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グレートジャーニー関野吉晴さんインタビュー第1回

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《 加 》 こんにちは。相武台脳神経科の加藤貴弘です。今回はグレートジャーニーでおなじみの、関野吉晴さんをお迎えしてちゃんねる S 第4回目をお送り致します。どうぞよろしくお願い致します。

 よろしくお願いします。グレートジャーニーをかなり観させて頂いて、凄く面白くて色々なお話を伺いたいなと思ったんですが、一番最後にゴールされた時に、関野さんが普通であることの凄い尊さみたいな言葉をおっしゃっていたと思うんですが、色々と本読ませて頂く中で、今の色々な日本社会の閉塞感だとか、文明が行き詰まってるところに置いて、テーマは、人間の欲との付き合い方というか、欲をどういう風にコントロールしていくかという事なんですけれども。欲って、どういう種類があるのかなと。

《 関 》 いや、ただ、普通は要望と言うと、物資系な欲望ですよね。で、それが肥大しているというか。だから、経済成長すれば、人は幸福になるとか。極端な言い方をすると、消費が増えれば、人は幸福になるというんだけれども。でも、そうすると、例えば、マルクスの時代って150年前なんですけれども、比べて今、27倍かな?消費が増えているんですね。すると、27倍、人が幸福になって良いはずじゃないですか。消費が増えれば、人は幸福になる。消費が増えるという事は、生産もそれだけ増えるという事なんですけれども。

 ただ、人口も5倍増えているから、その時点で5倍幸福であって良いはずなんですけれども。実際どうかというと、物は豊かになっているけれども、でも、幸福感はあるかどうか。非常に難しいですよね。だから、普通人が、我々というか、特に日本人が幸福という時は、欲望というと何か物とか金とか。で、ホリエモンが金があれば何でも出来るという言い方をした様に、かなりの部分が出来ますよね。ただ、金では買えないものも沢山あるんだけれども。でも、日本人の戦後の考え方とか、

 あるいは、中国の考え方なんかはやっぱり、お金で何とか解決できるというか。逆に言うと、お金が神様になっているというか。宗教が無いですよね。無い事は無いけれども、まぁ信仰が薄いというか。その代わり、お金とか物が神様になっているという所があるので。だから、物をため込めば、あるいはお金をため込めば、安心出来るという面もあるけれど、老後のこととか。安心出来るという事は、幸福と繋がりますよね。後は、物をため込んだ人、物資的に豊かな人が、尊敬される世の中ですよね。

《 加 》 お金持ちがですね。

《 関 》 乞食よりも、一部上場企業の社長の方がやっぱり尊敬される訳で。

《 加 》 そうですよね。

《 関 》 そういう意味で、だから欲望と言うと精神的な安らぎではなくて、今求められている、今言われている欲望というのは多分、物資的な欲望だと思うんですね。それが肥大しすぎているというか。
 
 30年ぐらい前に、戦争シンポジウムというのがあったんですが、それは、国際政治学者だけじゃなくて、経済学者とか社会学者とか、文化学者とか、色々な人が集まって、戦争って何で起こるんだろうかというシンポジウムだったんですけれども。結局、結論は土地だったんですね。その土地の中には、資源もあるし農地もあるわけですよ。そうすると、全部含まれているんですね。それイコール、物資的な欲望なんですよね、戦争の原因は。だから、好奇心とかが、例えば、宇宙のこと。地球外生命があるかとか、知的欲望や好奇心とかが戦争になる事は無いわけですそれで。

 だから、例えば、原発でも、じゃあなんで稼働しなければいけない原発を、また稼働して、あるいは増やそうとしているのは、なぜかというと経済成長しなくなってしまう。生産が落ち込んで、そうすると雇用が減る。消費が減るということで、経済が悪くなると言う理由で行っているんですね。

《 加 》 全てのベースにその物資的なところがあるんですね?

《 関 》 命とかそういうものよりも何よりも大切なのが生産だというのが、今の日本を支配している考え方だから。そういう考え方の、例えば、自民党は当然だけれども、例えば、共産党とか社民党でも経済成長しない方が良いって言わないですよね。言ったらたぶん、誰も投資しなくなりますよね。いかにこうベースとなっているのか。

《 加 》 日本がやはり精神国として、ちょっとそこら辺をシフトしていけたらという考え方ですか?

《 関 》 シフトしていると思うんですね。段々と、若い人たちは。だから、僕らよりも上の世代は、だいたい本当に戦後の高度成長期に育ってきたから、やっぱりもっと良い車が欲しいとか、もっと良い家に住みたいとか、そういう欲望が結構強かったと思うんですよね。それが今は若者を見ていると、別に車が欲しくないよとか。段々と欲望の質が変わってきている感じがするんですね。だから、昔は、アメリカ映画を観て、こういう風になりたいとか、大型車を動かしたりだとか。そういう生活を、今の若者は別にそんなのいいよと、そんな風に、徐々に変わってきているというか。で、ヨーロッパはもっと進んでいるんですけれど。

 ある経済学者が立てた式があって、幸福=欲望を分母にして、分子が財産なんですね。ただ、財産が増えると幸福になる。けれども、もう一つの方法として、分子の欲望を減らせば良いという。それが、他の、例えばイスラム教徒とか、あるいは仏教徒の中にはそれが見えるんですよ。例えば、エチオピアに行った時に、アファールという、エチオピアというのはキリスト教が支配階級の宗教なんですけれども、南の方はアニメズムでだから東の砂漠はイスラム教徒が住んでいて、その人たちは、家畜を飼っています。砂漠だから農業をですね。

