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IMトレーニングの注意点。奈良学園大学 教授 辻下守弘先生 第5回

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《 加 》      こんにちは。相武台脳神経外科の加藤貴弘です。今日は、当院で行っているIM(インタラクティブ・メトロノーム)トレーニングに関して、辻下先生の方からお話を頂きます。どうぞ、よろしくお願いいたします。

《 辻 》       よろしくお願いします。奈良学園大学の辻下と申します。こちらこそ、よろしくお願いします。私は、リハビリテーションの方に関わっている職種なんですけれども。インタラクティブ・メトロノームというですね。一つの訓練方法ですね。それについて、ちょっとご紹介をしたいと思います。

 これは、ある症例の例なんですけれども。これ最初は、誤差がですね。これは、ADHDのお子さんだったのですけれども。あの注意欠陥多動性障害のですね。最初の時なんかは、439ミリセカンドですね。平均が。それが、大体そうですね。もうこれでも、2日、4日、5日、一週間ぐらいですね。多分、集中してやるとある時にですね。一気に良くなるのですよね。ある瞬間に。臨界期というかですね。だから、408とかいうレベルだったのが、ぐっとですね。

 例えば、この100台に落ちるのですね。1/4ぐらいになっていって。その後、じわじわまた良くなっていくみたいな感じですね。こういったケースが多いですね。だから、ここでですね。辞めてしまう。全然良くならないと辞めてしまうと、ここを迎えられずに終わってしまうので。効果が途切れてしまうので。出来たら2週間ぐらいは、しっかりとやって頂いて。やるとこういう時期がですね。いつかくるということを、信じてやってくださいということで、今はやっていますね。

 だから多分、最初はまだ良くわかっていないのですけれども。まずは、この音に合わせるということが、どういうことかというのがわかりだすと、こう脳の方が活性化していって。そういうリズムを覚えようというですね。そういう能力が高まり、それを続けていくと、大脳の方に、その情報がやはりこう入っていくので。最終的には、この前頭前野という名前ですね。ワーキングメモリーの方が、活性化していくのではないかなということで。ちょっとやる時には、こういう形で全部続けてやって頂くと、ある時本当に、良くなっていくということを、ちょっとご支持しています。

 この子なんかもそうなんですけれども。ずっとですね。良くなってきていて。これは、いわゆるその15ミリセカンド以内に入った割合ですね。ずっとこう高くなっていくというね。割合が練習していくと。そして、この子の場合は、最終的にやはり平均がですね。この子は小学生なんですけれども。平均はやはり9、10ミリセカンドまで落ちるくらい、やはり練習していると、上手くいくと。

 先程、話していた400くらいの子がやると、一か月半ぐらいはかかったと思うのですけれども。やはり9ミリセカンドくらいまでに落ちていくと、やはり急に成績が伸びたりとか。あとは、その水泳で級がありますよね。あれが、なかなか級が上で取れなかったのが、これぐらいになってくると、すっと取れるようになったりとか。

 多分、水泳とかも協調性というかね。多分、タイミングだと思うのですよね。水を掴むということは、あれがやはりこう右手と左手がバラバラだと、上手いことかけないので。無理に力を使ってやってしまうので。しんどくなって、長距離は泳げないのですよね。それはやはり、効率的にこう水を使うようにしてもらうと、スッスッスッと進んでいくので。同じような労力で、10メーターや25メーターとかね。そういった形で上がってくると思いますので。 水泳の級が上がっていくというのは、とても喜ばれていましたけれども。そういった効果もあるということですね。

 だから一応、先程も話した通り、そういった効果は6歳以上の子ですけれども。乳幼児でも、お母さんと一緒にやるという形で。この写真でもそうなのですが、お母さんと一緒に全部行っていますね。こういうのは、すごく良いなと思いますね。

 そして、このIMに関しては、特にそのやって悪いことは得には無いのですけれども。音をカンカンとやるやつがあるのですけれども、あれに反応してしまって、てんかん症状が起きてしまったりとか。そういったものがあるお子さんは、ちょっと辞めたほうが良いというのはあります。結構、聴覚過敏というお子さんも、結構多いので。

 そうするともう、音のカンカンという出し方も調整できるので。ちょっとそういう過敏な子は、少し下げてあげて。じわじわと下げていくというですね。そういった、調整がいる場合もあるのですが。これでなんか、悪くなったとかひきつけを起こしたとか。そういうことは、多分、今までに僕も経験はありませんし。国際的にもそれで、こういったところに注意してくださいとかいうのもないので。特に、大きなリスクはないかなという風に考えていますね。

