《照》 今、お巡りさんみたいな細胞としてNK細胞という様なお話をしましたけれども。 NK細胞は非常に、癌の治療を考えるうえで、もしくは予防を考えるうえで、良い細胞だなという風に思っています。
その理由としては、まずは、NK細胞ってどんなもんだという風にここに書きましたけれども。身体の中のリンパ球の一種で、リンパ球の5%~20%ぐらいを占める細胞で、人によって占める割合は違うんですけれども。ちゃんとリンパ液の中でこういったマーカーを持っている細胞として、これがNK細胞だと測定することもできます。数をですね。
そして、その働きは、癌を直接お巡りさんとしてですね。教育されてなくても人相のおかしい奴だなと言って取り締まることもしてくれるし、その時に、色々な他の免疫細胞を活性化するようなサイトカインという物質を出してですね。ちょっと皆、目を覚ませと。悪い奴がいるぞという、そういったね、免疫力の活性化という風なことにも働いてくれますし。後は、癌に目印をつけてくれる。抗体という風なものが存在する時には、そういった目印のついた癌細胞に目印がついた細胞を、NK細胞がやっつけてくれたりという様な様々な働きをしてくれる。現場のお医者さんです。お医者さんじゃなくてお巡りさんです。
それでまぁ、NK細胞を活用して、注目して活用していこうと考えているのは、今のようにNK細胞はこれからご説明しますが、一つは血液を取ることで血液中のNK細胞の数とか、それからその癌を殺す活性力。そういったものを測定することもできます。それが一点。そして、実際にそういったNK細胞の働きが低くなってる人たちでは、癌になるリスクが高いんだよと言うなことがデータで示されているということがあります。
それから、さらにですね。NK細胞はお巡りさんのようにして、そのまま癌を殺してくれるという力もあるということもありますし。最後に、そういったNK細胞の働きが弱っている時には、それを強化してあげるそういう方法が、細胞療法のようなものがね。サプリメントなどもありますし。ハイパーでもまれに活性化されたりするんですけれども。
そういった色々な方法で、色々方法は後で言いますが。手っ取り早く生活習慣の改善でも、色々変えていくことができるということで。測定ができて、そして、それが低いと良くないことがある程度予想ができて。それを改善する方法があるという風なことで、ここにまずは注目していったら良いんじゃないかなという風に考えております。
《加》 健康診断みたいに、時々検査をするっていうのも良いかもしれないですね。
《照》 はい。そういことで検査されている方もいます。その一方で、変動がしやすいので、あまりそのデータに真剣に向き合いすぎると、それがストレスになって活性が下がってしまうんじゃないかなという人たちもいますから。
《加》 年に一回くらいですか?
《照》 そうですね。測って低いようでは少し、生活習慣を改善してみようかなということから始められるのは、非常に良いんじゃないかなという風には思います。
《加》 ちなみに、その検査っておいくらぐらいですか?採血だと。
《照》 大体2万円位です。それで、色々なリンパ球のパーセンテージとか。それから、今後お話しする、免疫を潰してしまうような細胞の、血液中の割合とか。それから、NK細胞の割合や、その活性力。そういったものが計れる方法があります。
《加》 ありがとうございます。
《照》 それで、どういう風にして測るのかなということについてですけれども。測る時には、癌細胞、癌の培養細胞にですね。あらかじめ、蛍光色素でラベルをしておきます。そうすると、癌細胞が色が付いた状態であるんですけれども。そこに、測定したい血液のリンパ球を混ぜ合わせてあげます。そうすると、この癌細胞をどんどんどんどん殺してくれて、その癌細胞がどれくらい残っているかなという風なことで、その活性力を測ると。
《加》 凄い。
《照》 比較的、免疫力の測定は色々な測定があるんですけれども。その癌に関わる、免疫力を厳密にに測るのは難しいんですが。その中では、NK細胞は比較的簡便に、ある程度安定した形で測ることが出来ます。そして、昔々偉い先生達が測ったデータによると、横軸がこれは年齢で、縦軸が活性なんですけれど。大体、二十歳くらいがNK細胞の働きのピークで、その後、どんどんどんどん年を取るに従って下がっていってしまうと。それと反比例するかのよう、癌がどんどんどんどん増えてくという様なことで。癌が出てきた時に、やっつける力も弱くなってきている様な時には、やはり、それに対応する様な活性化をね。色々とまぁ、考えてあげる必要あるのかなという風に思っています。
実際に、NK細胞が低い人たちと高い人達、中くらいの人達で、癌の発生率はどうかなということで。このデータは、2000年のランセットという大変有名な雑誌に、日本の埼玉の癌センターの先生達が発表されたデータなんですけれども。埼玉の人達、3千数百人集めて、その人達のNK細胞の活性力を測ってですね。で、高い人、中くらいの人、低い人で、11年間どれくらい癌が発生するかなというのを、調べられたデータを発表されています。
