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脊髄刺激電極留置術の実際 松前光紀東海大学脳神経外科教授 第4回

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脊髄刺激電極留置術の実際 松前光紀東海大学脳神経外科教授 第4回

《 加 》 こんにちは。相武台脳神経科外科の加藤貴弘です。今日は、チャンネルS番外編。市民公開講座としまして、東海大学脳神経外科教授、松前光紀先生をお招きしてお話を伺います。どうぞ、よろしくお願い致します。

《 松 》  それでは、その実際についてお話しをします。これは麻酔科の先生とですね、それから脳外科の先生が一緒にやっております。レントゲンをずっと流しながらですね。脊髄の後ろ側に、電気を流す電極を丁度送り込んでいるところです。

 最初に、局所麻酔をして、針を刺す部位に痛みが無いようにして、手術が始まります。丁度、脊髄の後ろ側の所に、太い針を入れてですね。これをガイドとして、ずっと電気を流す線を、上の方に送り込んで参ります。間違った方向にいかないように、この様にレントゲンで確認をしながら、徐々に徐々に進めていきます。丁度今、胸の部分から首の部分に上がってきています。

 この患者さんは、手の痛みを訴えておりましたので、首の部分まであげています。丁度今、麻酔科の先生がですね、患者さんとお話をしながら、電気の心地よい刺激がですね。普段、痛みを感じている場所に来ていますか、どういう風に感じますか。強さはどうですか、場所はどうですかという事を確認しながら。この様に、神経の機能を見ながら手術が出来ますので、非常にベンチな手術の方法です。手元のコントローラーで、刺激の強さ等も色々と変える事が出来ます。という事で、電気が通るとですね、痛かった部位がぽかぽかしてくるのですね。それは、血管が開くからそうなるのですけれども、その様な感覚が伝わってきた所で、手術は終わりになります。

 場合によってはですね、電気を流す電線は一本だけではなくて、二本入れている場合もあります。これがなぜ効くのかという事なのですけれども。痛みを感じると、左側の図にありますけれども。血管が細くなって、虚血といわれる、血液が流れにくい場所が出来て参ります。ここで、痛みをこう、どんどんどんどん悪くするような物質。そういうものが再生されて作られて。そして、またそれが痛みを悪くすると、こういう悪の循環が出来てしまいますので。ここで電気を流す事によって、血管を開いてあげて、その痛みを取ってあげるという事がこの原理です。

 実はこれは、手足の血液の流れが悪い患者さんにも使う事が出来ます。この患者さんはですね、丁度レントゲン写真では、右の手の外側の部分ですね。ここの部分の血液の流れが悪い患者さんです。それによる痛みも出てきております。丁度、手の指の所に行くところの一番細い血管が、非常に流れが悪くなっていると。ここでは途絶えたような風になっていると。

 これが、患者さんの手の色を見た写真です。小指側から3本が特に黒くなっていて、かなり具合が悪いというのが良くお分かりだと思います。実はこの患者さんがですね、私も良く覚えているのですが、私どもの病院で初めて、脊髄の電気刺激を行った患者さんです。

 この患者さんはですね、かなり具合が悪くて、実は、他の科の先生たちはどんな治療法をやってもだめだという事で、この3本の指をいつ切り落とそうかと。そのタイミングをずっと待っている段階だったのですね。でもそこに、脳外科で今度新しい治療法をやって、これは、細い血管を開かせて痛みも取る事が出来るので、脳外科にこれをやってもらおうかという事で。実は、非常に難しい病気なのですけれども。我々の病院で、これを脳外科で初めてやりました。

 これが、しばらく経った時です。電極を、電線をですね。首の部分にまで入れました。血管を開いてですね。痛みを取ってあげると。先程、説明した事をやらせて頂きました。そうするとですね、左側が手術してすぐですね。これが数か月後です。小指、それから中指。人差し指にかけて、非常に皮膚の色が良くなっているのがおわかり頂けるかと思います。人差し指のですね、一番先の部分だけは、まだちょっと黒いまんまなのですけれども、この患者さんは指三本、根元から落とす事無くですね。この治療のおかげで、社会に復帰する事が出来ました。

 これは、皮膚の温度を機械で測る検査なのですけれども。ちょうど指の部分が、全部5本の指が真っ赤になっている事がおわかり頂けるかと思います。こういう風にして、血液の流れが回復して、痛みが取れたという事を示しをさせて頂きました。

 上の段が手術の前、下が手術の後です。効果なのですけれども、大体、60%から80%くらいの患者さんに効きます。ということで、100%ではないという事はご理解は下さい。これは専門的になるのですけれども。効果は結構長い間続くというのが、左側の図で示してあります。

 それからですね、痛みが出始めてどれくらい経ってこの手術をすると、効果が出てくるのかという事なのですが、概ね、2年以内に始めた患者さんに良く効きますけれども。当然ですけれども、ずっと長く痛みを持っている患者さんについては、遅く始めれば始める程、効果は悪いというのが、右側の図で示されています。

