https://youtu.be/EKmoNZ3PWZ
《 加 》 今日は、早島英観さんを相武台脳神経外科にお招きして、お話を伺います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
《 早 》 よろしくお願い致します。
《 加 》 英観さんは、寺子屋ブッタという勉強会をされているのですが。簡単にご紹介して頂けたらと思います。
《 早 》 そうですね、わかりました。私は、千葉県の南房総市という、千葉の最南端ですね。そこにある、妙福寺というお寺で副住職をさせて頂いておりまして。で、そこは日蓮宗のお寺なんですけれども。それ以外にですね、今おっしゃって頂いた、寺子屋ブッタという一つのチームがありまして。今年になって、一般社団法人になったんですけれど。そういうチームで活動しておりまして。
その寺子屋ブッダというのが、簡単に言うと、日本には数多くの宗派がありまして。日蓮宗だけでは無くて、浄土宗、浄土真宗、曹洞宗とか。真言宗など、色々な宗派があるんですけれども。
その色々な宗派のお坊さんが、お寺をいかにワクワクする空間に作り変えるかというか。お寺をいかに楽しい場所に変えるかという、一つの目的に向かって集まった場所であると同時に、特徴的なのは、お坊さんだけではなくてお寺なので、一般の人も集まる場所ですから。一般の人、色々な職業を持っている人。デザイナーとか、イラストレーターとか。後は本当に会社員の方だったりとかが集まって、お坊さんと一般の市民で、こういかにお寺をワクワクする場所に帰るのかと集まって作ったチームが、寺子屋ブッタというものなんですね。
この中では、色々な仏教を基本としたワークショップとか。もちろん勉強会もそうなんですけれども、色々な企画をしていて。日本には、お寺の数が、約77000件あるという風に言われておりまして。それってコンビニの数より多いんですよ。
《 加 》 そうなんですか。
《 早 》 コンビニの数って、例えば、ローソンとかセブンイレブンとか。実名出してしまいますけれども。
《 加 》 コンビニの数より多いんですか。
《 早 》 合わせても、そんなに無いんですね。お寺って全国に、その数よりも多いぐらいあって。
《 加 》 えぇ、そうなんですね。
《 早 》 そのコンビニの数よりも多いお寺が、全部ではなくても。1割でも2割でも、何ですかね。楽しい場所になったら、日本の景色が変わるのではないかなという。
《 加 》 そうですね。ユーモアがある場所に変わったら、何かが変わりますよね。
《 早 》 むしろ皆、今のお寺のイメージって、葬式とかご供養。法事とかの時に行くけれども、普段別に行くような場所ではないよねという、多分イメージだと思うのですね。地下鉄サリン事件とかがあった時に、衝撃的だったニュースの映像が僕の中にありまして。
それは、凄く優秀な学生さんが、オウムというものに興味を持たれた理由として、色々な悩みを持っていた時に、お寺には相談に行く気にはなれなかったという、インタビュー映像があって。
それは、お寺は景色でしかなかったという、発言があったのですね。それだから、全然影響力がないんだなと思って。いくら数だけあっても、影響力がないし。日常的な人々の悩みに答えられないんだったら、なんかそんなに、まざある種、存在意義が薄い感じになってしまっているという。
《 加 》 元々は、そういうワクワクする場所だったのですか。
《 早 》 元々は、ワクワクする場所でしたね。落語を聴いたりとか、例えばですね。後は、相談など、村の寺子屋みたいな感じで。江戸時代とかは、例えば夫婦の仲を和尚さんが取り持ってやったりとか。
《 加 》 人生相談みたいな。
《 早 》 または、そこで勉強をして、手習いの場所だったりとか。もしくは、色々な子供の読み書きとか、そろばんを教えるような場所だったりとか。あとはもう、娯楽の場所でもあったりとか。映画を見たりとか、落語を聴いたりとか。そういう場所であった。
《 加 》 文化の中心というか、生活に凄く根付いていたということですね。
《 早 》 そうですね。情報の発信基地みたいな、活動をしていたと思うのですね。それが段々と色々な分野が、専門家、専門的にこう分かれて分断されていく中で、お寺に残ったのが一つ。儀式という物しか、残らなくなってしまったという感じで。
《 加 》 もう本当に形しか残っていない。スカスカな感じになってしまっているという感じですか。今の状況というのは。
《 早 》 そうですね。今の状況では、その感が強い。もちろんそれによって、何と言うのですかね。お寺のお坊さんに供養してもらうから、心が落ち着きますとか。心が洗われますという方もいらっしゃるので。それ自体は非常に大切な問題ですけれども。それ以外の部分が、一般の人と全く関係ない場所になってしまっているので。
