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IMトレーニングとマインドフルネスとの関係性。奈良学園大学 教授 辻下守弘先生 PART3

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《 加 》      こんにちは。相武台脳神経外科の加藤貴弘です。今日は、当院で行っているIM(インタラクティブ・メトロノーム)トレーニングに関して、辻下先生の方からお話を頂きます。どうぞ、よろしくお願いいたします。

《 辻 》       よろしくお願いします。奈良学園大学の辻下と申します。よろしくお願いします。私は、リハビリテーションの方に関わっている職種なんですけれども。インタラクティブ・メトロノームというですね。一つの訓練方法ですね。それについて、ちょっとご紹介をしたいと思います。

 IMというインタラクティブメトロノームは、基本はこの機材ですね。この一番四角形のこれが、いわゆるその1/1000秒のリズムを正確に出して。かつ、そのトリガーからくるリズムと、出したリズムのマッチングをして。誤差をフィードバックするという機材ですね。これをコントロールするのに、パソコンが必要になるのですが。基本のメインのシステムは、この中に内蔵されています。

 それから、 ボタントリガーとかですね。フットマットとかですね。あとはマットトリガーとかですね。色々とちょっと種類はあるのですけれども。これを、色々と組み合わせて使うことができるということですよね。基本は、ヘッドホンで聞いて音に集中しながら、叩いてもらうということが基本になるということですね。

 この音。こういった音が鳴っていて、カウベルというこの音が鳴っていて。この音にぴったりと合わせるということですよね。音が鳴ってから叩くのではなくて、音と同時に叩くということになります。そして、その時の誤差が、こういう形で数字で表示されますね。丁度、この真ん中の緑のところが、15ミリセカンドとか。22ミリセカンドとか。かなりこう、誤差の小さいですね。これは、自由に設定が出来るのですけれども。そこになるべく入るように、叩きましょうかというのが、この方法になります。

 そして、色々と先程お話したように、ゲームですね。色々なゲーム素材がありまして。ちょっとこれは、子どもさん用に作られたものなんですけれども。そのさっきの緑の、いわゆるタイミングが合っているなというところに、きちんとタイミングが合うと、今、この場合は、ちょっと花がぱぁっと開くみたいな感じですね。ちょっと妖精みたいなものも飛んでいて。うまいことがあえば、花が開くという。なので、開くように頑張ろうねみたいな感じで、子どもさんにちょっとモチベーションを高めてもらうということですね。

 後は結構、こういうのも面白いのですけれども。これはあの、上手いこと合うとこのゴリラが、おさるさんがここを登っていくのですね。そして、登っていって、何回か連続で上手いこと合うと、こうやってバナナがパラパラパラっと落ちてくるのですよね。結構、IMが大事にしているのが、何か連続してですね。タイミングがぴったり合うという状態を増やしていくというのは、結構トレーニング効果としては重要ということで。このゲームなんかもう、何回か連続でやると、パラパラと落ちるということですね。バナナが落ちてくると。そういうことで、ちょっとモチベーションとかを高めていくというわけですよね。

 先ほど、ちょっと出てきたのですけれども、いわゆるフィードバックですね。この結果を表示する画面で、ちょっとこの真ん中のところが緑色で、両側が黄色で。それ以外のところが、赤色になっています。

 そして、ちょっとこの右側というのは、タイミングが遅いよと。そして、この左側というのが、タイミングが早いよという表示が出てくるので。左にでたら、ちょっと遅めに。右に出たら、ちょっと早めにみたいな形で、調整していくということですね。それと、ここの工夫としては、ここは自由に設定できるのですけれども。

 一番こうタイミングの取れる設定としては、大体10ミリセカンドとかですね。大体10ミリセカンド以下ぐらいの設定ができるのですけれども。ここに上手いこと入れるようにすると。そうすると、リワード音といって、ツーン、ツーンというですね。心地の良い音が、ガイド音で鳴ってくれるのですね。

 それ以外は、ちょっと惜しいのですけれども。まだちょっと緑のところには入らないというところでは、ゴムバンドの弾くような音。ブルン、ブルンみたいな音が鳴っているのですね。それが、かなり外れてしまうと、ブザー音がブーッと鳴ってしまうということですよね。その三つの音で、そのタイミングのズレをフィードバックしていくという。なので、いったらその音。ツーン、ツーンという、そういった音が鳴るように、トレーニングをしていきましょうといった形で、一応こうフィードバックをかけていますよという。

 それと、面白いことにですね。今、先ほどお話しをした、こうやってこう五つの窓があって、なるべく緑に入るようにという。こういう表示があるパターンと。それから、それがない状態ですね。特に最初の頃は、その画面はあんまり見ずに、まずはちょっと音を聞いてもらうということですね。音を聞いてもらって、それで、しっかりとそれに音をぴったり合わせるようにしてもらうということです。