 ただ、お年寄りがやる時に、バランスを崩して倒れたりというのがあるので。その時は、どこかを持って頂いてやったりとか。それか、誰か介助者がついてやってもらうことになると思うのですけれども。そういうのは当然、基本になると思うのですけれども。特に大きな事故とか、そういうのはないので。やって頂けたら良いかなと思いますね。

 これは、高齢者の練習のちょっと場面なんですけれども。これはだから、手と足ですね。これは両方を使っていて、この右と左。左と右と、こういうちょっと互い違いな歩き方。そうすると当然、認知的な負荷が高まるので、より難しいのです。タイミングはズレやすくはなるのですけれども。練習をしていくと、タイミングがやはり良くなっていきますよね。

 色々なやり方があります。こういう風に、腹筋みたいな形でね。寝といて、起き上がってから何とかやるようなこととか。座って足でやるとかですね。色々なやり方がありますね。あとは、壁を使ってやる方法とか。あとは、これは数字が並んでいるのですけれども。例えば、数字がたくさん並んでいる時に、偶数だけを叩きなさいとかね。そういうので、デュアルタスクみたいな形でやる方法とかなど。色々なやり方がありますね。

 あとは、廊下を歩きながらだとか。壁を叩いてもらうとかですね。そういった方法もありますし。兎に角、色々とバラエティはあるので。その患者さんの状況に合わせて、やっていくということですね。僕ら、リハビリテーションの方では、そういう形でやっています。それから、先程、おっしゃっていたような、転倒予防ですね。あとは、認知症予防ということで。色々なデュアルタスクで、運動してもらうというね。

 デュアルタスクの運動が、そういう転倒予防とか認知症の改善になるのかというエビデンスが、最近は出てきているので。こういうことも、このIMを使うと、比較的にやりやすいですね。データがこう出てきますので。効果や進歩が、分かりやすいというのもあるかなと思います。

 先ほども話していた、Eクリニックですね。遠隔トレーニングができるというのが、これの一つの利点ですよね。だから、来て頂いてやる場合もあるのですけれども。大部分は、家で継続的に行って頂いて。それを、こっちのトレーナーの方が管理しながら、随時、トレーニングメニューを変えていくと。

《 加 》      IMフォームは、購入だと患者さんはいくらくらいかかるのですか。

《 辻 》       購入だと、機械本体は10万円くらいするのですよね。あとは、トレーナーの方が、データを注入するというのをですね。例えば、一か月単位で。これは、もう設定によるのですけれども。僕の場合は、もう大体一か月単位で、1万円とかいう感じで指導させて頂くという。それは、先ほど言っていたスカイプでですね。ちょっと指導したりとかいうのも含めて。それぐらいでやったりとかはしていましたね。

《 加 》      やっぱり、やった方が良いのではないかなと思いますけれどもね。多くの患者さんが。

《 辻 》       そうですね。

《 加 》      何かその歩行障害とか、パーキンソン症状とか。お子さんが落ち着かないとかというのが、悩みがあるのであれば。うちのスタンスとしては、とりあえず、副作用がないものは、何でも試した方が良いのでないかなと。たとえそれが、有効だというエビデンスがなかったとしても。やってみるという価値はあるのかなと思うのですね。

 そのやってみるというところに置いて、あまりにべらぼうにその高額なものだとか。あるいは、その副作用があるというのは、避けた方が良いけれど、そうでなければ、やはりなんかちゃんと効く薬だとか。それだけではなくて、できることは何でも、自分でやった方が良いのではないかというスタンスなので。別にこれは、費用的な面は人それぞれ捉え方があると思いますけれども。やらないという理由はないのかなという感じはしますけれどね。

《 辻 》       本当にそのやりだしたら、そんなに難しくないですし。そして、僕らの事例でも、お年寄り夫婦ですね。もう70後半のお年寄り夫婦で、旦那様がパーキンソン病で。奥さんが、このIMフォームを家でね。パソコンを開いて、インターネットを繋げてやるのも、充分に出来たので。だから結局、お年寄りの夫婦でやっていても、家でこういったIMフォームでのトレーニングというのも、全然可能かなと。そう思ったりもしているので。

《 加 》      地道にちょっと根気強く、続けていきたいですね。うちのクリニックも。

《 辻 》       ぜひぜひ。はい。

《 加 》      じゃあ、今日は、貴重なお話しを、どうもありがとうございました。

《 辻 》       こちらこそ、ありがとうございました。

相武台脳神経外科
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