか。夜は何を食べるか。食べる時間。みんな記録して、そこに含まれている物をみんな記録していったのですよね。

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