 そして、それがある程度理解できたら、ちょっとこれを見てもらいながら、ズレを修正していくという様な形で、全くその画面として何も出ないものから、そういうフィードバックの画面が出るやつもありますね。

 それから、通常はカウベルの音なんですけれども、フラッシュですね。音なしでフラッシュだけがでると。そのフラッシュが、パッと光って点いた時に、同時に叩くみたいな。だから、視覚的な情報でタイミングを合わせるという方法のトレーニングも、一応種類としてはあるということですね。ここら辺は、ちょっとその人の状況に合わせて、ここら辺は使い分けていくということになりますね。

 あとは、ゲームが割と9種類ほどあって。9種類ぐらいですね。背景画面とかも、色々な背景画面がありますね。そして、基本的なIMの進め方としては、まずはアセスメントですね。これは、ショートフォームアセスメントですね。それと、ロングフォームアセスメントというのがありまして。

 基本は、まずはショートフォームアセスメントというものですね。その一分間に、54のテンポで叩いてもらって。どれくらいの誤差があるのかというのを、ガイド音なしでやる場合と、ガイド音を入れてやる場合と。大体は、その2種類をやってもらうこと。それで大体、基本的なタイミングのズレを知った上で、その後に、総合評価で手だけでは無くて、足とか。それから、手と足の連携とか。左右の連携とか、そういったものをやるトレーニングや評価を含めて、それで総合的にその人の状況みたいなものを評価した上で、トレーニングをしていくということになります。

 トレーニングのステップとしては、兎に角、基準音にぴったりと合わせていくという練習をしていって。そこから、じわじわとそのガイド音で、タイミングをより精度を高めていったりして。あとは、最初は両手だけなんですけれども、左右もやったり、あとは、足も含めた、手と足を含めたりという形で、ちょっと難しくしていくという。

 さらに、それが上手いこと出来ていくと、もう逆にそのあんまり。さっきのフィードバックをやらずに、本当に目を閉じてもう音だけに集中して。これを結構、長時間。いわゆる30分や40分ほど。長時間こうやっていくということで。トレーニング効果は非常に高くなっていくという結果がでていますね。

《 加 》      今の生活をしていると、一つのことに集中することってあまりないですよね。

《 辻 》       無いですよね。そうですね。

《 加 》      テレビを見ながら携帯を見たり、ご飯を食べながらテレビを観たりと。結構、マルチタスクなことが多いので。30分同じことに集中するというのは、なかなかないですよね。

《 辻 》       そうですよね。だから、これはまさしくこれはあれだと思うのですよね。今、流行りのマインドフルネスですね。瞑想ではないけれども、やはり何もせずに瞑想をするのって、ちょっと難しいのですけれども。こういうものに集中して、長時間それをやり続けるというのは。一種のマインドフルネスですよね。

《 加 》      本質的にはこれは、マインドフルネスということですよね。繋がりがありますね。

《 辻 》       そういう感じですね。一応、僕的には、サイバーマインドフルネスと言っているのですけれども。

《 加 》       サイバーマインドフルネス。

《 辻 》       ちょっとそういう機械を使ったマインドフルネスですね。あんまり、サイバーマインドフルネスは、こういう機械を使ってというのは、日本ではあまり言われないのですけれども。

《 加 》       イメージが悪くなるということですかね。

《 辻 》       そうそう。そうですね。

《 加 》       機械だからですかね。

《 辻 》       でも、結構、アメリカの方は、バイオフィードバックとかも流行っているみたいに。こういう機械を使ってやるのが、割と好きみたいで。

《 加 》       好きですよね。なかなかこう、瞑想をしていたら、すぐにこう脳波とかを測りだしますし。

《 辻 》       そうそうそうそう。そういったイメージがありますよね。日本では、あまりちょっと好かれないのですよね。

《 加 》       機械でこういうのを、可視化したがりますよね。

《 辻 》       だから結構、そういうのが昔から流行ってきているみたいですね。だから、基本的にもう結構、30、40年くらい前から、実はああいったサイバーマインドフルネスでは無いのですけれども。ああいったバイオフィードバックを使った瞑想というのが、結局、西海岸の方ではかなり流行っていて。

 もう昔のドラマですけれども、アメリカのバイオニックジェミーというですね。ああいうドラマでは、もうその頃にドラマの主のテーマで、バイオフィードバックの教育テーマがあるくらい、結構、流行っているのですよね。一般市民が、バイオフィードバックと聞いてもわかるくらいのレベルで、向こうではやはり流行っているのですよね。

 それが、ずっともう今も歴史的には、バイオフィードバックが流行ってきていて。あとは、細菌は、脳波を使ったニューロフィードバックに繋がっていて。そして、こういったIMなんかも、色々と受け入れやすいのですよね。そういった背景があるので。

