こんにちは。相武台脳神経外科の加藤貴弘です。今日は、平成27年5月19日の火曜日です。患者さんから良く聞かれる話の中で、初めて来られた患者さんで、頭痛やめまい、強い症状があった時に、今まではこんな頭痛はなかったのに。今まではこんなめまいは起こらなかったのに。こんな症状は初めてですという、すごく怪訝な何か大きなことが身体で起こったかのような、不安な感じで来院される方が多いのですが。
身体で起こる症状の中で、実際には、急に起こるということはありません。これは、普通に考えれば当然のことです。例えば、携帯電話を買っても、洗濯機を買っても、車を買っても、買ったばっかりの頃は、うまいこと動くので、機嫌よく使っていますけれども。何年か経って、突然、故障がバタバタバタといって続くことがあります。
それは、急に故障がバタバタっと続くわけではなくて、見えない部分でじわじわじわじわ、じわじわじわじわと、何年も部品が劣化してきていて。ある線を越えると、表面上にパタパタパタという風に故障が続くように見えるわけなのですけれども。急に起こっているわけではなくて、ずっと見えない部分で、部品が劣化してきているわけです。
人間の身体に関しても、急に起こるようなことというのは、事故以外はありませんので。身体の病気に関して言えば、ジワジワと起こってきて、ある日突然、何かのきっかけでそういう症状として出るわけです。逆に、そういう水面下で起こっているということは、水面下に押し付けてしまっているという部分もありますので。非常に普段、頑張ってこられている方であればあるほど、頭痛いけど仕事頑張ろうと。腰が痛いけれども頑張ろうとか。夜に寝不足だけど、仕事は休めないし。身体がだるいけれど、仕事をやり始めたら、身体のことは忘れるかなとか。元気になるのかなという風な形で、症状を抑えて抑えて抑えて、何十年も生きていると、身体からの調子を示す単位というのが、頭に上がってこなくなるので。
あたかも、突然大きな症状がでるようなことがあります。そういうのは、実際にはその身体のご本人である患者さんにとっては、非常に怖いことなので。当院に来院されている患者さんに、良くお話しをさせて頂いているのですが、やはり急に大きな病気になる前に、日々の生活の中で、身体の調子を押さえつけているような行動をしているわけですから。1日 5分か10分か、もう1回身体の調子を聴き直す作業というのは、5分10分程、今日の調子はどうかなといって、身体を感じる時間というの作っていく中で、その水面下で起こっているという現象が、少しずつ減ってきますので。
そうすると、やはり身体の調子が良い、悪いなど。身体の調子が悪くなってきているな、良くなってきているなという感覚は分かりますから。そうすると、調子が悪い時に、バタバタと動かずに、動いて大きなことに、病気になったりはしませんので。
やはり1日に1回や2回、身体の調子を聞くということは、非常に重要なことになってきます。もし自分に、身体の調子を聞くことができれば、本当に身体の調子を聞くことができれば、血液検査とかMRIとか、医療での検査というのは、通常は必要ないです。それは極端な話ですけれども、身体の調子が全然わからなくなってきているので。
齷齪齷齪、ガン検診をしましょうとか。採血をしましょうとか。 MRIを撮りましょうとかって、色々とお金を費やしていますけれど、実際にそんなに検査するよりも、ご自身でご自身の身体の調子がわかるということの方が、非常に大切ですよということを、もう少し分かっていただけると、これから例えば、40代ぐらいから、色々な脳ドックとか人間ドックとか、会社で支払って頂いているにしても、結構なお金がかかりますので。
そういったことに対しての、向き合い方というのは、分かってくのかなと思います。どんどんどんどんと、やはりその感覚がなくなって、盲目になってきていて、不必要なそういった医療に対しての、お金のかけ方になってしまって、悪循環になってしまって不安が不安をどんどんと増幅させてしまいますので。
何が大切なのかというのを、もう1回思い出すということは、非常に重要ではないかなと思います。その中で、日々の患者さんの言葉というのは、良いきっかけになります。今日は、患者さんから、この症状は今までなかったのだけれど、すごく心配です。今までは、ずっとこの症状はなかったのにという質問から、考えたことをお話しさせて頂きました。今日は、以上です。
相武台脳神経外科
頭痛、めまい、耳鳴り、海老名、厚木、新百合ヶ丘