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NK細胞療法の実際 照沼 裕先生 第3回

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《照》 それじゃあ、NK細胞を高くする。それにはどうしたら良いかという様なことで。まずは、生活習慣の見直しということで、NK細胞が活性を上げるのにはこういうのが良いですよと良く知られていることとしては、何よりも過度なストレスを取り除くこと。後は、笑うこと。良く言われていますけれど、そういったデータはですね、実際に出ていて。それでまぁ、こういったのは本当にお金がかからず、しかもハッピーになれることなので。やっぱり、普段から心がける必要があることなんだろうなと思いますし。

 その他、色々乳酸菌とかですね、言われていますし。また、β―グルカンとか、後は軽い運動や森林浴。それから後は、睡眠不足を避けたり慢性の疲労を避ける。それから色々なサプリメントや漢方薬や、後は、温熱療法やハイパーサーミア。あとはまぁ、これからさらに紹介するNK細胞培養して点滴してあげる、NK細胞療法と。それぞれ、その人その人にどれが一番合っているかというのは、微妙な違いはあると思いますけれども。ハイパーサーミアや温熱NK細胞療法は、総じてどういう方にでも良く効いてくれる最終兵器かなという風に思います。でも、基本は、過度なストレスを下げて、そして、笑って過ごそうということは、最低限ベースとして続けながらプラスアルファの方法は考えていくということの基本になるかと思います。

 究極の方法として、自分自身の血液を取ってきて、その中から、NK細胞というのを増やしてですね、活性化して戻すという風な方法があるということで、それは癌の免疫細胞療として行なわれている、NK細胞療法として我々も行なっています。血液を取ってきて、その中のリンパ球をですね、刺激する。そういったキットを我々が作っていてですね。培養という事をやりながら数をうんと増やして、それでまぁ、戻してやると。実際は、3週間くらい培養してあげると、数百倍にNK細胞が増えてきます。色々な活性化マーカーというのもぐんと高く上がっていきます。そして、これがいくつかの癌細胞に対して、青い方が培養前。赤い方が培養後ですけれども。培養前と培養後では、同じ一個のNK細胞でも、癌を殺す力は数倍から数十倍高くなっていきます。

 例えていえば、お巡りさんが少し疲れてですね、血液の中を見回りしてる時にこちらに連れてきて、3週間身体の外のですね、良い環境で色々と訓練しているとですね。一人のお巡りさんが数百人になって。しかもまぁ、何も武器を持っていなかったのが、武器を持った状態で、テロ対策チームになって点滴で戻すことができるというのは、こういった細胞療法の意味合いですね。こういったのお巡りさんのような働きをしてくれている細胞には、NK細胞の他にも、ガンマデルタ T リンパ球とかアルファベータ T リンパ球とか。いくつかの他の細胞もお巡りさんのような働きをしてくれています。

 それぞれ、どれくらいに働きの強さが違うかなということで、それぞれの培養法で培養したリンパ球をいくつかの癌細胞に対して、殺す力を比較してあげる、いつでもNK細胞がこの青いカラムですけれども、殺す力が一番強いようだと。その次が、ガンマデルタ T で、その次が、この濃いブルーのアルファベータ T ということで。まぁ、どの培養法も行うことはできるんですけれども。こういったことに基づいて、なるべくNK細胞を増やしてあげる事をしながら、もちろん同時に、他のも増えてくれれば一緒に戻してあげるという。そういった細胞療法を行っているというのが現状です。

 具体的には、50cc 採血をして、で、3週間くらい培養して、2、30分かけて点滴をして戻してあげる。そうすると、活性化した沢山のNK細胞が入っていって、いっぺんに身体の中をバーッと大掃除してくれる。普段から身体の中では、色んな免疫細胞やNK細胞も含めてですね、働いて掃除をしてくれるわけですけれど、こういった大量に培養した活性化の高い細胞を入れるのは、大掃除をするという様なことで、身体の中に何か問題がある時には、その問題細胞をやっつける。そういった意味では、癌の患者さんだけじゃなくて、健康な方もたまにこういったことで、お掃除をされにくる方達もいらっしゃいます。

 これはその一例ですけれども、50代半ばちょいの人のNK活性が、例えば血液を取って調べてみると16%だった。そして、この横軸が年齢、縦軸が活性のこのグラフに当てはめると、50代後半だったんですけれども。実際の免疫、NK活性の免疫年齢は72歳くらいと、なるべく仕事はね、やりすぎないでなるべく笑うようにしても、なかなか改善しないという時には、培養してそれで点滴をしてあげると36%とボンッと上がって、免疫年齢が25歳に一時的に若返ると。その時に、大掃除をすると。

 これは数年前の私自身のデータですが、なるべく生活習慣を変えようとしてもなかなか良くならないという時には、こういった培養をして入れてやると、一時的には若返って大掃除をしてくれますよと。ずっとこの辺りが保たれるわけではありません。一時的に大掃除をして、後はまた普段の生活習慣を整えながら、なるべく免疫の活性を保つことを心がけるということかと思います。

《加》 どれぐらい持つんですか?

