YouTube

日本人が目指すべきはヨーロッパ型か?アメリカ型か?あるいは?!第4回

投稿日:

《 加 》    相武台脳神経科外科の加藤貴弘です。今日は、チャンネルSに、デフレの正体と里山資本主義を書かれた、藻谷浩介さんをお招きしてお話を伺います。当院では、健康を考えていくうえで、まずは体の声を聴き続けましょうという根本的な事に関して、お話しさせて頂いていますけれども。

 藻谷さんご自身は、社会に対して元々、私たちはどういった社会を作った方が良いのかという根本的な事に対してのお話を、この2冊の本でさせて頂いているので。結局、社会に対しても体に対しても、言いたいことは一緒なのだという事を、今回のお話しで皆さんにお伝え出来ればなと思います。今日はおそらく、非常に面白いお話しが聞けると思いますので、どうぞ、よろしくお願い致します。

《 藻 》     中国も本当にシンガポール化してまして。もうどこに行っても同じ景色なの最近。同じ街の中が。アメリカみたいなのですよ。どの街に降りても、同じ形をしている。昔からそうだったのでしょうね。

《 加 》    結局、そういう方向に行ってしまっている文化大学名の前は、ちゃんと中国人の良い状態の人がいっぱいいたのかもしれないですけれど。全部、中国人の魂をそこに捨ててしまった様な気がするのですけれども。

《 藻 》     何かね、その文化大学名でダメになったという話もあるし。最近のバブルの資本主義化でおかしくなったという説もあるのだけれど。恐らく、ずっとそれ以前から、標準化を目指す社会なのです。これは、ある意味偉大なポイントでもあるし、良い面悪い面もあります。

 全員が中間を目指す、標準を目指す社会なのですね。だからその、隅々の街まで同じ形に見える様な街を作って。アメリカと全く同じですね。どの街に行ってもマテンロウがあって、同じ様な住宅地があって。同じ様なファーストフードがあるので。電車のデザインも同じ。これはアメリカ人の理想とする所でして。中国という大文明社会も同じですね。どこに行っても同じ形を作るという事を、実は4000年間やっていたと思います。

 その結果、何が起きるのかというとね。戦争になっていない時は平和になっています。非常に広い範囲に、民族対立が起きないという。恐るべき事が起きるのですね。そりゃ、民族対立を弾圧しているだろうと言われるけれども、一言申し上げておくと、中国における民族弾圧というのは、ヨーロッパにおける人種完投数よりはずっと弱いです。分かります。無いわけではないけれども、何とか族だと偉くなる例とかいう事はありません。

 そのアメリカにおける人種と同じです。あるけれども、いうても、何人だと偉くなれないという事は無いのですよ。で、年々、それは優遇しているわけですよね。だから、黒人でもなれるしと証明されている。今度、共和党の有力候補は奥さんがヒスパニックですよね。という風にね、なんというかその、普遍化の方向に向かっていく社会なのですね。同じ範囲でヨーロッパで取ってみて下さい。

 もう、何十種類も違う人が住んでいて、歴史を読むと散れ地で争う抗争の殺し合いの歴史ですよ。正直言って、何が違うのですかという人達が、もう本気になって殺し合うというね。もう中国人から見ると、北京と上海とかね、1700キロとかですね。ヨーロッパでいくと、モスクワかロンドンですよ。

 その範囲内が、もう何十種類もの言語に分かれていてヨーロッパが。それぞれが俺は違う、あいつとは違うんだといって騒いでいる訳ですよ。どこが境界があるのかが全くわからないけれど。中国人は統一する。そうすると、話長くなるのだけれど何が起きるのかと言うと、結局、中国はヨーロッパやアメリカに比べるとやはり平和だ。長い間ね。戦争すると言うけれど、400年間平和だという事が、異民族が入ってこなければ平和だったという事をずっと繰り返している訳ですよ。

 悪いけれど総体的には、周りの国を侵略しまくったというのもありますが。例えば、イギリスやロシアがやった事と比べるとずいぶん少ないです。分かります?ロシアがシベリアまでバーッと出てきたのに、逆に中国はバーッとフィンランドまで行ったりしてないです。それは、モンゴルまでは行きましたけれどね。中国人は一切やってないのですね。