 僕は日本人的感覚で200頭ぐらい飼っている家族に世話になったんですけれど。そしたら僕は、もっと家畜が増えたらい良いですねと言ったら、普通は他の地域だったら、そうだね。何頭ぐらいに増やしたいねとか言う所なんですが、そのお父さんはそうじゃなくて、いや、これで良いんです。これは、マラーに授かったんです。だからこれを大切に、育てれば良いんですと言うんですね。

 同じように僕が一番色々な所を歩いてきて、一番人が良い国民性を持っているのはどこかと言ったらミャンマーなんですね。で、どんな人がいるかと言ったら、タクシーなんかに現金忘れても届くぐらいで。僕は、そのミャンマーに行ったのは6、7年前なんですけれども。自転車で走っていて、それで、中国を抜けようと思ったら、中国が通さないんですね国境を。で、諦めて、ちょっとそこまでで諦めて帰ってきたんですけれども。でも、400ぐらい大きな町に帰ってきて。で、気が付いたら写真をポータブルのハードディスクに、写真を全部入れていたんですけれど、それが無かった。どこだったんだろう、でもそれまでに撮った写真が全部入ってくるんで、160ギガくらいだったんで。それはちょっと痛いので、停まった所に置いてきたにちがいないと、一番可能性があるので。 国境から電話で聞いたら、国境の宿で預かっていますと。

《 加 》 持っていてくれたんですね。

《 関 》 持っていてくれて、すぐ取りに行きますからと言ったら、いや、あなたはたぶん計画があってやる計画があるでしょうから、持っていきますから。あなたはやる事、旅行の日程があるかやりとりをやっていて下さい。届けますから、と言うんですね。で、お言葉に甘えてと言って、どこかに行っている間に、もう届いたんですね。僕が着く前に置いて帰っちゃったんですね。

《 加 》 凄いですね。

《 関 》 じゃあ、なぜか。なんでそんなに良い人なのかというと、やはり商業仏教なんですけれども、坊さんは結婚しないんですね。で、みんな敬虔な仏教徒なんですよ、国民が。で、彼らは来世があるんですよ。さっきのイスラム教徒もそうなんですけれど、来世があって、現世はせいぜい80年。長くて100年か120年なんですけれど、来世は無限なんですよ。だから、現世より来世の方がよっぽど大切なんですね。で、良い来世というのがどっちにもあって、例えば、イスラムだったら天国か地獄なわけで、仏教徒だったら天界や人間界に面会に行きたいんだけれども。でも、地獄界とか嫌なところに行くかもしれない。それは、生きている時の行動にかかってくるのですね。

 仏教だと、功徳ってありますよね。徳を積むこと、要するに善行。イスラムでも善行を積まなければいけないというんですけれども。仏教徒の、要するに徳を積む。功徳っていうのがあって、それを一生懸命にやれば、天国や良いところに行けると言われているんですね。それは何の為に一生懸命にやっているのか。それは、自分の為なんです。要するに、良き来世に行きたい。だから、一生懸命に良いことをしようとするんですよね。

 欲を減らすのは、宗教は一つヒントだと思うんだけれども。要するにこういう何か本当に。お葬式やお寺でやって初日の出は神社に行って、結婚式は教会でやるというのはある事で、別に何とも思わない国民性じゃないですか。だから、来世はほとんど信じてないと思うんですね。やっぱりそういう意味では、あるとしたら欲望の質ですよね。今までは、要するにお金を貯めるとか、良い車に乗るとか。そういう事に向かっていた物を、絵を描くとか、スポーツをするとか、あるいは、人と人との結びつきとか。そういうことに、重きを置くとか。そういう風になんかこう、欲望でも物資的な欲望ではない事って良くありますよね。さっき言っていた。そういうものにたぶん、行けば良いんじゃないかと思いますけれどね。実際に、若い人たちはそういう風になってきていると思う。日本とかヨーロッパで。でも、カトリックはそうは行かないので、やっぱり例えば僕なんかは、プラスチックが初めて出た時に、プラスチックの綺麗なカゴの方が、竹のカゴよりも全然良いものに見えたんですね。綺麗だし壊れにくいし、ただ、今思えば竹の方が良いですけれどね。

《 加 》 今になってはですね。

《 関 》 教育は、結構重要だと思うんですね。要するに、やっぱり60を過ぎた人間が、70を過ぎた人間が、やっぱり頑張って勉強して、良い会社に入って良いポストで、要するにお金、要するに物を沢山持って、お金を沢山持っていた方が良いんだという風に、刷り込まれてきたけれども。多分、若い世代は、基本的にはそうなんだけれど、いや、別の生き方もあるよという風に思って生きてきてると思うんですね。それが広まってくれば、あるいは、良く草食系人間なんて馬鹿にされてるけれども、案外彼らが革命的な根底を生む、要するに、ちゃんと独立心とか自立心があればの話でしたけれども。でも、別に物が一番の神様じゃなくなる、物資的欲望だけじゃないという生き方をしていけると思うんですね。

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