それによると、中くらいの人や高い人たちに比べてですね、NK活性の低い人達というのは、1.7倍位癌の発生率が高くなっているという様ななデータが出ていて。やはりNK細胞の活性が低いということは、癌になりやすいリスクが存在する可能性があるという風なことが、発表されています。これ以外にも、色々とそういった発表はありますが。これだけ大規模に、きちっとされているデータは無いのかなと思いますから。
《加》 NK細胞が、活性が、そんなに高いか中くらいかは変わらないんですけれども、低いのはちょっと意識しないといけないという事ですね。
《照》 そうみたいです。
《加》 中とか高とかは別に差が無いけれど、低い人は、検査したら低い時は、ちょっと意識しないといけないということですね。
《照》 そういうことがあるみたいです。ただまぁ、逆に言うと、高い人や中くらいの人でも、癌になっている人もはいるし。それから、低くても癌になっていない人はいるので。リスクが約倍近く高くはなるけれど、別にそれはね。低いから絶対になるわけでもなければ、高いから安心という理由ではないということはあるかと思います。
あとはですね、NK細胞というのは、その教育を受けなくてもすぐに、お巡りさんとして見回っていて、変な奴もいれば取り締まってくれるというお話をしましたが。それじゃあ、どうしてそういうことができるのかということでですね。癌細胞とか遺伝子に異常が残ってしまった細胞というのは、その表面に色々とNK細胞を活性化するような、そういう分子というのを色々と出してきたりします。これはもう研究で、色々とこういう物質がNK細胞を活性化しますよというのが分かっている物質がいっぱいあります。
その一方で、NK細胞の働きを抑えるような、そういう分子というのも分かっています。NK細胞というのは、それに反応して刺激がいっぱいくれば、こいつはちょっと顔つきが悪すぎるということで障害をしますし。強力に抑制をされると、ちょっと黙ってしまうという風なそういったバランスの世界です。これもプラスとマイナスの力の関係で、障害するかどうか決まってくると。
通常は、NK細胞は非常に活性化したものであっても、我々の身体自身、血液中に流れていても障害されることはないんですけれども。それはどうしてかと言うと、正常な細胞は NK細胞に働きすぎるなよという、そういう僕自身だよという信号を送っています。その一方で、Nk細胞の方には、NK細胞が活性化する様な信号というのはあまり出してないということで、悪い奴じゃないねということでお巡りさんは何もしないと。ところが、癌になってしまったり、ウイルスの発生した感染した細胞というのは、色々な活性やシグナルを沢山細胞の表面に出してきますので、活性化したシグナルが私自身だよという信号を上回るようになってくると、NK細胞はちょっと前ということで、今は障害をするようになってくると。
さらには、癌細胞はしばしば、ビーズの完成した際もそうですけれども、こういった私自身だよという信号を、なくしていってしまいます。そうすると、抑制の信号が入らなくなるので、より強くそういう奴は取締りの対象になっていくということで、協力されていなくてもそのまますぐに、非特異的と言われていますが働いてくれるというのは、最初の現場での初動にあたってくれるということが、メカニズム的に考えられています。
実際に癌になってしまった時に、さっき言った殺さないでよっと言っている、そういった分子がですね、癌によって色々違いますけれど。消失してしまう割合というのは意外にも高くて、子宮頸がんとか場合によっては9割近くは、そういった殺しちゃダメよという信号が無くなったりしますから。そういったものは、神経細胞で取り締まりをしやすいようなこともある。
《加》 異色腫は消えないですね。
《照》 そうですね。原発は16%くらいですけど。面白いことにこの転移をすると58%という形で、転移をするとその消失をしている割合が増えてくると。この骨肉腫もそうですよね。もともと原発が52%が転移をすると88%は消失。class I抗原を失ってきますので。NK細胞の攻撃対象になっていくと。大腸癌でも32%が72%ということで、転移をするものほど、そういった攻撃を受けやすい形になってくれると。
これは本当は裏返しの話として、後でちょっと話をする、特捜部隊ですね。樹状細胞が情報を得て、それを渡されたキラー T リンパ球。それは非常に強力な癌のキラー。まぁ、殺し屋なんですけれども。その殺し屋たちが、殺しの相手ですね。対象を見つける時には、実はこのclass I抗原が必要なんです。ですから、class I抗原があるものはキラー T リンパ球に強力に攻撃をされるし、それじゃないものはNK細胞の攻撃対象になると言うことで。ある意味、キラー T リンパ球から逃れる為に転用する時には、こういったものを消失してるものの方が転移をしやすいという事が言えるのかもしれません。
その一方で、癌の換算はしばしば、そういう状況ではNk細胞の働きと活性力はすでに落ちてしまっているので、NK細胞の働きはもっときちんと高ければ、こういったものを障害できるんですけれど。実際は、NKも働かないしキラー T も働かないという様な状況が、転移を起こすような状況では、身体の中に起こってきてしまっているのかなと考えています。それで、点滴をしてあげると36%がドンと上がって、免疫年齢が25歳に一時的に若返ると。
相武台脳神経外科
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