《 加 》 こんにちは。相武台脳神経科外科の加藤貴弘です。当院では、体との向き合い方。在り方というのを、ずっとお話をさせて頂いていますが。スポーツを通して、心の在り方を発信されている、スポーツドクターの辻秀一先生をお招きしてお伝えします。どうぞ、宜しくお願い致します。
《 辻 》 褒めたら人はフローになるし、やる気が出るのだけれど。でもそれってへたするとと、その人にとっては、人依存を作る可能性はあるのですよね。だから、褒める事は間違いではないのですけれど。褒める事が全てではないような気がしていて。
僕は独立して、15年経つ。まぁ、慶応病院で医者やっている頃は、良く看護師さんにも怒っていましたけれどね。理論的に理屈をこねてね。追い込んでましたけれどね。でも、独立してしばらくスタッフ。えぇ~とか思っていましたけれども、たぶんもうこの10年、怒った事は無いですね。
《 加 》 そうですか。
《 辻 》 怒った事は無いですね。なんかまぁ、もちろん期待通りに行かない事なんてしょっちゅうあるけれど、怒ったから何かが変わるなんて全然思えなくて。うちのスタッフに聞いてもらうとわかるけれど、まぁ絶対に怒っていないですね。でも、褒めたこともないです。
《 加 》 え、そうなのですか?
《 辻 》 褒めてないですね。なんだろう。いつも、感謝はしています。それこそ。で、さっきの自分はありがたいなと言って、自分の心を作るのと違って、スタッフには感謝はいつもしています。うちは帰る時は、お疲れ様もダメなんですけれど。疲れる為に来てなくて、自分で来ているからという発想があって。
《 加 》 なるほど。なるほど。
《 辻 》 で、基本的には毎日、全てがありがとうなんですね。だから、仕事をしてくれてありがとうだし。何かをやってくれてもありがとうだし。持ってきてくれても、ありがとうだし。コーヒー淹れてくれてもありがとうだし。パワーポイント作ってくれても、ありがとうだし。帰る時も、今日もありがとう。朝も今日もありがとう。という、ありがとうばっかりがあるかんじで。何かを褒めるという事は、実はしていないのです。でも、叱る事も無いですね。僕の場合はね。
《 加 》 そうですね。
《 辻 》 会社は僕の場合は、全員が二つ考え方があって、僕は働くというのが。全員が自分の会社を、自分で経営していて。自分会社の社長は自分で、自分会社の社員は自分しかいないという会社を、全員が経営していて。で、自分という会社の最大のお客さんが、雇われている会社。
《 加 》 それは、最高ですよね。それを目指したいです。
《 辻 》 それを皆に言っているのでうちの秘書も、僕がもちろん雇っているのだけれども、お給料を貰うのでは無くて、あなたは秘書という会社を経営していて。あなたの最大のクライアントが僕だから、僕に、僕の期待以上の仕事をしたら、僕はお給料を払うのだと。だから、雇われて作業をしているのでは無いのだと。という事がまず、一個あるのと。
もう一個は、全員が僕はアーティストだと思っていて。全てを作品。作業では無く、作品だと思っていて。どうしてそう思うかというと、全員がアートというのは、結局、自分の持っている能力で、世の中の感動や世の中の喜びを作る事がアートだから。掃除をしている人も、その人がやる事によって、誰かの喜びを作って。キレイにトイレが使える事で、喜びを作っているわけだから。トイレ掃除をしているのも、それもアートで、一つの作品で。誰かの役に経っていると。
そうすると、僕らの全員がアーティストで、生まれた事そのもので誰かの喜びを作っているから。もう最初から僕らは、アーティストとして生まれてきて。で、その人の努力やその人の才能の中で、それは、もちろん世界的に有名なアーティストもいれば。たった一人の人の喜びを作っている人。
例えば、主婦の方なんかは、社会とも繋がりは少ないけれど。でも、その主婦の方がいる事で、子どもに無限の喜びを日々、作り出しているし。お父さんにも喜びもあるし。でも、その人そのものがいる事で、友達や多くの人たちが喜びを持っているから。僕は生きる事自体が、アートで。全員がアーティストだと思っている。だから、仕事はやらされているわけでは無いし、作業ではないし。皆、自分の会社を自分で経営しながらアートを、何というのかな。楽しんでいる、プレイライフをしよう。というのが、僕の考えなのですよね。
《 加 》 そうですよね。結局、全て同じですよね。自分から発信出来るかどうかだという事で。雇われ根性というか。
