こんにちは。相武台脳神経外科の加藤貴弘です。今日は、平成27年の5月29日の金曜日です。患者さんと接していく中で、採血データの数字をすごく気にする方がいたり、血圧データの数字などもちろん大切ですけれども。後は、MRIの画像の初見を見て、そこで一喜一憂したりすることは、すごくいらっしゃいます。
よくよくお話を聞いてみると、私は目に見えることしか信じませんという風に、表に言ってくる方もいれば、やはり無意識にそういった思考習慣になっている方も多いです。特に若い世代の方というのは、元々はそういう思考。そういう思考習慣で、今まで来られた方が多いのですけれども。良く考えてみると、目に見えるものしか信じないと言われても、人間は目が見えなくても、きちんと人生を楽しんでいる方という方は、もちろん多いですし。耳が聞こえなくても、ヘレンケラーのように、功績を残す方だっているわけなので。
そういったことを考えると、目に見えないものというのは、基本的には大切な物というのは、非常に多いと僕自身が考えています。世の中の物事というのは、もちろんその原則。法則に従って、色々と絡み合った法則に従って、原因があって結果があって、起こっているのですが。その一つの法則を唱えて、一つの数字を客観的に見て、どうのこうのというのは簡単なのですけれども。
やはりその法則自体は、実際に目に見えるもの。あるいは、今は科学で解明されているもの以外の部分の方が、やはりその大きいんだという意味で。そこが大きいのだとまで考えなくても、半分半分ぐらいは、やはり目に見えない部分というのは、やはりその法則自体、そういった影で流れているのだというのは、しっかりと認識するということ。現実を認識するということは、必要なのではないかなと思います。
数字だけで良いのであれば、おそらく人工知能とか機械が診察をして、それで、自動販売機みたいに薬が出て、何かのアドバイスがでてっていうのは、今後は可能になると思うのですけれども。その医学が解明されて、数字化されていない部分というのも、人間の身体の法則の中では多いですから。やはり、目に見えない部分は多いです。
だから、僕自身が血圧の薬を出す。不眠症の薬をだす。脳梗塞予防の血液をサラサラにする薬をだすという様なことを判断する上でも、別にそのもちろん数字は大切に重要視していますが。数字だけで判断しているわけではないので。やはりちょっとその人間の身体と向き合っていく上で、目に見えない部分というのは、非常に重要なんだということを、認識するということは重要かなと思います。
やはり、ご自身で目に見えない、あるいは、耳で聞こえない。感覚で感じられない部分は、直感で感じられる部分とか。そういった意味で、そういった目に見える数字で、踊らされていると、やはりその結果、医療に踊らされてしまうことになりますので
やはり、患者さん一人ひとりが生きていく上での、最低限のことだと思うのですけれども。人間の健康って何なのかなとか。どういう状態が一番自分としては楽しい状態。満足な状態なのかなということを、ある程度、考え続けるということ。地に足を着けて、健康のことを考え続ける。それを、ご自身の子どもさんにもお伝えしていく。そして、ご自身の子どもさんにもまた、子どもさんの子どもさん自身で考えていくという、思考習慣が大事なのかなと思います。
その身体のことに関しては、目に見える部分。例えば、今は医学でわかっている部分に丸投げをして、それでちょっと数字から離れていたら、薬を飲まなければという風な。やはり、地に足をつけて、自分自身の身体はどうあるべきかということは、冷静に考えていくということは、やはりご自身の人生というのは、ご自分の身体を通して、全て経験をされているわけなので。
やはり、身体というのは、人生を生きていく上で、大変重要であって。その身体はどういう状態になりたいのか。どういう理想的な状態でありたいのかというのは、自分が地に足をつけて考えていくということをしないと、やはりその医療という、言ってみれば表面の部分というか、あさはかな部分の奴隷になるということになりかねないので。
基本的に医療というのは、手段としてはもう最高のエイチですけれども。それが目的化してしまうと、本当におかしな関係性になってしまいますので。ただ、診察させて頂いて、やはりその医療とか、その採血データとか血液データというのが、手段ではなくて目的と化しているところもあるので。
まずは、ご自身の健康というのは何だろうかというのを、地に足を着けて考えるということが、ご自身の人生を楽しくしていく上で、すごく重要かなと思います。今日は、人間の身体にとって、目に見えない部分。自分で今は完治できない部分というのを、すごく大切なところがありますよという話をさせて頂きました。今日は、以上です。