《 陽 》 もう一つ重要なことは、私はいつも言っていることが、我々は、18センチの土壌と、これは地球上のね。平均をしたら、18センチなんです。それから、その18センチに水を満たす田んぼ。水田みたいなものですね。その11cmしか、 我々が使える水が無いのですね。
海の水は、使えない。それから、氷は伝えないと。したがって、我々が使う水というのは、11センチしかない。それから、対流圏というのが、今、我々が呼吸をしている酸素がある状況というのはですね。15キロ上空にしか無いのです。それが、98パーセントの酸素があるところで。O2ですね。
あとはですね、15 キロメートル向こうに行ったら、もう空気が無いのですよ。成層圏という圏でね。だから、18センチメートルだとすると、11センチメートルと15キログラムと、 今度は3ミリのオゾン層。40キロメートル上空でオゾン層になりますよね。成層圏ですけれどもね。
そこのオゾン層を、ぐーっと抑えてきて、地球上に圧縮すると、3ミリしかないのです。その3ミリメートルが、太陽からの紫外線を防いでくれているから、我々はこうやって生きているのだと。それが、私のいう。
そして、それからもう一つは、生物が我々を作っているということ。だから、500万円しますけれども。我々は実は、生きているのではなくて、生かされていると。18センチメートルの土壌と、11センチメートルの水と、15キログラムの大気の酸素と。それから、3ミリのオゾン層と。そして、500万種と言われる生き物によって、生かされていると。これが、地球だと言うことです。だから、我々は、生きている地球によって、我々は、生かされているということを、ここまでで言ったつもりなんです。
《 加 》 地球に、生かさせて頂いていると。
《 陽 》 えぇ。生かされてもらっていると思いますね。
《 加 》 そうなんですね。
《 陽 》 これが一つでも駄目になったら、みんな我々は。今、困っているのは、例えば、土壌18センチメートルが、どんどんどんどんと浸食によって流されていると。それから我々が、ケミカルズ。科学物質を土に全部返したために、ここで様々な問題が起こっていると。
今では、食べ物によって脳がおかしくなっているのだという人も、沢山いますよね。そういった仮説を持っている方もいて。そんな風にして、水が汚されているという。それから空気が、対流圏の15キロメートルが、地球の温暖化の問題ですよね。これを、全部ダメにしたのがですね。やはり人間の話で。
その話がここに、次の話ですね。これはですね、私が書いた本なのですけれども。これは、どうでも良いのですが、土と文明とか。土と宗教とか。土と芸術とか。土と全部絡んでいることで、我々が生かされているというのが、私が話したくてしょうがないという。そして、最後は、土と健康。土を健全に保つことが、人々の健康を維持しているのだという。
そういう話を、十数年喋ったり書いたりしてきたけれども。なかなか、理解してもらえないというか。そんな話は、なかなか広がらないですよね。だから、加藤先生とそんな話を出来るのが、楽しみにしてきていますけれども。
《 加 》 ありがとうございます。
《 陽 》 なんでもね。ご質問頂ければと思います。それでね、結局、こういった概念を、私は持っているのですが。その地球、そのものがですね。大気圏、アトモスフィアですね。それから、水圏。それから、もう一つは地殻圏。それから、いわゆる生物圏ですね。今、そして土壌圏。
《 加 》 土壌圏ですか。
《 陽 》 それが今、ちょうど真ん中にあるのですよ。そうするとね。大気圏と土壌圏は繋がっていると。土壌が呼吸していて、大気に出ている。大気を吸っているのが、土壌ですよね。それから、土壌圏と生物圏。これはもう間違いなくね。土壌から作物ができるという。植物ができるという。
それから、土壌と地殻圏。これは、地殻圏が噴火して、土壌圏が出来るという。それから、土壌圏と水圏。必ず、土を通して水が海に流れていく。そうすると、土壌が中心になって我々は、大気・生物・地殻・水圏と。こういうものと関係していると。そして、今まで人類が出てくる前までは、この圏が調和してたのですね。その圏が調和してきたところに、人間圏。要するに、その人間の圏が入り込んだために、我々が大変な状況に今はなりつつあるという。それが、この圏の生存していくために。
昔は、公害と言われていましたね。公害を、もっともっとダイナミックに取り上げて、俯瞰的な視点で見たら、これで良いのではないのかと。人間圏が大気を汚染して、人間圏が河川を汚染していると。
《 加 》 人間そのものが、公害ということですか。
《 陽 》 地球はね、人間そのものが邪魔ですよ。たぶん。いらないじゃないですか。