 アメリカと同じです。アメリカ大陸も結局、色々とあって。沢山人を殺しているけれども。基本的には、メキシコとアメリカとカナダは、時々戦争をしていたけれど。基本的には、やっていないのですよ。南米もやっていません。そういう社会なのです。

 そういう社会で凄く良いのだけれども、まさに標準化しているので、日本製品が簡単に儲けられる。メキシコに対しての日本は大黒字なのですけれどもね。同じ様に、カナダに対してもあれだけ資源国なのに日本は実はトントンなのですよね。日本製品は売れる。で、中国に対してもだから黒字になります。彼らが豊かになればなる程、黒字になる。

《 加 》    何か中国って標準化しつつも、心は忘れない国だと思っていたのですけれどね。昔は。

《 藻 》     今でも、これからどうなるのか分からないのだけれど、今のところ見てみるとやはり、台湾とかも台湾独自の物を持っていたりするけれども。やはりどちらかと言うと、日本の方が黒字になりますね。なので、電車とかを見ていると分かるのですね。中国の新幹線って、日本の新幹線とドイツの新幹線はハイブリッドなのですけれど。同じ様なデザインになっている。全路線が同じデザインなのです。全部黒の10両編成、同じ車内デザイン。

 日本が、実はアメリカなのかヨーロッパなのかと言った時に、日本は良い所どりでしてね。アメリカ的な面もあるのですが、ヨーロッパ的な面で言うと、本当に車のデザインを変えたがります日本は。中国みたいに、全新幹線が同じデザインなんて事は絶対にやりません。中国の新幹線駅や北京駅なのか上海駅なのか全部同じデザインです。

 日本も、昔は新幹線の駅は皆同じデザインだったのですけれども。今は最近作ったやつは全部違いますね。やはりね、違うように違うように作るという、うちはちょっと個性が違うのだ!という事を出そうという意識が、日本には若干、中国やアメリカよりはあります。

 その一方で、この東京近郊の駅前みたいに、全部同じ駅前にしたがるという謎の人達もいるのですよね。ここはね、日本にはヨーロッパ的センスがあるという事なのですね。で、郷土食だとかがやはり、郷土の食事。独自の食材、何とか産。地元産の野菜にこだわる文化がまだ残っていますね。安ければ良いとは言わない。そうじゃない人もいる。

 一時は、アメリカがしたのですよ。ちょっと上の世代ですね。70代の人達とかね。物凄く日本人と同じにしたがったのです。ちなみに今でもそうですよ。どこに行ってもスーパードライが出てくるのです。なぜ地ビールを出さないと、僕はずっと言っている。お酒に関してはようやく、名だたる吉平や月桂冠が出てくる時代は終わって。地酒が出てくるのが普通になったのだけれど。ビールに関しては未だに、郷土食の居酒屋でも、必ずナショナルビールが出て来ちゃうのですよね。もう少しで変わると思っていますけれどね。

 今はその標準化と、要するにアメリカ的なものとヨーロッパ化がせめぎ合っているというか。アメリカみたいにどこに行ってもバドワイザーですっというのは、だいぶ変わってきましたね。他方で日本がアメリカとヨーロッパと同じなのは、アメリカ合衆国と同じなのは、ヨーロッパに比べるとはるかに広い範囲が、統一言語、統一文化で統一されているのですよ。これは実はアメリカと同じです。

 あまり意識されていませんけれど、旭川とボストンの緯度は同じでしてね。那覇とマイアミの緯度も同じなんですよ。で、アトランタは丁度福岡でしてね。ニューヨークは青森でってなっているのですけれども。要するにアメリカのね、東部、北から南までとの範囲と日本列島とぴったり同じ大きさなのです。そんなに奥行きはありませんけれどね。相当広い範囲なのですよ。

 ヨーロッパに持っていくと、例えばその、パリからロンドンというのが東京から名古屋くらいですからね。それくらいの範囲内で、相当文化や言語が違うのですねヨーロッパはね。日本はその範囲内は、一応昔から統一されている。方言はあるけれども、とりあえず日本語で統一されていて。

 沖縄語ってヨーロッパでは明らかに違う言葉に入る呑んだけれども。文法的に言うと日本語ですね。韓国語では無いです。だから、何というか非常に広い範囲が、ある種統一言語、統一文化のバリエーションという形で統一されているというのが日本、ヨーロッパ、アメリカ、中国に近いのですね。だから、内戦の無駄なロスが無い。昔から。