 という事で、中心が私ですが、右側にいるのが山崎一先生という、当院で麻酔科のペインクリニックをやっている先生。左側が脳神経外科の馬場胤典先生。脊髄の電気神経をやる先生です。この二人の先生が協力して、お互いの患者さんを診て、治療の方針を決めております。今日は、そういう事で、パーキンソン病の治療。それから、痛みの治療。電気を使って治すという事で、お話をさせて頂きました。

 最後にですね、私の仲間を紹介をさせて頂きます。前列一番右側がですね、佐藤けんいち先生。今、脳外科の研修を初めてですね。丁度、6年目。来年、脳外科の専門試験を受ける年代になりますけれども、脳外科の全般をやっております。

 前列右から2番目、本田ゆみえ先生は、脳外科の専門医とそれから、救急の専門医の2つの資格を持っていて、脳神経外科と救急との間の上手い橋渡しをしてくれている先生です。前列右から三番目、反町たかとし先生ですが、私どもの准教授です。血管を中から治療する方法。それから、血管を外から治療する方法。両方のエキスパートです。

 前列一番左側は、堀田かずこ先生です。お生まれは四国の高松なのですが、それから、岡山大学にいって医学部を卒業した後、鹿児島大学の医学部を出て。そして、鎌倉市の湘南鎌倉病院で臨床研修をした後、当院に来てくれました、非常にガッツのある女性の医師です。今年、専門試験に通りました。

 前列左から二番目が、厚見ひでき先生です。パーキンソン病の電気治療をやる専門の先生です。後列一番左側が、キキポン・スウィータナック先生です。お生まれがお名前から想像できる通り、タイなのですが。もう27年間、日本に住んでおりますので、日本語の方が非常に堪能です。

 後列左から二番目は、重松ひであき先生です。血管の外科、それから、血管を中から治すという両方が出来る、非常に優秀な若手のエースです。後列左から三番目は青木りえ先生です。血管を中から治療する事が専門の先生です。

 私の後ろに立っておりますのが、西山じゅん先生で、脳腫瘍の専門家です。その右側にいるのが、小野瀬ひろあき先生です。小野瀬先生は、脳外科になって今は2年目。全てのことの脳外科の研修が始まっております。その右側が、石坂ひでお先生。この先生は、脳の奥の方に出来た腫瘍、骨にくっついているような腫瘍を専門とする先生です。

 その右側が、滝沢けん先生です。ももせ先生と一緒の時に、我々の仲間に加わりました。脳外科全般を今、研修中です。その右側ですね、馬場たねふみ先生。先程も紹介しましたが、脊髄の電気治療をやる先生です。その右側が、葛綿そういちろう先生は、今、千葉にある病院から研修に来ております。後列一番右側がですね、長田たかひろ先生です。血管を中から治療する方法。それから、外から治療する方法。両方が出来る非常に優秀な医師です。

 以上のような仲間でですね、24時間、365日、救急患者さんを断ることなく。あるいは、外来に来た患者さん、それから、他の科から紹介された患者さんに対して治療を行っております。東海大学病院という、病院の立地場ですね。救急とそれから外来から来る患者さん、両方の治療を担当するという事をモットーにしております。

 非常に体力のいる職場なので。私はもうかなり前に、この職場に入っているのですけれども。私が一番若い頃は、ずっと病院に泊まり込んでですね。実は、看護婦さんにパンツを買ってきてもらって、ほとんどを病院で過ごしたというのが現状なのですね。

 今の若者にこれを要求するとすぐ、離職してしまいますので。できるだけ、若い仲間を誘う事によって、法人のワークライフバランスを取り、克、女性も生き生きと働ける職場にするという事をモットーにしております。来年も新しい仲間が加わる事が決まっておりますし。それから、よその病院からも、どんどん優秀な先生が我々と一緒に働いてくれるように、仲間に加わる予定です。

 今日はですね、まず、東海大学の紹介をさせて頂いて、それから、脳外科の新しい二つの治療。それから、その前にですね、脳の中。脳の血管をみるという事で、ビデオもお示ししました。以上のような、内容です。

 我々の職場の情報はですね、ホームページ。または、フェイスブックなどでも、随時、情報は発信しております。ホームページはですね、結構、力を入れて作っておりまして、実は今年の春は、結構なお金をかけて、スマホ対応の画面というのを別で作らないといけないみたいなんですけれども。それもお、作らせて頂いております。

 実は、ホームページは大体、8年~9年くらいの歴史があるのですが、昔はPCで見に来る方がほとんどだったのですが、今は7割りがスマホから見にこられますので。文字の大きさ、それから画面の配列等も変えまして、スマホからも見て頂ける様になっています。また、PC版については、英語版も作っておりますので。外国人の患者さんも時々、見てくれるようになっています。

 以上のような事で、今日は、脳の事について、少しお話をさせて頂きました。以上で、終わります。ありがとうございました。

相武台脳神経外科
頭痛、めまい、耳鳴り、海老名、厚木、新百合ヶ丘

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