《 加 》 邪魔ですか。地球にとって人間は、良いことなしですかね。
《 陽 》 わかりません。わかりませんけれども。
《 加 》 だけれども、人間次第ですかね。
《 陽 》 だけれども、さっき言いましたように、人間が生まれるべくして、地球が生まれたのだとすれば、地球圏の最後の作品は、人間なのかもしれないですね。そしてもう少し、今度心配なのが、これに人智圏というものが今から入るかもしれないということです。
《 加 》 人智圏ですか。
《 陽 》 人智圏。シュタイナーってご存じですよね、加藤先生。シュタイナーというドイツの。有機農業をやったりですね。健康のことを話しているシュタイナーという。アレグレット・シュタイナー。
この人智圏というのが、大変難しくて。まだ、科学は進んでいないじゃないですか。それがいうなれば、新しい健康のスピリチャリティ。それとも、絡んでくるかなと。心とかと。
《 加 》 スピリチャリティですか。
《 陽 》 精神的に。健康の定義の中で、いわゆるフィジカル。身体が健康でね。それからもう一つは、ソーシャルウェルビー。社会福祉ですね。そしてもう一つは、メンタル。メンタルを精神と訳したわけですよね。だから、肉体が丈夫で、社会福祉が発達していって。そして、精神があって。病気ではないのを、健康と定義していますよね。1950年くらいの南米地方でね。
そして今度は、新しくもう一つ、スピリチュアリティという言葉を入れて、健康を定義しようということが、10年ぐらい検討されたのですけれども。実は、その宗教がみんな違うから、スピリチュアリティに宗教が違うと、同意する点が、視点が見つからないから。相変わらず健康の定義は、フィジカルとソーシャルビーイングと。それから、メンタル。それで今は、健康の定義も面白いですしね。病気ではない状態というのが。否定して、その定義するというのが、面白いですよね。
これはそうすると、こういう状況にあるのが地球だということで、この土壌圏というのが、実は大変ですね。色々なものに関係していて、だけれども、土壌については誰もですね。ほとんどの人が目を向けないということが、大変なことです。土壌が乱れると、全て健康にまで影響するということが、世の中でなかなか認識して頂いていないというのが、現状だと思います。加藤先生もどうですか。あまりそんなに、土壌が大事だと思いになってはいませんか。
《 加 》 いやその、開業をさせて頂いてから、健康のことをずっと考えるようになりましたけれども。健康のことを考えている時には、やはり腸内環境というのが、すごい大事かなと思っていて。腸内細菌というのは、土壌から来た菌。土壌菌ということを、最近知ったので。本当に、土と腸内環境というのは、すごい密接にあるというのは、凄く痛感していますけれどもね。
《 陽 》 それに、早く行きましょう。それでもう、ごく普通のことですが、先生方をはじめ、医学を勉強する時に、ヒポクラテスを習うことになるでしょう。いわゆるその、科学の医学の原点としてですね。方法論があります。ヒポクラテスは、こういうことを言っているのです。食べ物について知らない人が、どうして人の病気について理解できるのかと。
そして、良く学生に話すのですけれどもね。病院に行って、君は何を食べているのと聞かれた人がいるのかと言ったら、ほとんどが手を挙げないね。それから、公園にいって、おばちゃん達とか。おじいちゃんやおばあちゃん達に聞くと、セクハラと言われるような。おじちゃんやおばちゃん達がいるところで、病院に行って先生に食べ物について聞かれたことがありますかと聞くと、ほとんどが手を挙げている人がいないですね。
医者に行っても、何を食べてるのって聞かない。だけれども、ヒポクラテスの原点は、食べ物について知らない人が、どうして人の病気について理解できるのかと。これを彼は、一番初めに言ったのですね。そのことを裏返したら、今度は私は、土壌について知らない人が、どうして人の健康について理解できるのだろうかと。これが今、加藤先生がおっしゃっていたことだと思うのですが。だから、お話を今日するのが楽しみです。
腸の細菌と土壌の細菌が同じだと、似ているのだと。こういう話に進んでいって。最後にはそれが、今度は脳とも関係しているのだというところまで、お話しを聞いて頂ければ、私が今日、ここへ来た喜びがあります。とてもドーパミンがでるのですけれども。
そして、同じことをね。一番初めに、孔子が言っているのですよ。孔子がね。人の下なるもの、基はなお土か。これに種えれば、すなわち五穀を生じ、これを掘れば、水が湧き出し、禽獣育ち、動物が育って。生ける人は立ち、死せる人は入り、その功多くて言い切れない。こうして、抽象的なことばかり言っていますけれどね。具体的なことをこれね。見つけたのですよ。
