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日本人の議論はほぼ妄想から。「里山資本主義」藻谷浩介さん第2回

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《 加 》    相武台脳神経科外科の加藤貴弘です。今日は、チャンネルSに、デフレの正体と里山資本主義を書かれた、藻谷浩介さんをお招きしてお話を伺います。当院では、健康を考えていくうえで、まずは体の声を聴き続けましょうという根本的な事に関して、お話しさせて頂いていますけれども。

 藻谷さんご自身は、社会に対して元々、私たちはどういった社会を作った方が良いのかという根本的な事に対してのお話を、この2冊の本でさせて頂いているので。結局、社会に対しても体に対しても、言いたいことは一緒なのだという事を、今回のお話しで皆さんにお伝え出来ればなと思います。今日はおそらく、非常に面白いお話しが聞けると思いますので、どうぞ、よろしくお願い致します。

《 藻 》     この里山資本主義という本では、あなたが何をしようと勝手だし、弁護士でも医者でも、官僚でも良いのですけれど、やるのはそうとして、本来は生き物なので。食い物と水とエネルギーくらいは、ある程度、自分で調達出来る道をそれなりに持っておいて。何かあった時に備えるくらいの事をしておいた方が、安心して生きられるでしょうという事を、書いてあるのですね。

 それに対してね、いわゆる批判というのがあるのですよ。正確に言うと、あるやり聞いていると。私は実は、ネットを見ないので。ネットにいっぱいあるらしいのですが、あるぞというのを間接的に人から聞くだけなのですよ。それで、目には触れるし、間接的に批判みたいなものは偶然、新聞とか雑誌を見る事もあると。

 非常に多い批判というかあれなのは、原初的な危惧というのですか。皆が里山に入って耕しだしたら、国際競争はどうなるのだろうといった事を書かれるのです。

《 加 》    そもそも、国際競争が何の為にやっていたかという。

《 藻 》     そうなのです。そもそも国際競争は何の為にやっていて、それでその状況を今どういう戦況になっていて。あなたがそれを辞めて仮に里山に入ると、その選挙区が変わるのか。戦艦ヤマトが特攻すると言って、辞めたと言って、太平洋沖に終戦まで浮かんでいたとすると、日本は勝ち負けは変わったのでしょうか。たぶん、変わらないです。

 何というかその、実は良く分からないのだけれども、精神論として、里山と繋がりを持って、食料、水、燃料をある程度、いざという時は自己調達出来る体制を作っておいた方が良いですねと言うと、国際競争にマイナスだと言われる。全然、直接繋がっているはずは無いのだけれども。

《 加 》    会話というか、絡んでいないですよね。

《 藻 》     会話として、全く絡んでいないわけなんですね、よろしいですね。例えば、ソフトバンクのね経営者が、仮にどこかに自家菜園を持っていてね、いざ何かあった時に、そこから野菜が手に入ると里山資本主義なのですけれど。それがどう国際競争にマイナスになるのか分からないのだけれど。

 いわゆる、ブロガーや大学教授が、その他の人の反応として。里山資本主義と。もう少し、食料、水、燃料がある程度自己調達が出来安心出来る仕組みを持っておきましょう。具体例は、これこれこうでというのを見た瞬間に、こういう本が流行る事自体が、国際競争のマイナスだという風に、その指揮者の人達が考えるという事自体が、日本社会がとても病んでいるという。とても哀れなのですね。

《 加 》    その人達は、世界競争に勝ちたいからそういう事を言っているのか。それとも、自分の何かこう生き方を否定された気分になるからなのか。それとも、他の原因で何か怒っているのかという。

《 藻 》     一つ言える事は、国際競争、国際競争と日本で騒いでいる奴らは、99パーセント国際競争をしていません。日本国内でブログを書いている奴なんて、国際競争で全く役に立ちません。本当にしたいのなら、スズキでもトヨタでも入社してやりなさいと言うのね。メーカーで真面目にやっている人は、国際競争していますよ。

 あるいは、農業をやっている人ね。日々、輸入品の農作物と戦っているので。国際競争をしています。里山資本主義では、食料、水、燃料をちょっとでも、自己調達。まぁ、1パーセントでも良いからやったら。あるいは、2、3割りやったら大したものだけれど。

 実は、自分が使っているエネルギーのうち、2割りくらいでもまきを使っている人は、その分、石油の輸入が減っていますので。もう、存在そのものが国際競争をと戦っているわけですけれども。東京で電気使って、車に乗って、日本語で評論している人。国際競争貢献度ゼロ。全く役に立っていない。そういう奴らが、必ず国際競争と言うのです。

《 加 》    僕自身は、これを読んで初めて知ったのですけれども。色々な国と貿易をしている中で、日本が貿易赤字になっている国というのは、ブランド力がある、スイスとかイタリアとかそういった。