だから、寺子屋ブッダでやりたいのは、もちろんそういうお経を読むとか、儀式をするということも大切にしながらも。それ以外の人との接点を、できるだけ増やしていきたいなと。
例えば、お寺でヨガを やっても良いですし。写経でも良いし。後は、ただのこう、子供の。何と言うのですかね。読書をする会でも良いですし。何かこう一般の人が、日常生活をより良く生きるための接点を多く 持った方が、良いなという。そういうことを企画しているのが、寺子屋ブッタという組織なんですよね。
《 加 》 基本的に、より良く生きる為には、何かこう自分が成長していくとか。何かこう、自分が成長してくる時って、結構ワクワクしますよね。
《 早 》 そうですね。
《 加 》 だから、多分そこなのかなというのがあって。今、おっしゃっていたのは、入り口をいっぱい増やす。目的は、そういった自分の成長というか。どんどん変わる方に、変えていくような場にしていくというか。現代にあった入り口をいっぱい作るような感じに。
《 早 》 そうですね。あの人によってやっぱり興味関心とか、同じ人でも、何というのですかね。時代や年代によって、興味を持たれることって違うと思うのですけれども。なるべく多く、一つはポートを開くというのと。
もう一つは、それでも何でもやって良いわけでは無いと思うんですね。一つの軸が必要で、お寺って何の為にあるかというと、やはり今を大切に生きるという事に繋がったイベントであったり、行事じゃないといけないと思うのですよ。
今という瞬間、この自分が貰っている命を大切に使えるように。来た時よりも、ちょっとすっきりした気持ちで帰って。例えばなんですかね、檀家さんだと、おばあちゃんおじいちゃんの介護で疲れて。少し心がささくれているんですという感じで来た時に、写経をしてなんかこう90分なり。1時間こう集中して字と向き合って、そのことに心を向けて。
そこで少しこう自分の中の棚卸というか。垢を落として、家に帰った時に、あの人に優しくできるとか。自分がやっている、今のこの仕事に誇りを持てるとか。そういう風に日常をより良く生きる。しかも、今を大切に生きることができるようになるためのものじゃないといけないと思うんですけれど。
《 加 》 軸は、今を大切に生きることですか。
《 早 》 そうですね。
《 加 》 良く考えてみると、そのヨガとか、写経とか。他にどんな事をされているのでしたっけ。ヨガとか写経とか。
《 早 》 うちはですね、仏教講座と。あとは、瞑想ですね。あとは、写経やヨガとか。
《 加 》 そういうのって、今を生きるための、良く考えてみるとツールですよね。ツールというか。
《 早 》 そうですね。
《 加 》 窓口みたいな感じが。あまり詳しくはないですけれども。そんな感じがするのかなという気がするのですけれども。
《 早 》 だから、もう知的好奇心で仏教に興味を持っても良いし。もしくは後は、瞑想とかでいえば、今は本当にマインドフルネス瞑想とか。ブームがありますけれども。そういう自分の体験として、仕事のパフォーマンスを上げたいとか。もしくは、心のモヤモヤや怒りとかがどうしても自分でコントロールができないから、瞑想に興味を持ったとか。
そういう何か体験であったり、学びであったり。あとは、癒しとか。あとは、気付きが欲しいとか。そういう色々な入り口からこう入ってきて。で、自分の心と体を整える。心と自分の何というのですかね、身体の。
例えば、ヨガだったらバランスを整えて、実際にこう姿勢がピシっとして。そうすると気持ちも、ピシッとするとか。そうすると、気持ちが良くなって、リラックスをして帰ると、人間関係が上手く行ったりとか。日常生活がうまくいくという。心と身体を整えて、帰っていただくというのが、お寺の仕事だと思うのですよね。それが、今を大切に生きるという事に繋がるのかなという風に思います。
《 加 》 その7万件というのを、僕は初めて知ったのですけれども。7万件が本当にこう元気になってくると、全然日本が変わりますよね。
《 早 》 そうですね。あの、実際にたくさん多分、この周りにも、お寺ってあると思うのですけれども。じゃあ、そのお寺って何してるのかなと思った時に、多分わからないと思うのですね。
《 加 》 そうですね。
《 早 》 何というのですかね。まぁ、あるけれども、なんかたまにこうお葬式の時に、人が集まるぐらいで。あとは、黒い喪服を着た人たちが、昼間に法事のために来るぐらいで。特に何をやっているのかって、わからないと思うし。
お寺のお坊さんも、普段は何をやっているのか、多分わからないと思うし。景色でしかないと思うのですよ。あそこは、何となく日本らしい風情のある、原風景だなと思うと思うのですけれども。自分のリアルな日常生活に関係があるかというと、多分ないと思うのですね。
