こんにちは、相武台脳神経外科の加藤貴弘です。今日は平成29年5月11日の木曜日です。
診察室で患者さんとお話させていただく中で、悪いものというかここを治したらよくなるんだろうっていうところが、悪者がズレてるために永遠に治っていかないっていう患者さんがよくいるんですが、そのひとつとして朝起きたときに目眩が起こるっていう患者さんがいらっしゃいました。
目が覚めて起き上がるときに、結構クラクラクラクラするっていうことだったんですけれども、実をいうと以前にお話させていただきましたけれども、救急車を呼ばれるタイミングというのは、実は朝方の数がかなり多くて、朝寝てる時間から起きる時間、目を覚ます時間というのは、いろんなトラブルが起きやすい。ぼーっとしてトイレにいって転んで足の骨を折っちゃったり、朝起きるときに自律神経系も起きようとするので、急激に血圧が起きる前にあがるモーニングサージという現象も起きて、そのときに脳出血とか病気を発症するというパターンがあるので、朝というのは結構トラブルが起きやすいんですけれども、これは別に人間に限ったことではなくて、なんでもそうかなというふうに思います。
当院でも、電子カルテのシステムとか使ってたんですが、電子カルテのサーバーといって大元の親みたいな機械があるんですが、その機械を立ち上げたり切ったりするのを1日1回してたんですが、ときどき立ち上がることができなくなって、業務に差し支えることというのがあって、よくよく聞いてみると、やっぱりサーバーの機械も立ち上げるというのは、ひとつのリスクということだったので、どっちをとるかということで、今の段階ではサーバーを一時立ち上げっぱなしにしているという対策はとっているんですが、やっぱりオフからオンになるというのは、ひとついろんな意味で機械であっても人間であってもリスクになります。
車の運転を始めるときも、朝すごい寒いときにエンジンをつけて、エンジンが冷え切った状態でいきなりアクセル全開に踏むと、すごくエンジンにストレスがかかって、そういうことを毎日やってるとエンジンも傷んでしまって、スピードがでなくなってしまうというイメージと同じだと思うんですが、その患者さんは朝方クラクラするので「朝起きてクラクラしないように何かする方法ないですか?薬はないですか?」というふうにお話したんですが、そうではなくて、とりあえず朝起きるときにクラクラを治そうとするんじゃなくて、朝起きるときの起き方を意識されると変わってくるのかなと思います。朝起きるときというのは、人間の体とか肉体とか自律神経系が温まってないので、特に慎重に自分の意識を入れながらゆっくり起きるというか、朝起きてやらなきゃいけない仕事がバーっとあって、そして通勤電車に駆け込むというような、朝起きていきなりマックスという状態ではなくて、朝起きてトイレいって一呼吸置いて、ちょっと自分の体をひとつずつチェックして、それから仕事に入るというふうなことをしていくと、だんだんだんだん自律神経系が元どおりになってきて、そういったクラクラ感というのが減ってくるのかなと思います。
その患者さんの思考回路として、そういった例えば車でいえば、冷え切った状態でアクセルを全開にするという毎日を変えずに、車屋さんでエンジンの性能が落ちたから直してくれといっても、どんどんドツボにはまっていくだけで、やっぱり車のエンジンを温めてからアクセルのエンジンの回転数をあげるというふうな習慣にしていけば、エンジンはいい状態に保たれますから、人間の自律神経も同じで、起き上がったときに体の状態がちょっと立ち上がってから、仕事を始めるというふうな習慣に変えていくことで、その問題というのは解決されるんじゃないかなと思いますので、今日シェアさせていただきました。
何かトラブルがあったときに、トラブルを消すということしか考えないパターンがよくあって、それで問題が解決されないということがあるんですが、そのトラブルを消そうとするんじゃなくて、なんでそのトラブルが起こったのかなというのを、ちょっと一呼吸置いて考える。あるいは、専門家に聞いて対応していくだけで全然結果が違ってくるので、そういったことをシェアできるかなと思います。今日は以上です。
相武台脳神経外科
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