《照》 状態が人によっては色々で、健康な人だと2か月間とか。このレベルはもっと下がりますけれど、その年齢のレベル。もしくはそれ以上の形で、2、3ヶ月間はそのまま保っている人もいるし。癌の患者さんなどでは、入れてもほんの数日でボンっと下がってしまう方もいらっしゃいます。そういった時には、大掃除をしてまた消費されて、また足りなくなってしまったという状況かなと思うんですけれども。

《加》 どれくらいの頻度でされるんですか?

《照》 だいたい通常、3週間にいっぺんくらいでやっている方が多いですけれど、ただし今、何かの治療の後の集中的に投与した方が良いだろうという時には、2週間に数回ボンっと大量に、繰り返し繰り返し繰り返し大量に入れてしまうこともあります。後は、NK細胞、それに加えて手術した後などには、樹状細胞。樹状細胞というのはさっきね、目印をちゃんと見つけてやっつけてくれるキラー T リンパ球、そうです。特捜部の指揮官で、こいつをちょっと目印にしてやっつけろと指令を与える作用が樹状細胞です。手術などをやった後は、そういった組織が手に入るので、そういったものを目印として利用することで両方やると、現場のたたき上げのお巡りさんと特捜部隊と、連携してあるといいねと。

《加》 これは、基本的には自費診療になりますよね?

《照》 そうです。

《加》 手術した後だと、その病院との連携は?

《照》 入院している間は、まずはできないということがあります。混合診療の問題で。それから後は、手術の時に、ご本人の意思ということで組織の一部を頂いておけば、それを凍らしておいて、それで退院した後に、そこから癌抗原を抽出して樹上細胞に乗せて、それで治療をすることが退院した後にできると。

《加》 基本的には、組織の一部を凍らしておいてくださいと言ったら、基本的には出来るものなんですね。

《照》 先生によりますね。病院と先生によってで、その時には、入れ物だけはちゃんと、容器と保存体の液が入ったものをあらかじめ用意しておいて渡しておいて、手術の時に、もちろん組織を調べる為に、病理のための標本とかいろんなものを取った後に、扱える組織があればその一部を頂くという形で。

《加》 そういう関わり方ですね。

《照》 そうです。あくまでも標準的なものには、優先的にきちっとお使いいただいて。その後、ホルマリンにボチャンと入れただけで終わってしまうのはもったいないですから。使える組織があれば頂けますかという様なことを、あらかじめお願いしておいて。

《加》 ホルマリンに入れる前でないと駄目ですね。

《照》 はい。ホルマリンに入れてしまうと、抗原性が変わってしまうので、ホルマリンに入れる前の物を頂いて凍らせておくということが必要です。

《加》 ありがとうございます。

《照》 まずは、NK細胞の活性というのは、ここに今いるグラフが示してありますが、手術をすると途端にガクンと下がるんだよといったNK細胞の働きというのが、活性が手術後に突然、ストレス、手術というストレスで下がってくるという風なことが分かっていますし。

 手術の他にも化学療法でも、ガクンと下がるという風なことはわかっています。そして、実際に、今度はネズミによるデーターですけれども。ネズミに癌を植えておいて、それで手術をネズミに対して行うと、急に転移はですねゴンと増えると。ところが、そういった時に、NK細胞の働きを強めるようなそういった薬物をネズミに入れてあげると。手術をするというストレスを入れて転移が増えちゃうような状況でも、下げることができるということで。Nk細胞の働きをきちっとしておくと、転移を増やすことなく手術を行うことができるということはねずみのみでは確認されています。人間で手術の前後で、徹底的に使用することはなかなか、混合診療の問題があるので難しいんですが、なるべく速やかに退院した後に来ていただければ。

《加》 術前に点滴してから行っても良いのですか?