そうするとですね。土というものが、そこから我々を生み、そして死んでいくと。これほど貴重なものは、ないじゃないかという。これを見てですね、孔子が好きになりました。その前は、孟子とか老師の方が好きでしたけれどね。心の問題で、上手に寄っているけれども。そうしたらやはり、組織を維持するためのことしかあまり行っていないものですからね。
《 加 》 僕が高校生の時に、この言葉を聞いていたらですね。当たり前すぎて、なんだこりゃという感じに思うかもしれませんけれども。やはり、色々な経験とかをさせて頂いて、色々考えたあとにこれを聞くと。
《 陽 》 味が出てきますよね。
《 加 》 すごく重要なことだなというのは、分かりますよね。
《 陽 》 だから、こういうことはあまり言われていない。これをね、見つけたのですよ。大変、なかなか大変でしたけれども、そういうことを言っているのですね。そうするとね、日本人も同じことを言っているのですよ。例の、徳富蘆花。蘇峰の兄貴かな。徳富健次郎というのは、「 みみずのたはこと 」という文集がありますけれどもね。
土の上に生まれ、土の生むものを食うて生き、而して死んで土になる。我等は畢竟土の化け物である。土の化物に一番適當した仕事は、土に働くことであらねばならぬ。あらゆる生活の方法の中で、尤もよきものを撰み得た物は農である。土に触る人こそ、実に幸せで立派な人だということを、「 みみずのたはこと 」というタイトルですからね。
これを、徳富蘆花が言っているというのは、やはり別に孔子を読んだわけではないでしょうけれども。土の持っている本質と、人間との関係をついているなと思うのですけれどもね。その次は、良いと思います。だから、マザーアスティルですね。土のことを英語で。マザーアース。母なる大地ですね、いうなればね。
《 加 》 マザーアースという言葉があるのですね。
《 陽 》 実際の英語は、ソエルですけれどもね。ソエルとかダートと言うのですね。汚いという意味。それでね、これはですね。お医者さんは、割とご存じな方が多いのですが、身土不二。身体と土は、二つに分けられない。身土不二みたいな言葉がですね。医食同源。食べることと医療は同じだと。だから、食即位ですね。あの、薬ですよね。
それからあの、地産地消という言葉がありますけれども。取れたところのものを食べていると、これはもう健康だと。今、世界中のものを食べていますけれどもね。それから、手法主義に山間ナスという、そういう言葉があって。東西南北の約20キロメートル以内のものを食べておけば、病はないんだという風に言われている。
要するに、人間というのは、その土地に生まれた、 要するに生き物だということがこの辺にはわかるのですけれども。韓国に行ったら、身土不二という旗が立っているので入ってみたら、飲み屋だった。そんな身土不二という言葉は、色々な意味で使っていますけれどもね。身土不二ね。
それからですね。これが一番ですね、私共にわかりやすいのですが。ハワードという人が、有機農業。これを、一番初めに言い出した人です。それで、土、植物、動物、人間、健康というのは、輪で繋がっているのだということ。鎖の輪という言葉を言い出した人です。
これが、良くみんなが最近、有機農業、有機農業という人々がやっていますが、これがこの人の本の原点です。 ところが、この本の原点がですね。あんまり有機農業をやっている人は読んでいないのですよね。
《 加 》 原点なのに。
《 陽 》 不思議なのですけれども。実は、それの原点がですね。有機農業というタイトルではなくて、ソイルアンドヘルスという本なんですよ。土壌と健康、それが一番の原点なんです。有機農業。科学農法ををやらないで有機農業をやれば、人々は健康になるという原点なのです。これが、ハワードの有機農業。だから、土から。そして、食べ物から、牛から。そして人間へ。これは、私の孫ですけれどもね。
畑にね、大きなプールを作ってやってね。そこへ、お水を入れてあげて。そこで、僕の畑の近くだから、ナスやらキュウリやらトマトやらをぶち込んでやったらね。大喜びで食べていてね。ついでに、金魚まで入れてあるのですよ。そうしたら、金魚を捕ろうと思って、大騒動でもう大変でしたね。これはまさに、健康的ですね。状況だろうと 思うのですが。
そうしたら、そういうことをですね。他の人も今まで、色々と言ってはいるのですね、たくさん。私が農医連携ということを言い出したわけではなくて。だから、さっき言いましたように、The Integration between Agriculture and Medicine through the Environment.