《 藻 》     二種類ありましてね。功を書く度に、事実がずっと変わっていないでずっとね、貿易統計を使って説明するのですけれども。日本の赤字の相手というのは、基本的には、参入国。ナンバーワンには参入国、及び、オーストラリアの様な石炭、金属産出国。ロシアの様な天然ガス産出国。基本的に、振りまして資源国というものです。

 それと、それ以外で、資源国では無いのに日本が赤字の相手というのは、フランスとイタリアと。それから、スイス。これは、全然変わらない。

《 加 》    ブランドがある。

《 藻 》     最近では、スペインも日本は赤字になってきました。ブランド衣食住、生産国に対して赤字。

《 加 》    まだそのブランドの方向性に行こうというのが、この主義ではないですか。

《 藻 》     しいて言うと、里山にある物、さらにプラス活かすのならば、自己調達、自給だけではなくて、金儲けにまで使おうとすると、フランス、イタリアがやっている様な方向が正しいねと。それから、アラブに金を貢ぐ様な。金を使い放題の生活を辞めた方が。節約した方が、省エネした方が、アラブに対する競争になりますと。

 逆に、日本が黒字の相手とはどこか。これも講演でずっと話をしているのですが、兎に角皆が数字をチェックしていない。今日もね、財務省とか一連のHPはチェック出来ますから。定期的にチェックをしてほしいのですけれどもね。日本が黒字の相手、ナンバーワンはアメリカなのね。アメリカからクソほど儲けていて。それから、アジア諸国から儲けているわけです。アジア諸国、韓国を筆頭に。韓国、台湾を筆頭に、日本はそこら辺のからバンスカバンスカ儲けているわけです。

 日本は、韓国に対して黒字だったって、ほとんどが知らない奴らがネットをやっていますからね。僕は、日本は韓国に対して黒字だぜと言うと、ネット上からね。反日と言ってレッテルを貼られるのですよ。意味が全く分からない。日本は黒字だと言っているのに。逆に、韓国の人に申し訳ないなと言ってね。どうしてこれが、反日になるのか。良く分からないのだけれども。

 兎に角、里山資本主義に関わりなく、全体的に社会的に、妄想に染まりやすい。裏をチェックせずにただ国際競争と騒ぐ人というのは、何を国際競争なのか実は説明できない、国際競争を300文字で説明しなさい。説明出来ないですからね。ただ、国際競争と言っているだけ。

 話を聞いてみると、韓国や中国に言われっぱなしの弱腰日本がけしからんのが国際競争とか、訳の分からない。全然関係のない事を言っている。国際競争というのは、基本的にどちらが儲かるのかだよね。で、その内訳を見ると、色々な韓国だとか台湾だとか。あるいは、ごく最近まで、アベノミクスが始まるまでは、中国や香港に対しても大幅な黒字だったという事を、ちゃんと理解して国際競争を議論して頂かないとね。入り口にも立たないです。

 要するに、喧嘩をする相手を間違えているわけですね。日本が、アメリカやアジア諸国から大体、ざっくり15兆円くらい黒字を稼いでいるのですけれどね。それで、おつりを付けて。大体、同額位中東に油代で払ってしまっているのですね。さらに、オーストラリアとかロシアに石炭や天然ガス代、ウラン代で払ってしまっている。

 という様な事実を、例えばね、その内払っているエネルギー代の内ね。最終的に、電気になるものは3分の1ぐらいですね。さらに、電気の中で、電子力発電に依存していたのは、電気代のさらに3分の1で、3割り位です。ざっくり言いますと、日本が輸入しているエネルギー代の内、原発がフル稼働するとカバー出来るのが、その内の10パーセント。残り9割りは、原発には全く関係が無い。という様な状況で、日本が多大にエネルギー産出国にお金を払っているのですが。

 さぁ、どうすると、議論になった時に、原発再稼働と全員で言うのだけれども。フル稼働しても、全体の1割りもいかない。だから、それはやるのは勝手だが、ほとんど影響が無いので。そんな事よりも、はるかに全体に影響するのは円安ですよと。円高に誘導した方が、120円を100円に戻した方が、はるかに赤字が減るのです。という様な議論を、例えば数字を元に冷静に客観的にするという様な事が、日本の人は出来なくて。

《 加 》    ずれた所で、皆一生懸命に頑張って走っているのですね。

《 藻 》     全然、賛成も反対派も、数字に基づかずに、空想に基づいて議論をしている。はたや、原発再稼働が日本の貿易赤字を減らすという。全く荒唐無稽だ。戦艦大和が出撃すれば、アメリカが降参すると同じくらいの、酷いレベルの議論をしている人間もいれば。逆に、そういう事を、役に立たない意味ないでしょうという議論が全く無く。

 確かに、原発が再稼働すれば日本は黒字になるけれども、そんな金の為にやるべきではないっと言っている議論と。相手の土俵に乗っているのは、同じなのですよね。フル稼働しても、金はほとんど助けにならないという現実を無視して。確かに、原発再稼働は日本を、お金的には経済成長的には助けるが、経済成長なんてしなくて良いのだという様に、いきなり議論しちゃうとか。相手の土俵に乗っているわけですよ。そういう、共通して言うと、妄想の世界で数字を抑えずに議論をしている。その人達の闘い。