《 辻 》 そうですよ。有名度合いでは無いし。なんかその、お金の大小では無いのですよね。皆その存在意義が、社会の喜びに何らかしらあって。その人しか作れない喜び。だって、ある人が作れる喜びは、その人しか作れない喜びで。仮に有名なアーティストがそこに来たって、その人が喜ばせられる人を。その超有名なアーティストが喜ばせられるのかというと、そうでは無いから。その人しか喜ばせられない人っていうのは確実にいて。だから、全員がアーティストなのですよね。
《 加 》 自分がその主体的に生きるという事ですよね。
《 辻 》 そういう事ですよ。
《 加 》 結局、やはりそれがこの根底になってくるというか、全部繋がってくるのか。
《 辻 》 全部繋がっているのですよ。
《 加 》 本当、普段何かしらやはり、奴隷的な思考になってしまうのですよね。
《 辻 》 そう、なってしまうのですよね。
《 加 》 そう、楽なんですよね。そのままで良いかなと思って。
《 辻 》 楽なのですよ。でも、一生決まっている事をたった一つ、最後に死ぬという事だけしか決まっていなくて。せっかく生きるのだから、そのせっかく生きるという事を皆がもっと謳歌する。そのためには、自分をもっと大事にするべきだし。自分をそれこそ開放するべきだし。人間って心で動いているから、自分の人生の質を良くする心を、物凄く皆が大事にしていけばもっと良くなる。だから、自分を大事にするという事は、全ての始まりだと思いますけれどね。
《 加 》 そうですよね。
《 辻 》 外へ脳が行ってしまっているから。行ってしまうのですよ。
《 加 》 段々と今はなんか、そういう雰囲気も少しずつなってきていますよね。
《 辻 》 なってきていますよね。
《 加 》 そんな気がする。いや、僕は今ぐらいでしか知らないのですけれど。
《 辻 》 なってきましたよ。
《 加 》 あの、例えば、スラムダンク勝利学を出された頃の2000年って。15年位前って、そういう楚辞ってあまり無いなかで良くこう。オセロの白をこう。
《 辻 》 そうだね。あれは何でだったのでしょうね。
《 加 》 やはり何か心からこう、出てくるものが何かあったのでしょうね。
《 辻 》 何に突き動かされたのでしょうね。何に突き動かされたのか、今思うと分からないですけれどね。まぁ、代々医者をやっていたし。だけれども、病院を辞めると言った時もまぁ、親父も反対しなかったし。嫁さんもえって言ったけれど、好きな事をやればみたいな。だからまぁ、家族や周りに恵まれていたというのはありますよね。思いついた事をやらせてくれたというか。なので、それはそれこそ感謝していますけれど。
でも、何だったのでしょうね。それを突き動かした物は。何か分からないですねそれは。それは何でだったのかは、未だに分からないですね。分からないけど、分かろうともしないというか。別に何でそうしているのだろうとか、あまり興味が無いのですよね。まぁ、やりたいからやれば良いのじゃないの?みたいな。
《 加 》 楽しいからやって。そうですよね。
《 辻 》 そうそうそうそう。まぁ、それが結果的に僕しか出来ないと、結果的に言われたら。それは良かったなと思うし。でもまぁ、やっている中で、いっぱい苦労はしてね。きていますけれどもね。でもまぁ、楽しいからやっている感じはしますけれどね。
《 加 》 自分が、ご自身が楽しいから。
《 辻 》 そう、自分で決めてやっているからですよね。僕の座右の銘は、嫌なら辞めろよ自分。いつもこれで言い聞かせていて。相武台遠いな~みたいなやっている時に、いや、そもそもやるって決めたの俺じゃないの?みたいな。嫌なら辞めろよ自分。いや、辞められないなみたいな。いや、加藤先生に頼まれたからなじゃ無いのですよ。嫌なら辞めろよ自分なのですよ。俺が決めてやっているのだと。そういう風にしないと、絶対に文句を言いたくなってしまうのですよね人はね。
《 加 》 すみません。せっかく来ていただけていて。そうですか。
《 辻 》 じゃなくて、俺が決めたからやっているんじゃんというのが、僕の座右の銘なのです。そうすると文句を言わない。なんでやっているの。俺が決めたからでしょうみたいな。って感じなのですよ。
《 加 》 いやぁ、凄いな。そうですね、やはり色々なお話を伺ったのですが、とりあえず揺らがずというか、囚われず。接着しない。自分のこだわりで物をみないという風な事を。あるがままの状態に自分をこう置くと。そうすると、心身ともに良くなってくるというか。アプローチの方法としては色々とあると思うのですが、やはりその、辻先生のおっしゃっていた、何というか思考から入るというか。心から入る方法もあると思いますし。身体的に、身体から入るというのもあると思うのですよね。
もう一つは、健康を考えていく上で、生活習慣をしっかりと考えて。自分の身の回りのことが良いかどうかとか。良い服を着て、感情が高まったりとか。
《 辻 》 気持ちが良いなとかね。
