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「私は、絶対に誰の世話にもならないわ!」が結局一番周囲に迷惑をかけてしまう。

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こんにちは。相武台脳神経外科の加藤貴弘です。今日は平成28年6月13日の月曜日です。
患者さんを診させていただく中で、80代の方というのは厳しい世界を生き抜いてこられた方が多くて、体も心も強いんですけれども、生き抜く中できっちりしなきゃいけない。きちんとしなきゃいけないということがあって、すごくしっかりされてきっちり身のこなしもされている方がいます。
その中で、私は絶対に息子や娘たちの家族の世話にならないんだ。これから病気になって子供達の世話に絶対なりたくないというふうに、すごく気を張って仰る方がいます。僕自身の立場としては、横断的に色んな方を診させていただくことができる立場に立っていますので、ある程度方向性、傾向というのを感じる立場にあるんですが、そういった絶対私は誰かの世話にならないと仰ってる方であればあるほど、最終的にはご家族や周りの人の世話にひどくなってしまうという傾向があるのは事実だと思いますし、そういう方というのはこうでなきゃならないというご自身の理想像があって、現実を柔軟に見れてないということがあるんだと思うんですが、今医学発達してるということが幸か不幸か、ある部分人間の寿命というのが伸びていて、その中で誰かの世話にならないと生きていけない時期というのが、ほとんど100パーセント来るというふうに認識して、その上で対応されていくということが、事実に即した対応の仕方かなというふうに思います。
もちろん死ぬ直前まで元気で、日々の生活を楽しんで、最後誰にも迷惑をかけずに亡くなっていくというのが理想だとは思うんですが、その理想を実現するために色々頑張るのはいいんですが、やはりそういった理想というのは、ほとんどの場合達成されないという事実も、ある程度見据えて周りの方々に、そうなったときにはどうするかということを話していくというのが、本当に迷惑をかけたくないのであれば、誠意ある対応なのかなと思います。
自分の理想像があって、そこになりたいと思ってしまうと、事実を捻じ曲げてしまうことがあるので、そういったときは冷静に受け入れる。
特にそういった状況というのは、子供さんが、お母さん外で遊びたいって、昨日雨降って公園は水たまりがいっぱいあるのに、それで外遊んだら服が泥んこになっちゃうでしょっていうふうに言われて、絶対泥んこにならないように遊ぶから、外で遊ばせて。絶対服は汚れないから外で遊ばせてって言って、しょうがいわねって言って外で遊ぶと、結局服は泥んこになってしまうということは目に見えてるので、外で遊びたいという欲求が強いと、服がほとんどの確率で泥んこになっちゃうっていう事実すら見えてこないということが人間の性です。
年齢をとってこられて方というのは、ある程度柔軟に現実を受け入れて、絶対ということはありえないので、こうなったときにはこうするというふうな準備をされておくということが、本気で周りの人に迷惑をかけないためには、大切なことなのかなということを日々の診療の中で感じました。今日は以上です。

相武台脳神経外科
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