でも、それが一割でも多分、その日常的に通う場所になって、仕事終わりに写経をして、自分の会社で今日あった嫌なことを、写経することによって、忘れることが出来るとか。もしくは、上司に言われたで何かダメ出しを写経することによって、あぁこういう、自分の為に言ってくれた言葉なんだなと。その60分で思うことができれば、全然日常が変わってくると思うのですよ。だから、そういう場所にしてもらえれば、お寺というのはやはり存在価値が上がるし。そこに存在する意味が出てくると思うのですよね。
《 加 》 お話を伺った中では、こうお若い方が皆さんで結構されていて。で、入り口も結構、そうやって様々ではないですか。そういうのって、はたから見て思うのですけれども。先輩の和尚さんとかで、えぇ、そんなこととかっていう反応ってないのですか。やはりこう、7万件あると、やはり全部が全部、それいいね。やってみようかみたいな人や、和尚さんばかりでは無いと思うのですよね。なのでやはりそこを、そういう事ってありますか。
《 早 》 いや、もちろん。おっしゃることは、重々良くわかります。特に、仏教会なんて、なんて言って良いのかあれですけれど。まぁ、縦社会ですし。やはり年功序列なんですね。私は今、34歳なんですけれど。34歳っていうと、世の中でいうと中年ですけれども。お寺の世界だったらもう、赤ちゃんぐらいの話で。60代や70代でやっと一端のお坊さんみたいな。
《 加 》 そうなんですか。
《 早 》 そうです。そうです。もうそれくらいの、年齢を重ねていくと。例えば今、お坊さんって90代ぐらいが一番、元気なんですよ。元気というか。
《 加 》 日本のお坊さんの中で?
《 早 》 そうですね。本山とかで入って、こう完寿さんとか。やっとなんかこの、何というのですかね。独り立ちをしたな、立派な人だなと思われるのは、80代や90代ぐらいにならないとダメな世界なので。やはり上の人を説得するというのは、すごい大変なんですけれども。
昔も多分、若い血気盛んなお坊さんが、自分はこの仏教を変えてやるとか。このお寺でこういうことをやりたいという人は、いっぱいいたと思うのですね。でも、なんで今こういう動きがしやすくなったのかと言うと、やはりこのテクノロジーの進化によって、例えばSNS とか。あとは、インターネットですよね。
自分のお寺ではやっていると、周りに反対される。親に反対されて、何かこう潰されるようなことも、同じようなことを考えている人は、やはり点々とはいるわけですよね。で、それが、繋がることができると、自分の考えって間違っていなかったのかと思えるのですよ。
しかも、私は日蓮宗という組織の中でこう、動きますけれども。他の宗派に行けば、もっとそういう人は沢山いて。寺子屋ブッタに関わる人は、さっきも言いましたけれども。他の浄土宗とか、浄土真宗とか。色々な宗派の人がいらっしゃるので。
自分の考えていてやりたかったことが、自分の身内の中で言うと、全然そんなの意味ないじゃない。無理だよと言われるのが。少し世界を広げると、それ面白そうだね。自分もやってみたい。そういうことを考えていたという人がたくさんいて、それがゆるく繋がっていくことができて。それを活動にしていくことができる時代なので、時代が良かったというのも多分あると思いますね。
《 加 》 時代の流れというか。逆にこう、宗が違うから、繋がることができたということもあるんですね。
《 早 》 やはり同じ宗派だとどうしても、ぶつかってしまうところが沢山あって。やはり宗般にはその、何ですかね。少しマニアックな話になってしまいますけれども、教学というものがって。日蓮宗だったら日蓮教学という。まぁ、浄土真宗だったら、信者さんも教学とか。色々と教学があって。
《 加 》 教学って教えるのですか。
《 早 》 そうですね。教えるを学ぶ学という。それはもう、祖師といわれる宗派を作った人たちの、何というのですか。思想と言うのを、学ぶことなんですけれども。どうしてもそこを、日蓮上人の言葉にはこういう事はないとか。そういう細かいことに入ってしまうのですよ。視野が狭い所での議論になってしまって。
ただその、他宗のお坊さんと言うか、その他の宗派のお坊さんと話をする時は、もう少し前段階に戻って。仏教ってこういうもんだよねという枠で、話が出来るのですよね。そうすると、なんて言うのですかね。もっと広く話ができて、仏教ってそもそもどういうもんだったのか。何のために仏教ってあるのかという、もう少し広い視野で見ることができるので。実際に活動しやすいし、そこでの議論ででた結論の方が、多分一般の人にはわかりやすいんじゃないのかなという感じはあります。
《 加 》 いやぁ、おっしゃる通りだと思います。僕は無宗教なんですけれど、本音を言うと、仏教をされている方が苦手なんですね。
《 早 》 それが絶対にあるものだと思ってしまうと。やはりその何というのですかね。盲目的な、やはり進行になってしまう気がするのですよ。
相武台脳神経外科
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