《 加 》 そういう事というのを、一個でつまずいたらそこだけが入り口では無いので。
《 辻 》 そうだね。いっぱいあって良い。
《 加 》 ある程度こう、いっぱい入っていくと良いかなと思います。
《 辻 》 そう、正解なんてないです。いっぱいあるし、何がダメなんていう事も世の中、ダメも良いもだって意味だから。
《 加 》 やっぱりその気持ちが良いという事が、どんどんどんどん増えていってくれれば良いかなと思うし。僕はその気持ちが良いという事を、突き詰めて行く中で、恐いなと思うのが。やはり、僕自身がその、医学部の西坪の大会で一番チームが優勝したという。僕はスタメンではなかったですけれども。チームが優勝したという経験があって、あの時は。物凄い何か感動があったのですね。ゾーンに入ったというか、皆で気持ちが一つになっていて。
《 辻 》 素晴らしい経験。
《 加 》 皆の気持ち、チームの気持ちが一つになったというのは凄く良い感動で。その感動というのは凄くこう、心地が良い状態で。場合によっては、依存してしまうのですね。
《 辻 》 あぁ、そうだね。
《 加 》 それがある程度、変な宗教とか。例えば、スポーツ選手の辞め時にも影響すると思うのですけれども。それが、揺らがず何だろう。囚われずな精神からはずれてしまう事があるのですけれども。そこから戻ってくるのは、やはりきちんとした思考だと思っているのですけれども。やはりこう、禅脳思考というのがベースにあって。何かの表紙にゾーンに入る事はあるけれども、そこの凄い気持ちが良い状態に、囚われないという事がやはり。快を求めていく、見えない所をやっていく危険性というのは、僕らはやはり知る意味はあるのかなと思うのですけれどね。
《 辻 》 そう思います。松岡修造さん、僕、仲良くもさせて頂いていて。素晴らしい方なんですけれど。尊敬もしていますけれど。あるテレビ番組で、修造さんと吉田沙保里さんのインタビューに行った事があって。修造さんはゾーン好きで、たぶんゾーンが重要で。ゾーンに入る度にイメトレもしていたみたいなかんじ。それを、吉田沙保里さんに言ったら、吉田沙保里さんが、「修造さん、ゾーンとかに入ろうとしているから、そもそもダメなんですよ。」って、吉田沙保里さんが言っていて。「もっと自然体。ただただ今に生きて、一生懸命を楽しくやっていれば良いのですよ。」と、良い表情で言っていたのが、めっちゃ印象的で。
僕のワークショップとか、セミナーでそのビデオがあるのですけれども。それを皆で見て、大笑いするという事があるのですけれども。その究極のゾーンに、あんまり入ろうと囚われすぎて揺らいだり、囚われたりすることがあるから。やはりもう、何というのですかね。今、ここの自分をただただ、ありがたいと考え、一生懸命に今に生きながら。好きなことを考えて、気持ちが良いということを大事にする、自分を大事にしようとする。ただただ、ここの自分を大事にしていって、結果的に色々なものがやってくるような感じで、僕は良いのではないかなと思いますね。
《 加 》 そうですね。
《 辻 》 もっと皆、肩の力を抜いて、普通に生きれば良いのにと思うのですよね。なんかこう、皆力が入りすぎですよ。本当に。まぁ、何でも良いじゃないかって僕なんかは思うけれど、基本的に。
《 加 》 なかなか色々と壁があるのが、価値を気付きにくいという所が一つの壁で。そこのところをちょっと色々と頑張って。自分自身もきちんとした価値を、身に着けていきたいなと思いますね。まずは自分から。
《 辻 》 そうね。まずは自分ですよ。壁って言うのだって意味ですからね。
《 加 》 意味づけしていますからね。
《 辻 》 そうですよ。壁なんて世の中には無いのですよ。人間だけが壁を作り出しているわけで。一分の壁が破れないとかね。別に一分に壁は無いのですよね。人間が作りだしているだけでね。丁度良い所に、大体みんな壁を作ったりなんかするじゃないですか。別に一分に壁なんてないのですよね。
80の壁が破れないとかいって、ゴルフは良く行っていますけれど。別に壁何てないですよね。79の壁と言った瞬間、79でまわったりとか。一分の壁とか関係無く、59の壁と言った瞬間、59秒59とかで泳ぐやつがいるのですよ。脳が作り出しているだけですから、壁は。
《 加 》 今日は、希少なお話しをありがとうございました。
《 辻 》 ことらこそ、ありがとうございました。よろしくお願いします。
《 加 》 はい、いかがだったでしょうか。非常に貴重なお話を頂きました。皆さんの、何らかの参考にして頂けたら幸いです。どうぞ、よろしくお願いします。
相武台脳神経外科
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