 実はその、単純な工業国に対しては、日本は勝ってしまうのですよ。良い工業製品を安く作って、ハイテクでやるというのは、ドイツ人程得意だが、同じ土俵でやると日本の方がさらに得意なのですよ。極端に得意なのですね。

 ですから、一部例えば、カメラでカーツワイルのレンズを扱うとかね。車はやはりそうは言うけれども、ベンツやアウディの方が、米ものの方が良いよと言う人もいますけれどね。しかし、車としての単純な性能で考えた時に、レクサスとか充分に高いわけですよね。ましてや、大衆車であれば、ドイツの大衆車よりも、そりゃ、スズキやマツダの方がたぶん、コストパフォーマンスはぐっと高いですよね。

 それは兎も角として、そういう風な性能勝負になると、日本に勝てる所ってほとんど無いのですね。なぜ、日本が韓国に対して黒字なのかと言いますとね、いや~サムスンにやられたとか言っていますけれど。

 サムスンって、例えばスマホね。中に入っている部品の、2割~5割くらい日本製なのですよ。結局、ああいう小さい所に入れる、コンパクトな高機能の素材とかフィルムとか液晶とか、素子とかね。そういうのは、日本で作った方が強度力が高いのですよ。だから、サムスン製品が世界で売れれば売れる程、日本の黒字が膨れるという構造になっていて。サムスンが最近、調子が悪いのは日本にとってはピンチなのですね。

 という様な事を、例えば、誰もチェックしないし。サムスンにも気にもいかないし。パナソニックでも聞いてないから。パナソニックがサムスンのおかげで、いかに儲けているのかという事、パナソニックの人は知っていますけれども。日本人の一般の、産経新聞とかブログを愛読している人は分からないわけです、それは良いのですけれど、そういうのでは勝つのですね。

 ところがですね。ところが、スイスウォッチですね。スイスの時計、スイスウォッチには、クォーツのやつは日本製のクォーツが入っています。で、クォーツというのは、正確無比に時間を刻む、駆動部品が入っているのですけれども、水晶が揺れて。これは日本で作っているのですね。東北とかで作っているのですけれども。シチズンとセイコーは世界を視野に圧倒的に占めている。どんなに高い水素時計でも、大体それが入っているんもですね。

 例えば、30万円の水素の時計を買うとね。クォーツが入っていて。全くわからないけれど、恐らく2千円くらいだと思うのですよ。全体の中の。じゃ、残り29万8千円は何に価値が付いているのかというと、結局、外装だったり。何らかの質感だったり、デザインだったり。そういう物に価値を感じて、皆買っているわけじゃないですか。結局、水素ウォッチがいくら売れても、クォーツを作っている日本のメーカーには、ほとんどお金が入ってこない。そこが、スマホと時計の違いでして。消費者の感性に訴えて、同じ性能でも、千円でもあるものが、30万円でも100万円でもしますという世界になってくると。途端に、日本は勝てなくなる。そこに大きな問題がある。

 しかも、もっと残念なのは、良いですか。例えばね、アメリカ人だと日本製品を死ぬ程買うわけですよ。かつね、あまり質感とかこだわっていないから、多くの場合は。だから、性能が良ければ良いのだ。性能が良くて安ければ良い。だから、日本はアメリカからクソほど儲けられるわけだ。

 日本人は、実はそうでは満足しない。日本人自体は、消費者としては、質感だとかデザインが分かる人が多いのです。非常に逆な事に。その点で何が起きるのかというと、アメリカ人は日本車を死ぬ程喜んで買うのに、日本の一部の人はなぜかドイツ車しか買わないという。大変困った傾向がある。イタリア車とか、わけのわからな物が出てくるわけですよ。

 それはその、中国だと成金が買うのだけれど、日本だとイタリア車の謎の質感が好きな人が買うのですね。と言う様な事が起きていて。現に日本の消費者は、日本の製品よりも外国製品を買うという人が相当いるのですね。だから、日本は赤字になる。

《 加 》    そうですよね。

《 藻 》     そうなのですよ。だから、この様におかしいのですよ。本来、日本の従事者が分かるのだから、日本のメーカーはもっと質感をアップしなければいけない。セイコーとかシチズンは、内部まで全部作れるのだから、質感の高い手作り陶器で作らなければいけない。トヨタがプリウスを作った様に、つまり、自ら電気自動車を作るように。セイコーとシチズンだって、クォーツじゃなくて、手巻きや自動巻きで質感の高い時計を、本当はもっともっと世界的にブランドアップして作らなければいけない。ところが、そこでスイスに負ける。

 成長するという事を忘れて、安くて性能の良い物を作るのですけれど。一次元下の話が目的になる。

相武台脳神経外科
頭痛、めまい、耳鳴り、海老名、厚木、新百合ヶ丘

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