 そういうわけで、要するにクドクド言っているけれど、日本とヨーロッパの良い所取りの大手。アメリカとヨーロッパの、良い所取りが出来る文化ですね日本は。そういうね、地域ごとに違う物凄く強い微妙な違いという物を、よりもう少し見直して。もう少しアメリカに寄っているのを、特に衣食住に関して、ヨーロッパ流に変えた方が、競争率が強くなるでしょうというのが、里山資本主義の考え方ですね。

 本当に農業に関して言いますとね、同じ村の中でも田んぼ1枚でも、こっちの田んぼとこっちの田んぼでは、ちょっと作り方を変えた方が、米が取れるというね。ちゃんとノウハウってあるのですよ。物凄いノウハウが個別的なのです。

 それをアメリカ的に言うと、全部同じやり方にした大規模化すれば良いと言っているのだけれど、必ずしもそうでは無いのですよ。何でもアメリカ型して量産化して、コストを下げると勝つというわけでは無いのですよね。むしろ、高く売れる方を作るには、田んぼを一枚一枚やり方を変えた方が良い面もあると。

《 加 》    場所、土が全然違いますし。

《 藻 》     違うのですよ。日当たりも違うのです。で、さらにアメリカ的に、どんどん農薬を入れてね、肥料を撒いて。機械化して大規模耕作した方が良いかと言うと、実は個人個人が手をかけて有機でやった方が、返って高く売れて、。最終的な手取りは全然高いというケースが、日本ではいっぱいあるのですね。

 やはりね、生活の中で全てにおいて日本では、アメリカ的な標準化や大規模化とね。ヨーロッパ的な個別化と、どっちが良いのか。最適解を自分で選ばないといけない。ちなみに、何でもかんでも個別にすれば儲かるというわけでもないですよ。ある通り、標準化した方が良い物は良いですね。だからね、自分の頭で考えて、ミックスを考えないといけない。ベスト・ミックスを。

 今度、ミックスしなければいけないんだという考え方が、ミックスなんていらねぇんだよ。何でもでっかくやって安く済めば良いと。標準化した方が儲かるのだという風に、一部の謎のマグロ経済学者の考え方と全く合わないのですね。

《 加 》    二刀流ですよね。二刀流。

《 藻 》     二刀流でかつ、ミックスなんですね。

《 加 》    ミックスして。

《 藻 》     ケースバイケースなんですよね。剣術の達人はね、二刀流で戦う時もあれば、変な話、拳銃撃ってしまうケースもあれば。無刀流と言いまして、剣を持たずに勝ってしまうケースもあるしね。戦わずして勝つというやつですね。ケースバイケースでありとあらゆる手段を使う事も出来るのだよという。

《 加 》    僕自身も、日本人としての一人の社会人でもあるし、加藤貴弘という個人でもあるので。やはり自分の個性を出す時もあるし。社会としての一員としての役割を出す時もあるので。社会としての役割だけという事だけになってしまうと、話が変になってしまうのですよね。

《 藻 》     そうでしょう。

《 加 》    皆、人間がロボットになってしまう。

《 藻 》     社会の為に頑張りなさいというのは、昔の全体主義なんです。じゃあ、その社会は何の為にあるのですかっという事が、全く見えなくなるのですね。その、究極の世代がその大戦末期の典型なのですけれど。当時は、社会という言葉を言わずに、社会主義はダメなのでね。国体護持と言っていましたね。国体って良く分からないですよね。各地が勝手に解釈しているだけなのですけれど。

 国体護持とは何か。天皇陛下がですね、当時、天皇陛下が早く戦争は辞めようと言っているのに、誰も辞めないというね。しまいには、幽閉してね、抑えて。分かります?ポツダム宣言受託と言ってしまったら、天皇陛下の身柄を抑えて戦争継続という奴らまでいたわけですよ。

《 加 》    天皇の為に戦おうと言っているのに。

《 藻 》     そうですね。国体護持って何なのですか?と、良く分からないのだけれど。とりあえずその、良く分からないけれど、皆の命を大切にして。幸せに暮らしましょうという事を仮に言おうとしているのだとすると、大戦末期は明らかに余計で。やればやる程、人が死んでいったわけですね。そもそも、戦争自体がそうだったのですね。無駄に人が死んでしまっただけで、別に何の助けにもならない。人を沢山、外国人も殺して、意味がない。