《照》 そうですね。入院する前にですね。行って。それでまぁ、退院した後にすみやかに、入れに来ていただくと良いのかなと思います。これは、癌センターの先生達が、2000年のこれは国立癌センターのですね。以前に発表したデーターなんですけれども。肝臓癌で、肝臓がんの手術を行った後、完全に肝臓癌は取れたけれども、肝臓癌はとっても再発率が高いので、再発が起こらないように免疫細胞の点滴を、この場合は、アルファベータ T ですが。短期間に6回くらい入れてあげると。そうすると、その後の再発率の変異はどうなりますかということで。

 この青い方は、ただ手術をしただけで、観察をした時。赤い方は、手術をした後に、免疫細胞を入れたグループということで。限られた時期にだけ入れただけですけれども、それでも統計学的有意に免疫細胞を投与してあげた人たちの方が、癌の再発率は低く保っていると。これは、無再発率というのが縦なので、上に来るほうが再発率が防げてますよということなんですけれど。再発が防げるのが、やはり免疫力を高めるという方が高いですよと。そう言う風なデータが、きちんと発表されています。

 今は、リンパ球を使った再発予防の話でしたが、それに加えて、特捜部のものですね。樹状細胞を使った治療ということで、手術をしてさっき言った様に凍らした癌組織もあれば、そこからタンパク質を抽出して、そして、樹上細胞に持たせて。それで身体の中に戻してやると、身体の中でその目印に反応するような T リンパ球というのが、抗原特異的な細胞障害、傷害性 T リンパ球ですね。CTLが出てきて、そして、癌を傷害してくれるという風なことが分かっていますので、こういったことを組み合わせることで、癌の再発をより低く抑えることができるのだろうという風に言われています。

 その時には、先ほどもお話したように、癌の組織の中には、ネオアンチゲンという細菌が、ネオ抗原と言われていますけれども。その人その人が持っている癌には、特有の癌の目印があるだろうと。その人その人の癌に、特有の癌の目印。これをその人の癌の組織が使えれば、得ることができると。それを教育してあげることで、より抑えることもできるだろうし。そういった組織がない時には、共通抗原と書いてありますが、癌が起こってきて癌になれば、共通してこういうタンパク質が出てくることが多いですねという風なことで。そういった共通して出てくる可能性が多い、タンパク質に反応する様な合成ペプチドと言うのを使った、ペプチドワクチン。そういったものを目印として乗せてあげるという風なことで、異常細胞の治療を行ってる場合もあります。

《加》 将来的にこういうのが、採血で取れればすごいですね。

《照》 そうですね。今は、リキッドバイオプシーという形で、色々な血液からその癌の情報を得ようという風なことが、色々試されていますから。そう遠くはない将来に、採血からでもかなりの情報が得られるような時代が来ることが期待されています。

 このネオアンチゲンについては、もっともっとこの癌の組織を使って、このネオアンチゲンが何かという様なことをですね。遺伝子を全部調べて、癌組織のですね。それで、これがネオアンチゲンのね、ペプチドになるんじゃないかという風な、そういうサービスも今も使えるようになっています。いろいろと興味深いところで。ますます、癌の手術の後は、手術の時に、組織が頂けるかどうかという事は、大変でクリティカルな状況になってきているかなと思います。

《加》 なるほど。

《照》 樹上細胞をやる時には、あらかじめ血液を採ってきてですね。その中にある、探求という細胞、リンパ液と比べると数はずっと少ないんですけれど、それを樹上細胞と言う風に分化させて変化させてるんですね。それに、癌の目印などをのせて、それから身体の中に戻してあげるという様な治療を行います。また、こういった細胞療法をやった時の副作用ですけれども、副作用もゼロということではないんですが、非常に稀です。数万人単位でやった上で、点滴中にちょっとのアレルギーの反応が出たなという人は、数人はいるんですけれども。発生率というのは、0.02%とかですね。非常に、通常のいろんな薬物との治療、点滴治療と比べても発生率は非常に低い。

 もともと自己免疫疾患でリュウマチとかがあった人だと、それが少し痛みとして感じたりなんて事はありますけれども。非常に、命に関わるような事がないことは、非常に良い所ですね。身体に優しいという風に、良く言われますけれども。それが良い点で、後でちょっとだけ増える免疫療法でも、免疫の抑制を取る、免疫のチェックポイント阻害剤という、そういったものは副作用が非常に高く出てしまうという所がありますから。そこは、免疫を活性化するという時には、免疫を抑制するそういった、ベーシックな作用はまだ残ったままなので、そういった意味で、副作用が出にくいという点があるのかもしれないです。

《加》 癌て、命の切羽詰まっている状況だと、副作用が少ない事というのは、なるべくトライしていくというのも、生き残るためには必要なのかもしれないですけれども。

《照》 プラスアルファの治療法として、今行っている治療法がさらに良い形になるようにという様なことで、付け加える方法としては良い方法です。

《加》 軸があってその中で、それを阻害しないような治療法をつけていくというのは、やっぱりとりあえず生き残らなきゃいけない。出来る事は何でもやるという様な、考え方も良いのかなと思います。

《照》 そういう意味では、免疫細胞療法や後は、後でこれからご紹介するハイパーサーミアですね。これは副作用が本当に最小限で、身体の反応を高めるという面で非常に良い治療法ではないかなと思います。中に使っている細胞のですね、物質とか、後は、常に工夫をしていく必要があるのかなと思います。

相武台脳神経外科
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