《 加 》       じゃあ、自分の感覚を客観的に何かで評価して、それを見て。また自分も、フィードバックするということですよね。

《 辻 》       そうですね。そういうのが、なんかやはり文化的に馴染みがあるのですよね。

《 加 》       なんかもうとりあえず、目に見えるものにしたいというのがありますよね。

《 辻 》       まさしくそうですよね。目で見える形にしたいですよね。

《 加 》       見える形にしたいということですね。

《 辻 》       目での見える化が好きですよね。でも、日本では何か、目で見えない方が良いみたいなところが、何かありますので。例えばなんか、謎のままの方が良いみたいなところがあって。あまりリアルに、ダイレクトにわかるのは、なんかこうあまり好かれないですよね。

《 加 》       何かこう、わび・さびがなくなりますよね。わび・さびというのを、全部数字化したら、なんかこう全然、なんかそうですね。興覚めしますよね。何かロマンが無くなりますよね。

《 辻 》       ロマンが無くなるところですね。ちょっとこう包み隠す文化がありますからね、日本の場合は。

《 加 》       一つの評価としては、やはり良いと思いますよね。

《 辻 》       先程、言いましたショートフォームというのは、2つのやつと。あとは、12個あるやつと。あとは、アテンドオーバータイムというやつは、15分間これをやるのですよね。15分間で。これは一回、加藤先生にやって頂きたいのですけれども。なかなか面白いです。15分間というのは、結構長く感じるのですけれども。多分、それに集中してやっていると。でも、何というのですかね。非常に心地良くなるのですよね。

《 加 》       途中から。

《 辻 》       途中からですね。先程、お話しをしていた、ガイド音とかをやると、ツーンツーンというのをやるでしょう。あのツーン、ツーンという音がずっと続くと、すごく心地良くなっていって。多分、ドーパミンが出てくると思うのですけれども。かなり活性化してきますね。それをやってから、次の作業とか仕事とかをすると、非常にひらめきが出たりとか。

《 加 》       すごいですね。

《 辻 》       落ち着いてきて。集中力が高まってくるということですね。だから、なかなか子どもさんは、難しいところがあると思うのですが。それでも、子どもさんの中でも、トレーニングをしていくと、その15分間。ずっとやっている人はいますからね。

《 加 》       15分間、持つのですか。

《 辻 》       そして、僕が担当した人ですね。小学校4、5年生くらいのお子さんは、やはり50分くらいずっとやっていましたからね。それでも全然、集中力は途絶えないで喜んでやっていたのですよね。練習を続ける子が結構いるので。そういった、子どもの教育としては、一つ良いかなという考えがありますね。

《 加 》       今は、本当にこう、診察室に来ても、落ち着きがないお子さんは多いですからね。

《 辻 》       多いですよね。だから、そういった子どもにちょっと、まずはね。これを、待ち時間にやって頂くとか。

《 加 》       待ち時間にですか。

《 辻 》       待ち時間とかにですね。なので一応、僕が推奨しているのが、塾とかで。やはりその塾で勉強をする広義の前にね。このIMの本も置いておいてもらって。いわゆるもう、5分間でも10分間でも良いので。兎に角、これに集中してもらう。そして、これをやった上で授業に望むと、やはり非常に効果がでてくるという。

そのアメリカのIM社は、ちょっとこういわゆる貧困街の小学校に、このIMを試験的に寄贈をしてね。授業前にですね、やはり10分や20分ね。みんなにやってもらうと。そういうことをすると、地区の学力がぐんと上がったというですね。そういった報告を一応、していますね。だから、そういったものを使うというのは、良いことだなと思いますね。

 今は、小学校では授業の前に、本読みとかがあるじゃないですか。あれと同じ様な効果があるということですね。やはりこう集中させるということが、そのあとの授業の学習効果を高めるみたいなところがあるみたいで。このアテンドオーバータイムというのは面白いので、後で是非1回、やっていただくと面白いなと思いますね。僕も、時々やりますけれども。やはり、心が乱れていると、乱れてくるのですよね。

《 加 》       そうなんですね。待合室で、人がいるところだとやはりダメですかね。

《 辻 》       そうですね。そういったところは。あまりガヤガヤしているというのはね。

《 加 》       別室的なところが良いですよね。

《 辻 》       そうですね。別室を用意してやった方が、良いかもしれないですよね。集中出来るところであればね。だから、今は放課後等デイサービスという、子どもさんのところでは今、僕がいる広島では2件くらい、やって頂いているのですけれども。そこはだから、もう一つの部屋を設けています。IMルームというものを。そこで、10分や20分間ですね。やってもらったりとか、そういうことをやっている感じですね。その後、ちょっと音楽の練習をしたりとかですね。そういうことが出来るように、やっているところがありますよね。すごく、それは良いことかなと思ってはいますよね。

 でも、やはりそうすると、確かに効果は上がるかなということですよね。

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