環境がきちんとされていて初めて、胃と脳が完成したら、それは健康を導くという話ですね。それであの、シュタイナーってさっき申しましたけれども。人智額の人がですね。不健康な土壌から取れた食べ物を食べている限り、魂は自らの肉体の牢獄から解放するためのスタミナをかいたままだろうと。翻訳だからそのまま、あまり上手な訳ではないですね。そのまま入れてあります。それからね、107年ぐらい前に、アレキシスカレルという人がですね。ノーベル生理学賞を貰っているのです。この人はご存じですかね。アレキシスカレル。
《 加 》 いや、わからないですね。
《 陽 》 これは医者ですけれどもね。生き物が全て、土壌の肥沃度に応じて、健康か不健康になると医者がですね。100年以上前に言っていたのですね。それも、ノーベル賞をとった。我々は、常に新しいものが良いと思っていてですね。古いものを、温故知新をやりませんね。だからむしろ、温故知新よりかは、温故確信という言葉にした方が良いと思うのだけれども。温故知新という、古きを訪ねてですね。新しく。
それから、今話していた、ハワードですね。これが、土壌肥沃度の維持が、健康の根本である。この土地で栽培された作物は、病害虫に抵抗性があり。この抵抗力は家畜にも添加される。これが、ハワードが言った言葉。要するに、健康な土から健康な作物ができ。健康な動物ができ。健康な人間ができるというサイクルを、これもですね。今から150年前。彼は、70、80年ぐらい前の。90年近く前に、ハワードが言いました。
それから、岡田茂吉という人がいて。これは、宗教者で哲学者で。化学物質を用いないで生産された食べ物を摂取することで、人間は健康へと導かれ、生命は健全に維持されるという。化学肥料と農薬は、絶対に使うなと。こういうことを言っているのです。私は一応、化学をやってきましたから。絶対使うなとは言いませんけれども。こういうことを言ってるのが、農薬と化学肥料です。
《 加 》 これって、1990年代の前半に言っているということが、凄いですよね。
《 陽 》 そうですよね、そうですよ。こういうことを、みんな言っているのだけれども、もう今はですね。話が逸れますけれども、経済という円の方が大きいのですよね。その経済という大きな円の中の、小さな環境とかでね。小さな健康があるのですよね。実は健康とか環境の円の方が大きくってね。経済の円が、少しでも小さくなるような社会構造でないと。やはり、人間は健康にはなれないのでは無いのかと。こねこねこねという話ですね。
それでですね、ちょっとこう関係していますけれども。土壌とノーベル賞というのは、関係ないように見えますが。実は、土壌でノーベル賞をもらった人がいる。例えば、ハーバーというドイツの学者ですね。これはノーベル賞を取った。それから、ボッシュというドイツの学者ですね。これも、ノーベル賞ですね。
それから、有名なのがあれですよね。マークスマンですよね。抗生物質。土の中から抗生物質を見つけて、それを培養したのが抗生物質。今は、たくさんありますので抗生物質。それと似たようなことをですね。大村智先生。これは、喜多方大学の名誉学長ですけれども。小倉仁先生が、生理学医学賞をもらわれましたけれども。
これは土の中の線虫ですね。イベルメクチンという薬を作って、ノーベル賞をもらったのですけれども。線虫が身体に入り込んで、そしてそれがですね。卵を産んで成虫になってでる時というのは、目なんですよね。だから、メクラ。盲目の人はですね、アフリカなんかイベルメクチンを先に飲むと、その菌を殺すことができるから。抗生物質。2億人くらいの人の目を直したのですよ、大村先生は。
《 加 》 えぇ。凄いですね。
《 陽 》 それからこれ。恥ずかしながら、私ですけれども。これはですね、ノーベル賞から感謝状をもらったのです。それは何かというと、化学肥料をやると亜酸化窒素というガスが出たり。田んぼを広げると、メタンというガスが出て、温暖化が起こりますよという。そういう、ICPPに貢献したものですから。これは、おまけですけれども。これはノーベル賞の感謝状ですね。もらったわけなんですよ。
《 加 》 感謝状、凄いですね。
《 陽 》 ほら、ごらんなさい。 NOBEL PEACE PRIZE. KATSUYUKI MINAMIでしょう。ちょっと自慢したようで。
これがですね、我々の健康を保っているのだという。こういう話ですね。
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