《林》 ５年前に、クリニックを開業しておりますけれども、それまでは、がん専門の拠点病院でですね。外科として、内視鏡外科、肝胆膵外科としてですね。それなりの実績を積んで。評議員とか、そういった役回りもこなしながら、診療をしてきたものですけれども。癌の方がですね、なかなか全てのかかった方が癌が治るわけではありませんので、そういう癌難民になるような方々が出てしまってる現状を鑑みて、その新しいクリニックを開く際には、そういう人たちのですね。為になるような、そういうクリニックを作りたいと思いまして、その中で、ご紹介いただいた、サーモトロン温熱治療と出会ったわけなんですね。
当院のところには、サーモトロン RF 8という機械ですけれども、これが２台稼働していまして。１日で、１５枠くらいあるんですけれども、１０枠から１２枠くらい使用させて頂いている現状です。結構、遠方からも来られてまして、県外だと新潟県ですとか、富山県、群馬県からもいらっしゃっている側面はあります。
一応、５年間の中で５６８症例に対して、１３５８３回という数を、本年の９月までに行っておりまして。その中では、今回、膵癌が増えましたので、大腸癌、膵癌、肺癌という乳癌、胃癌、卵巣癌の順番ですけれども。希少な癌も含めまして、色々な肉腫や悪性リンパ腫とか。そういったものに対しても、行ったりしております。
昨年のデータですが、７７例の膵癌に対して、これ半分くらい切除していない症例が含まれておりますけれども。その中で、生存曲線とほぼ同じ曲線が得られていると。一応その、切除症例とほぼ同等の成績という事なんですね。これが今年のデータですけれども、さらにロングサーバイブの方々が増えてきておりまして。これを半分は切除していない症例が含まれている中で、成績としてはそれを上回っていると。長期に治療した方々、これは半年以上の治療者を比べていますと、昨年の中では、２年、３年目くらいの所は、それを上回っていましたけれども。今年のデータでは、４、５年目も含めまして、曲線がかなり右の方にシフトしましたので、長期生存症例、ロングサ―バイブが増えたということが一応これでもわかる と思います。
ハイパーサーミアは、一つの機関の治療ですけれども。それ以外にも、放射線治療や切除。それから一応、化学療法などできる治療については、だいたい全てさせて頂いていると。それは、当院だけではなくて基幹病院や、私は元々外科医ですので、私も切っておりましたけれども。そういうのも含めまして、出来る事については何でもご案内しているというのが現状なんですね。
ハイパーサーミアが１００回以上の症例は、２３例を数えておりますけれども。その中では、非切除症例も含まれていますけれども、一応ハイパーサーミアの色々な癌。つまり、膵癌、大腸癌、乳癌、卵巣癌、胸腺癌、肺癌、他の事にかなり寄与しておりますし。一応、２３例中、１７例７３%が生存中ですし。その中で、癌の担癌状態の方は、１４症例おりますので。癌が消えてなくても、ロングサーバイブしている方々は結構おられると。ハイパーサーミアが１００回以上と言うと、およそ３年半以上、経過している方々ですけれども。そこそこ成績は、悪くないということが当院のデータとしては、示すことが出来たかなという風に思っておりますけれども。
化学療法との併用ですと、化学療法の副作用を軽減したりとか、そのイレウス的な症例に関しても、腸の動きを良くしたりして、食事が食べられる様になったとか。そういう様な面も、経験させて頂いておりますし。それから、ハイパーサーミアは、樹状細胞の活性化とかですね。その免疫的な利点も得られるとされているので。実際には、かけている場所以外の遠くのリンパ節が小さくなったりとか。そういう様な事もですね、時に経験しておりますので。そういう意味では、そのかけている場所以外の所でも、病状の軽減化というか、腫瘍の縮小化というか、そういった事が狙える症例もあるのではないかという風に考えております。
《加》 血液癌とか、腫瘍がないような奴に関しても、ご経験があるのですか？
《林》 適用としてはですね、固形癌が対象となりますので。血病やそういう腫瘍の無い悪性リンパ腫などは、対象外かなという風に思いますけれども。
《加》 例えば、ハイパーサーミアに当たった所以外も、リンパ腫が縮小しているという事であれば、ちょっと温めるという事も良いのかなというのはありますけれど。たぶん、保険診療ではなくて、自費診療という側面で言えば、やってはダメという風な事ですか？
《林》 当院では、ほとんど保険診療で賄っておりますので。積極的に、そういう方々以外の、適用外の方が他を勧めているわけでありませんけれども。全身的な管理としては、悪くないのかもしれませんが 。
相武台脳神経外科
頭痛、めまい、耳鳴り、海老名、厚木、新百合ヶ丘