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認知症予防へ脳の「不使用の学習」という特性をおさえる。

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こんにちは、相武台脳神経外科の加藤貴弘です。今日は平成29年3月21日の火曜日です。
先日から、便利なものを使うとそれがなかったときに必要だった自分自身の能力が少しずつ衰えてくる、慣れちゃって使わなくなってくるという話をさせていただいてたんですが、特に昔でいえば、三種の神器と言われてた冷蔵庫とか洗濯機とかテレビとか出てきたときに、便利だけれどもどんどん駄目になっていくというような社会的な気運があったんですけれども、やっぱり普及してしまえばそれに慣れちゃって、あるのが当然というふうになってきてしまう。
車のナビゲーションシステムも、家出る前にちゃんと地図見てたんですけれども、地図見なくてもナビでセットすれば頭を使わずに目的地まで行くことができてしまう、すごく便利になったんですが、便利になってくるとそれに必要だった人間の能力というのは逆に衰えてくる側面があるんじゃないかなというふうに僕自身は感じていて、それの制度としては国民皆保険のお話を昨日させていただきました。
国民皆保険というのは、どんな人も健康保険に加入していれば、実際の医療費よりも大分安い値段で医療を受けることができるっていう素晴らしい制度なんですけれども、その制度に慣れきってしまうと逆にいえば医療がしっかりしてるから、普段体のメンテナンスをしなくても病気になってもいいやというような、無意識にそういう安心感で心の隙ができてしまうと、それに頼りきってしまうと病気にならないまでも体の状態が悪い状態にじょじょに出てきて、それで日常生活の体のパフォーマンスが落ちてしまうという状態になってくる。
逆にいえば、医療がしっかりしていない国とか医療費が高い国であれば、きちんと体のメンテナンスをしなきゃいけないという意識も高くて、特にお金がある方というのは、自分自身の健康がすごい大事ということを意識してると、自分自身の健康に対しての投資というのをしっかりしていって、健康な生活を日々送れれば日々のパフォーマンスも上がる好循環に入ってくる。
国民皆保険があると、それに頼っちゃって病気なってもなんとか安心かなというのがあって、それまでは病気にならないまでもいろんな頭痛とか目眩とか肩こりとか症状がある状態ずっと続く中で、じょじょに日々のパフォーマンスが落ちて、日常生活も病気じゃないけど症状があるからきつい状況になって、結局仕事のパフォーマンスが上がらない。
どんどん体のパフォーマンスが上がらなくて、人生の時間が辛い状況になっちゃうっていう悪循環になってくるので、一見便利な道具が長い目で見ると、その人を腐らせてしまうっていうことはよくある話で、諺に「かわいい子には旅をさせろ」というふうに言いますけれども、やっぱり目先のことで厳しい状況に置かれれば、それだけ努力するという部分も少しあるのかなと思います。
特に脳外科診療で診察させていただいてて、特に顕著な例というのが、これは僕の個人的な主観なんですけども、物忘れとかご高齢になってくると認知機能というのは落ちてくることが多いです。
そうすると、よくご夫婦とかで来られる方が多いんですが、物忘れとか認知機能が落ちる方は見てると、ご夫婦の中でどちらかお一人のことが多くて、どちらかの方が認知機能が落ちていって、もう一人の方はすごいしっかりしてるという状況になってくるんですが、ある程度二人の関係で相手に頼っちゃうと、まあいいかなというふうになって、逆に頼られてる相手の方は、自分がしっかりしなきゃこの家は守れないっていうふうにしっかりして、結局体の状態が頼ってしまうと悪くなってしまうという傾向が、ご夫婦の中でもあるのかなというのはあるので、相手の方がしっかりしていてすごく楽な状況というのは、自分自身としてはちょっと意識しなければいけないんだなということを、長い目で見ると必要かなというふうに感じます。
これは脳の専門用語としては、脳自体も不使用の学習というふうな脳の機能があって、使わなければ脳の回路というのは、どんどん衰えていってしまうという性質がひとつあります。そのことに関して、また明日お話させていただきたいと思います。今日は以上です。

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