相武台脳神経外科の加藤貴弘です。今日は令和3年の6月6日の日曜日です。今日から、土と内臓という本を、少しずつ読み進めていきたいと思っております。
この本を、読み進めていこうと思った理由は、僕自身、この本を読んでとてもすごく感銘を受けたのと。なぜ感銘を受けたのかというと、今まで、医学的にこうだろうと思っていた思い込みを、かなり覆してくれるような内容だったということです。それは、何についての内容かと言うと、題名にあるのですけれども、微生物が作る世界という題名がありますように。人間の、微生物への認識に対しての内容でした。
今日は、ちょっと初めにというところと著者を。この著者は、ご夫婦で書かれているのですが、ご夫婦の経験をもとにしていて。元々、学者さんのご夫婦は、微生物は専門ではないのですけれども。奥さんが癌になるという体験談と。ご自身の庭の土地が、あまりにも不毛な土地と庭だったので。その庭を再生させようとした体験。その2つの体験から、奇しくも二人で微生物学のことを考えるようになって。
その微生物を考えることによって、すごく今、その微生物の世界で、パラダイムシフトと言うか。認識の革命的なことが起こっているということを、この科学者の二人は気付いて、ご夫婦で本を書かれています。
始めにというところで、最初は日本語なんですけれども。日本語に訳されている日本語なのですが。農地と土壌と、私たちの身体に住む微生物への、無差別放棄の正当性が疑われているという風なことが書かれています。これ自体が多分、この本全般的な全体の大きな一つのメッセージだと思うのですけれども。私たちが今まで、その微生物に対して、どのような向き合い方をしてきたのか。
例えば、その農業であれば、害虫を駆除するために農薬を使う。雑草を駆除するために、農薬を使う。人間の身体であれば、その感染が起これば、何かのばい菌の感染が起これば、抗菌剤。抗生物質を使う。ウイルス感染が起これば、抗ウイルス薬を使う。結核などであれば、抗結核薬を使うという風な、戦いの対象だったりとか。敵だったのですけれども。
実は最近は、色々な『 サイエンス 』や『 ネイチャー 』は、報告が出ているのですが。人体、人間の身体というのは、その人間が持っている細胞が60兆の数の、数倍の微生物と共存してるという風なことが分かっていると。分かってきてるということが書かれています。
微生物というのは具体的には、細菌。原生生物。古菌類。菌類という風に、あるのですが。それと同じことが地球全体でも言えると。微生物は、植物や人間の健康維持への発達。人間の健康維持を果たすのと、植物の健康維持を果たすのと。果たし方が、凄く似通っているということと。地球全体で見ても、地球全体の健康維持に果たす微生物の役割と。人間の健康維持を果たす、微生物の役割というのは、すごく似通った役割をしているんだということ。
例えば、この著者の一人の妻のアンという方が、ガンと診断されてから、色々と試行錯誤をしていく中で考えた、微生物の体験した微生物の世界と。その後、ご自身が不毛なご自身の庭を再生させようとした体験と、ものすごく共通点があるということを、体験から段々とわかってきたよという風に、わかってくるということが、この本全体で書かれています。
そして、今この名前としては、体表面と体内に住む微生物の総称に関しては、ヒトマイクロバイオームという総称で呼ばれてるようです。ご自身の庭を、不毛な庭を、いっぱい草木が生えるような豊かな庭に回復した仕方と。その慢性的な現代病の克服とは、似ているのではないのかということまで書かれています。
慢性的な現代病というのは、その慢性炎症が原因の現代病。もちろんその、なんとかリウマチとか。自己免疫疾患に関して、そういった身体を取り巻く微生物の果たす役割というのは、大きいのではないのかという風なことを、これから説明してくれるようです。
それではなぜ、その微生物が全然注目されてこなかったのかというと。基本的な科学的な発達というのは、最初はやはり、その目に見えるところから発達してくるわけで、これはちょっと僕が考えて、この本から僕自身が考えたことなのですが。
例えばその、ニュートンもそのリンゴが、落ちることから色々な考察をしたわけであって。目に見える世界から入っていくというのが、科学の最初の入り口なんですけれども。基本的にはその、顕微鏡とか電子顕微鏡とかが発達してきていない時代において、微生物の世界というのは、目に見えない世界なので。あまり研究が進んでいなかったという事実もあります。
微生物が僕らに最初、目に見える状態というか。感じられる状態になったというのは、やはりその何か感染を起こした状態だったり、農作物に害を起こした状態だったり。僕たちにとって、基本的には害になった時。何でこんなに害になるのだろうと考えた時に、微生物の存在を認識しだしたわけです。
最初は、嫌な存在でしかなかったのですが、よくよく深掘りしていくと、見えてないところまで研究を進めていくと、微生物というのがそもそも、その人間の健康状態の維持に、ものすごく大きな役割を果たしているという。地球の全体的な環境の維持にも、大きな役割を果たしているということが分かってきた。そういったことを、強いメッセージとして、この本は書かれている。
だけれども昔、天動説。太陽が動いて。星が動く。天動説から地動説。地球が実際問題、動いてるんだという風に認識が変わる時に、社会的にかなり葛藤があったように、現実問題として、その人間の健康に微生物がすごく大きな影響を与えてるということが分かって。
それがだんだん、敵ではないということが分かってきたとしても。毎日、毎日。ニュースでは、新型コロナ感染症とか。やはりウイルス対人間の戦争のような位置関係で、微生物というのは敵な存在であるという情報が、毎日、毎日こう社会的に流れていくと、僕たちはやはりその思考から、敵という思考から抜け出すのは、とてもそういった認識から抜け出すのは、すごく大きな大変な作業が必要になってくるということは、僕自身も感じますし。この本でも、多分そういうことを感じているので、強いメッセージで言っているのだと思います。
いずれにしても、現実として言っているのだと思います。いずれにしても、現実として今、段々と分かってきているのは、いくら敵だと思っていても。僕たちは、微生物なしで生きていくことはできないですし。もう半分埋まっていますし。一緒にチームとして、自分の身体の中に、自分の細胞の何倍もの細菌と一緒にチームを組んで、生きているという現実があるわけなので。
その辺のところを、少しずつわかっていって。健康維持なり、地球の環境維持なりに、今後役立てていけたらなという風なことだと思います。そして、細かくは明日から、来週から少しずつ本を読み進めたいと思います。今日は、以上です。