 そういう事を、手段と目的が転倒してしまうというね。日本に良くありがちな話が、ここでも繰り返されるのですね。でね、それがどこから来るのかと言うとね。これは、主語の無い日本語というのを話している日本人というのは、主語が無いので、手段が目的なのですよね実は。

 例えば、あなたに一日あげますと。好きなことをして下さいと言われたら、何をして良いのか分かりませんと言う人、物凄く多いですよね。いや、本当に。とりあえず、ノータスク・ノーノルマ。兎に角、今日、あなたがやらなければ行けない事は、自分のやりたい事を一日やる事ですと。

 そう言うと、う~んっと言って、昼ぐらいに飽きてしまったので、何をしたら良いですかと聞きに来てしまって。あなたのやりたい事は、他人に命じられる事ですみたいな。なんて事が起きるわけですよ。というわけで、それはね、日本人らしくて良いっちゃ良いのですけれど。

《 加 》    なんか手段が、社会の目的になっている時は上手くいきますよね。明治維新とか、戦後の復興とか。

《 藻 》     そうですね。目的が正しい時は凄く上手く行くのですけれど。後、他の例だと、公害克服とかね。克服何て上手くいった例なのですけれどやはり。あまりにも公害が行き過ぎて、経済成長をやりすぎて、飲める水や空気が汚くなってしまうと。このままではおかしいよねと、気付いた時に。公害対策というのは、あまり金勘定とか計算しなかったのですよね。分かりますか?

 この時はこの位、マイナス何億円で経済成長もマイナスだから公害対策しようとか、そういう議論はしていないのですね。ちょっと汚しすぎだし、自然に申し訳ないから、公害対策しましょうというだけの事で。企業は皆、コストを払って公害対策を始めたのですね。もちろん、その陰では、大変な犠牲があったのですよ。公害病で沢山の人が苦しんで、あまりにも酷いよという事になったのはあったけれど。実はあの時は、金勘定抜きで公害対策をしようという事になったのです。

 それで実際に、僕みたいな50歳の人間の子供時代から見ると、物凄くキレイになっているのですね、環境が。その後の若い人は知らないと思いますが、当時は、本当に今の中国並に悲惨だったのですね。これをやはりね、目的が正しい事を共有されると、手段としては非常に皆頑張るのですね。

 ただね、今みたいな社会的課題がはっきりとしていない時期生になると。最近みたいに、良くわからないけれど、国際競争に負けてるからもっと稼いで、経済成長しろみたいな事を、全員が目的だと言い出すのですね。ところが実は、今ね。日本の輸出って、実質史上最高ですし。民主党政権の頃から、実質史上最高なのですけれどね。、実質史上最高なのです。だから、これ以上伸ばすのは実は無理なのだけれど。

 国際収支はというと、変に円安にしなければ、その油代さえむやみにあげなければ黒字だしね。実は、何か良く分からないのですよね、何が競争の場で。アジアには負けてはいないので、サムソンが乗せば乗すほど、日本は黒字になるので。全然負けていないのに、勝手に課題を作って、全員でですね邁進しだすわけですよね。

 それで、実はその企業選手が次々とブラック企業で死んでいくという。そのツケとして、子どもが激減するという事が起きているわけですよね。意味が全く分からないのだけれど、ついに戦争の時と同じで何が課題で何をしなければいけないのか、手段と目的が転倒しだしたのですね。

《 加 》    あまり難しく考えないで、やはりこう自分の価値は何なのかという事と、自分の関わっている所の価値は何なのか。その経路は何なのか。日本は何なのか、日本の価値は何なのか。それから、地球の価値は何なのかというのを、それぞれの段階でゆっくり考える場が、皆の中でもてれば良いですね。

《 藻 》     これはね、なかなか難しい問題ですよ。加藤さんね、人間は何の為に生きているのと言われたら、例えばね、子どもがもうね、嫌なのだとね。私はもう生きているのが嫌になってしまったのだと。本当に何の為に私なんか産んだのなんて仮に言ったとしますね。何て答えます?

 
申し訳ないのだけれど、その事の言っているお金の価値というのは、凄く何と言うか。あまり、全然本質に関係ないのですね。

相武台脳神経外科
頭痛、めまい、耳鳴り、海老名、厚木、新百合ヶ丘

-YouTube
-

Copyright© 診察室 延長戦 , 2024 AllRights Reserved Powered by AFFINGER4.